自分がされて嫌なこと
今回もとっても短いです。
海のお姉様ことリーザさんはなんと我が家に用があるらしいので、私は丁重に御案内しようと思ったのですが、何やらリーザさんが震えていました。もしかしてこれから会う私のパピーこと族長に会うことに緊張しているんでしょうかね? 普段は私にでれでれのただの父親ですが、あんなのでも仕事では威厳が凄いらしいので、緊張してしまうのは仕方の無いことなのかもしれません。だから私はその緊張を解そうと、手に少し力を入れて私も付いてるよ! と言うアピールをしました。それが伝わったのか、リーザさんの震えが徐々に収まりました。うん、良かった良かった。
ーー震えが収まった所で悪いのですが、私は先程から聞きたくてうずうずしている事があるのですよリーザさん。
「ところでリーザさん」
「ん?」
「御兄様が海を知らなかったと言っていましたがどの御兄様のことですか?」
そう、これです! 私の認識では、どんなに幼くても、絵本や大人達の話で、海と言う言葉を聞き、5歳くらいになれば、どのようなものかはさておき、海を知らない何て事は無い筈です。だから、私ぐらいの年齢で海を知らなかった御兄様は誰なのかちょっと気になっていたのです。
ーーあ、別にこれをネタにからかうとかではないですよ? ただの私の好奇心ですしね。
「誰って......勿論あなた以外の全員よ」
............え? 全員?
え、マジっすか。え。なんかとっても意外な答えを聞いてしまいました。私の偏見で、ノア兄さんやアルフレット兄さんならまぁ、まだわかるのですが、アシュリー兄さんとレオン兄さんは予想していなかったので、とっても以外です。何でも物腰柔らかにスマートにこなす兄達の意外な1面を見てしまった気分です。まぁ、先程も言った通り、この話について何か言うわけでは無いのですがね。
「......そうなんですか」
「あら? 意外だったかしら?」
「まぁ......そうですね。兄は私の前では何時も良い兄ですし、そのような幼少時代の話を聞いたことが無かったので。......そうですね。驚いてます」
私がそう素直に言うとリーザさんはふふふと優雅に微笑み話し出した。ーーどうでも良いことですが、この人何でこんなに笑い方1つにこんなに品があるんですかね?品のよさって何処で売って居るんでしたっけ? ドラッグストアで売っていれば良いのですが......
「ふふふ、ならもっと話しましょうか? あの子達の面白い話なら結構あるのよ?」
リーザさんはそう言いながら悪戯っ子のように笑う。何てお茶目な御姉様なんですかこの人は! 言ってることにはとても興味がそそられるのですが、私はーー
「遠慮しておきます」
リーザさんは私の答えにピタリと歩みを止め、私の方にきょとりとした顔を向けた。
「あら、どうして? とっても面白い話もあるのよ? なんなら貴女のお父様のお話だって......」
「ーーそれは大変気になります。気になりますが、私は、私の知らないところで自分の恥ずかしい話をされたら、とても嫌な気分になると思うので、他の人にはしたくないんです。だから、そのお話は本人に直接聞くことにします。」
自分のされて嫌なことは人にしないと言いますしね。私が聞いたところで話してくれるとは思えないのですが、今ここでこそこそお話を聞くよりは話のネタとして皆で盛り上がれると思うので、聞くなら直接聞くことにします。
「......そう」
リーザさんはそう短く返すと、とても柔らかく微笑み、また歩き出した。
ちょっとごっちゃになる方向けに人物紹介
ハース王国国王=カロル・マルレーン
人魚や魚人の多い国 海の都 女王=リーザ
妖精や精霊の住まう国 リーリアの国王=シザ
魔法と科学の融合物が最先端な砂漠国家イザート国王=イリン
主人公の父親であり、竜族の里の長=ルイ・リントヴルム
各国の王の名前の整理はこんな感じでしょうか?




