鞄
「荷物確認は終わったかい?」
「それが、なにか変な感じが......」
「変?」
「何となく......だけど」
兄二人とグラーシアさんが部屋に入ってきて直ぐに話しかけてきたので、私は今の状況を3人に伝えながら何が変なのか考えます。特に変なところは無いのですが、何となく違和感を感じるんですよね......何でしょうか?
「......レイミア、その鞄を僕が開けてみてもいいかい?」
「アシュリー兄さんが?」
「うん。ノア、レイミアと一緒に下がってて」
「......わかった」
ーーあ、わかりました! なにか可笑しいと思ったのですがようやく気が付きましたよ! これ、鍵が空いています! 私が一人でスッキリしていると、私達がアシュリー兄さんから距離を取ったことで、それを確認したアシュリー兄さんが鞄を開けてしまいました。すると......
ドカンッ!!
「「「!?」」」
「兄さん!」
「レイミア! 危ない!」
「でも......!!」
「ちょっと! 衛兵と救護班を呼んできなさい! 一刻を争うのよ! 急いでちょうだい!」
私の鞄を開けた瞬間、鞄はアシュリー兄さんを巻き込んで爆発しました。部屋中に火薬の独特な焼けつく臭いと微かな血のような臭いが広がり冷や汗が流れる。
煙で前が見えないなかで、私は咄嗟に前に手を伸ばしアシュリー兄さんの下へ走り出そうとしましたが、それはすんでのところでノア兄さんに阻まれます。そんなやり取りをしていた私とノア兄さんの横で、グラーシアさんは部屋の近くにいた使用人に叫ぶように指示をだし、部屋中に広がる煙を外に出すために近くにあった窓を開けてくださります。しばらくすると煙が落ち着き部屋の様子が見えてきます。......勿論、鞄の近くにいた兄さんの姿も......
「アシュリー兄さん!」
「っ!......レイミア! 無事かい?」
「私とノア兄さんは無傷よ! 私達よりアシュリー兄さんの方が......」
「僕も大丈夫だよ......咄嗟に魔力で盾を作ったからね......でも本当に咄嗟だったせいか少しかすってしまったけどね。なに、大したことはないよ」
ほら そういいながら私に怪我をしたらしい左腕を見せてくれますが、私からしたら火傷と流れる血のせいで、とても痛そうですし、どうみても重傷です。
「大怪我をしているじゃないですか!」
「え......」
「直ぐに手当てをしなくては!!」
この時私は、普段家族にはあまり使わない敬語が出ているのにも気が付かないほど焦ってしまい、この時アシュリー兄さんがどんな顔をしているのか、全く気が付いておりませんでした......
やっと動き出しましたね。




