館長2
「館長! 何時の間にいらっしゃったのですか?」
「おぉ! マレリナか、お主も今の光景を見ておったのか? いやなに、少し前ごろからこの部屋には居ったのだか何やら信じられん光景が広がって居ったものでな。話し掛けるのも忘れて少々見てしまったのだ。」
見た目は確かに幼児だが、レイミア様にはそれすらも神聖な物にしてしまうオーラがあるのだ。それは、まるで人間の信仰する神が人に、未来や知恵を授ける時のような輝きが見えた気がしたのだ。ーーいや、この場合では神なんてそんな曖昧な存在ではなく。レイミア様と言う女神が我々に知恵を授けて下さったではないか!
その証拠に、この車の発明は危険性を無くすことが出来なければ開発、販売を中止するように国から指事が出ていたのだ。たしかに、グラーシア様などの一部の上層部の者は、画期的な大発明だと、開発を支持してはくれていたが、国王からではないと研究に発生する研究代はでないのだ。
だからこそ。この度レイミア様の知恵を授かれて、この研究所は大いに救われておりますと言うのに、レイミア様はなんだか心を痛めているかのように、瞳を揺らしていらっしゃった。
「すみませんでした」
ーーその疑問はそのレイミア様の一言で全て理解できた。この謝罪は我々の研究に勝手に口を挟んでしまったことへの罪悪感かもしれませぬ。いや、そうに決まっている!! 何せ、レイミア様はまるでこの世の生き物ではないくらい神秘的で心優しい御方であると、城で働く友人から聞いている。何でも、レイミア様はこの国でストーカーの被害にあったのにも関わらず、国に訴えるのではなく、寛大な心でお許しになり、その上レイミア様だって恐怖を感じるだろうに、御兄様の御心配を成されたとか。
何てできた御方なのだろう。きっと今回も魔化学者達の研究に対するプライドを傷付けてしまったのではないかと思い、頭を御下げに成ったのであろう。なんって! 健気な御方なのだろうか!! 多少返事が遅れてしまったが、レイミア様に心配は要らないことをいち早くお伝えしなければ!!
「ーーいえいえ! 良いのですよ! 本当に、我々では思い付かないようなアイディアを下さったことに、此方がお礼を申し上げたいほどなのですよ!」
そうお伝えしても、レイミア様は未だ納得されてはおられないようで、「ですが、......」と、お気に成されますが本当に心配は無用なのですよ!
どう仰ればレイミア様に安心して頂けるのだろうか......?
ーーそうだ! 我々の感謝の念を形に残るものにして送らせて貰おう!! そうすればレイミア様に伝わるやも知れません!
「この度この車の改良案件を解決してくださったレイミア様を、此処の研究所への貢献者として名を記録したいのですがよろしいでしょうかな?」
レイミア様にそう伝えれば、レイミア様はその瞳を大きく見開き驚きを表している。我々の感謝の念を受け取って貰えたのでしょうか?
そんなことを思い、年甲斐もなく顔を輝かせていると、その会話に介入者が現れた。
「あら、それは良いわね! 是非にそうしなさいな!!」
「おや、これはこれはグラーシア様ではありませぬか」
その者とは、この研究所を支持してくださっている上層部の御一人、グラーシア様であった。
「久しぶりねオゼット」
「お久し振りで御座いまする」
「相変わらず変なしゃべり方ね」
む......? そんなに可笑しな話し方をしておるだろうか?.......って! 今はそれよりも大切なことがあるではないか!!
「この度のレイミア様の改良案はとても素晴らしく、世界をひっくり返すような素晴らしいもので御座います。当然、国を上げてお祝いをしてくださいますな?」
「勿論! 当たり前じゃない! もうすでに城への連絡は済んでいるわ!!」
「おお! 流石グラーシア様ですな!!」
うむ、流石この研究所を支持してくださる方のお一人である。それに、魔化学の女神であられるレイミア様がこの研究に加わったことで、きっと国も見る目を変えるだろう! いや、もしかしたらあの王はこうなることを見透して、レイミア様に此処を紹介したのかもしれませんな。
まったく、これから忙しくなりますぞ。
投稿遅れてすみません、ゲームのシナリオの息抜きとして書いたものを繋げて投稿しました。
昨日は熊手を買いに十日町市に行ってきたのですが、思ったより帰る時間が遅くなり、投稿が翌日になってしまいました。待っていてくださった方、大変申し訳ございませんでした。




