従兄弟
イリン視点です。
「なっ...!なぜお前が此所に居るんだ!」
「あら、私が母国に居たら何か可笑しいかしら?」
「可笑しいわ! 貴様ついこの間学校が始まるまで暇だからそれまで旅に出る、とか言って了承も得ぬまま国を出たであろうが!」
「だって忘れ物しちゃったんだもの、仕方無いじゃない? そ・れ・に、帰ってきたら何だか面白そうなことに成ってるじゃない? これは是非御挨拶するしかないと思って、乱入しに来たってわけ」
そういっておほほ! と笑うグラーシアは酷く楽しそうだ。くそっ折角よい時期に居なくなったと思ったらさっさと帰ってきおって......そもそもグラーシアと私は従兄弟ではあるが、私の父親の年の離れた妹、つまり私の叔母の息子であるグラーシアと私もそうとう年が離れている。そして周りに同じ年頃の子供が居ないため、何時も暇なのかいきなり突拍子のないことをし出す。あの女装も、最初は兵や使用人、そして私達をからかって遊ぶためにしていたのだ。だが最近はどっぷりはまりこんだのか楽しそうにやっている。
「それで? 噂の竜族族長の御子息御&息女は何方か...しら?......!?」
そういって私からしたら意識を外し辺りを見回し、ルイ殿の御子息と御息女であるお三方を探した時、グラーシアの目線が一点に集中された。そして件のグラーシアは顔を真っ赤にし口を魚のようにパクパクしている。
......此所に女性は一人しかいない。こいつレイミア様に惚れおったな。こんなに分かりやすければ誰でもわかるわ。見ろ、アシュリー殿とノア殿のあの鋭い眼光を、今から一狩り行こうとしておるぞ。獲物になる前に諦めることだな。
「ちょっと、ちょっとちょっとちょっと! イリンちゃん!」
「誰がイリンちゃんだ馬鹿め」
「呼び方なんて何でもいいのよ! それよりあの、あの方たちは!?」
「あぁ......彼処に居られるのは今回竜族の里から入らした方たちだ。お前も知ってるだろう。ルイ殿の御子息である長男のアシュリー殿と三男のノア殿、そして長女のレイミア様である、失礼のないように」
ーーまぁ、無理だろうがな。私がそう心のなかでそう付け足したのは、視線が未だにレイミア様に注がれているため、略確信を持って言える。こいつまたなにかやらかす。
こいつが何かやらかす前にさっさと紹介してしまうか......
「大変騒がしくて申し訳ない。この者は、私の年の離れた従兄弟であるグラーシアと言うものだ。レイミア様が学園へ上がるとき、ちょうど同じ年か1つ上辺りに居る筈だ。礼儀の成ってないやつやつだか悪いやつではない、仲良くしてやってもらえると嬉しい」
私がそう締め括ると、レイミア様はアシュリー殿達がお辞儀をしたあとに続くよう、優雅で大変美しいお辞儀をしたして見せた。その御手本のようなお辞儀にまたもやあのアホは見とれ口をパクパクしていた。このへたれが。
「あ......失礼しました! わたくしはイリン王の従兄弟、グラーシアと言います。どうぞよろしく」
そういってグラーシアは女の礼をした。こいつ男の礼より女の礼の方が手馴れておる......
私はその事実にまたもやため息を吐く。何だか頭が酷く痛むような気がした。
すみません
間違えて予約投稿にしてました......
待ってくださっていた方本当に申し訳ございません。




