トラブルハンター
前回に引き続きイリン様視点です。
門からかなり離れた場所にある城の中にはいると、近年に開発された魔科学混合道具であるスペース エアー コントローラー。略してSAC、サックと言う道具を用いて、個人の体質にあわせて空間が調整されていた。我が国の最高作品だ! まぁ、レイミア様の電話に比べれば普及率も知名度も遥かに下だがな。
私が弱冠自国の発明品にたいして評価をつけ、勝手に落ち込んで居る間もアシュリー殿との会話は続いている。
「竜族の里と比べればとても暑いところかもしれないが、そんなところを含めてこの国を好きになって貰えればと思うよ」
「えぇ、我々もこの里が好きになれれば良いと思っています」
「......ククク、アシュリー殿はとてもルイ殿と似ているとお見受けする」
「親子ですので」
「ははは、そうだな」
きっとは私たちは、端から見たら仲良く見えるのかもしれないが、端から見たら狐と狸が騙しあいをしているように見えることだろう。だが、私達は決して嫌味などの応戦をしているわけではない。その証拠に、アシュリー殿も気にした風ではない。きっとルイ殿に一番顔の作りが似ているのでよく言われるのだろう。まぁ、私からしたら性格もよく似ているがな。
「では、これから1週間の予定を説明させていただくのでよく聞いて、わからないところなどはその都度質問してほしい」
私は王座のある王広間から然程遠くない位置にある応接室に着くと、早々にプリントを配りそう切り出した。レイミア様の滞在猶予はたったの1週間しかないのだ。この機会に色々知っておくべきだろう。そう思い、私自ら徹夜で作成したスケジュールが書かれた紙の内容を説明するべく、正に口を開けた瞬間だった。それはいきなりやって来た。
トン トン トン
きっちり3回ほど扉を叩く音がしたと思うと、扉の向こうから男の声が聞こえる。この声は宰相の物だ。何かあったのだろうか......?
「王よ、お時間よろしいでしょうか? 少々不祥事が起こりまして......」
「なに?......皆さん申し訳ないが少々失礼させて頂きます」
私はそういって椅子から立ち上がり部屋を1度出ようとしたそのとき、そいつの声はこの部屋に響いた。
「あらあら、態々お部屋を出ていくことなんて無いんじゃなぁい? 私は別に気にしないわよぉん?」
そういっていきなり部屋へ乱入し、私に声を掛けてきたのは私の従兄弟にしてオカマ(本人いわく心は乙女)である自称この世の女神。他称トラブルハンターのグラーシアだった............




