ガチャ切り
レイミア視線にもどります。
私が家に向かって歩いているとき、リーザさんは何故か無言でした。
ーー何で!?
え、何か怒らせることしましたか? 私普通に宥めるために手を握る力を少し強めただけで......ッハ! もしかして私も竜族だから気が付かないうちに力が人一倍強くなってたとか!? それか、こんなガキに慰められるなんて屈辱だと思われたとか?! え、そうなの? そうなんですか? あれ? ............泣きたい(泣かない)
私がこの状況を打破するため、思考を巡らせ、一人百面相をしている間に対に目的地へと到着してしまいました。いや、着いて良いのですが何か考えた時間が無駄になった気がしてちょっと悔しいです。はい......
「リア......お帰りなさい。今日は、何処まで行ってきたの?......」
「ノア兄さん......ただいま。今日は商店街の近くまでだよ」
私が家について直ぐに話しかけてきたのはノア兄さんだった。ノア兄さんは私を玄関付近で見かけると、此方に方向を転換し、向かってきた。近くまで来て、私とリーザさんの前で止まると、お客様そっちのけでノア兄さんは私に話し掛けてきた。
私はノア兄さんの相変わらずのシスコン具合に、少し呆れたような顔をしてたかもしれないが、それでもきちんと返事を返した。
「......ノア、貴方は相変わらずの様ですね......私が見えていないなんて言わせませんよ?」
「......あぁ、やっぱり居たの? レイミアに変なこと、話してない?」
「ふふ......どうかしらね?」
リーザさんはちょっと悪戯っ子の様な笑みを浮かべると、ノア兄さんはそれを見て嫌そうな顔を全く隠そうともせずにその顔に浮かべた。というかやっぱりノア兄さんも、知り合いだったんだ。
「ふふふ、大丈夫よ安心なさい」
「......信用できない......」
「あら、失礼ね。でも今回は本当に安心なさい。私は貴方達の恥ずかしい思出話を聞かせて差し上げたかったのだけれど、貴殿方が嫌がるだろうから聞かないとおっしゃったので、変なことは何も話してないわ」
「......!!レイミア......」
リーザさんがノア兄さんに私に何も話してないから心配するなと言うと、ノア兄さんは何やら感動したかのように此方を見た。余程知られたくない思出話があるようだった。
「レイミア......ありがとう......」
「どういたしまして?」
そう私がノア兄さんの感謝の言葉にたいして返事をすると、ノア兄さんは1つ頷くと私を抱き上げた。ちょっ! いきなり抱き上げたら驚くでしょうが!!
「リーザ様。族長が応接室で御待ちしております」
「あら、やっぱりガチャ切りしたから怒ってる?」
「それはもう」
「あら、それは困ったわね~」
なんの話かよくわからないけど、ガチャ切りとは恐らく電話のことだろう。数年前に科学者の人達に案を出して皆で頑張って作ったら、思ったより早く世界に広がってしまった通信機だ。その電話要語のガチャ切りが出たことから、もしかしたらリーザさんはパピーの返事を聞かずに電話をいきなり切ったのかもしれない。
さっき震えていたのも、もしかしたらその事にたいして怯えていたからでしょうか?
「まぁ、とにかく応接室に行きましょうか」
そういって応接室へ向かって歩き出したリーザさんは、なんだかやけに慣れているように見えた。
なんだか最近視線が安定しませんね......




