ぶっとび話
変なしゃべり方をするおじさんに話を聞いてみると、どうやらこの人が此処の館長さんだったようです。
何でも、この部屋には少し前に来ていたようなのですが、私が書類のおいてある机に何か書いていたのでこっそり覗きに来たとか。まぁ、見た目陽気な少女が難しい書類に向き合っていたら誰でもぎょっとしますよね......それが現在研究中の書類だったら尚更慌てますよね。でも自由に見ていいって言ったのそっちですからね! ちゃんと見られたくない資料を片付けないのが悪いんですからね!! 謝るけど!
「すみませんでした」
「............」
「............」
「!! いえいえ! 良いのですよ! 本当に、我々では思い付かないようなアイディアを下さったことに、此方がお礼を申し上げたいほどなのですよ!」
ーー 今 の 間 は 何 ! ?
え、本当は激おこですが御偉いさんの娘だからか許してやるよみたいな? みたいな感じですか!? こ、此処はちょっと食い下がっておきましょう。
「ですが......」
「おぉ!! そうだ! この度この車の改良案件を解決してくださったレイミア様を、此処の研究所への貢献者として名を記録したいのですがよろしいでしょうかな?」
な ん か 話 急 に が ぶ っ 飛 ん だ ! ?
え、これは何て話を着けるのが正解なのでしょうか!? え、これってあれですか? 御偉いさんの娘が折角案を出してくれたのに使わなければ同盟にひびが入るからここではそう言っているとか!? それともここに私の名前を記録すことで、これからの貿易をよりスムーズにするための策略ですか!? え、私は国の為の潤滑剤ですか? え............
私がそんなことを漠然と考えていると、話を聞き付けたグラーシアさんが介入してきた。
「あら、それは良いわね! 是非にそうしなさいな!!」
「おや、これはこれはグラーシア様ではありませぬか」
「久しぶりねオゼット」
「お久し振りで御座いまする」
「相変わらず変なしゃべり方ね」
ドストレート!! グラーシアさん辛辣!!
「む?......そんなことよりグラーシア様」
あ、今この人今話ずらしましたね。
「この度のレイミア様の改良案はとても素晴らしく、世界をひっくり返すような素晴らしいもので御座います。当然、国を上げてお祝いをしてくださいますな?」
「勿論! 当たり前じゃない! もうすでに城への連絡は済んでいるわ!!」
「おお! 流石グラーシア様ですな!!」
完 璧 に 後 者 だ っ た !
国の潤滑剤に私が利用されてる!? しかもお兄さま達気が付いてませんよ?! 普通に誇らしそうにしていらっしゃいます............
くっ......!! 国の為に幼女(仮)すら利用する策略蔓延る国イザート......恐ろしい国です............