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異世界ハーレムのミソジニスト(女性嫌悪者)  作者: 一条 剣
ジュエルシティ編
14/17

14.レイラ

「ふわああああ」


目を覚ます。朝日が窓から差し込み、俺の顔を優しく照らしていた。頭がぼんやりとしている。昨夜の出来事が、少しずつ記憶の中で形を成していく。


そういえば、昨日はディックと同室で一夜を共にしたんだっけ?

その事実を思い出し、俺は思わず苦笑いを浮かべた。まさか、こんな展開になるとは。

当然何もなかったけどな。


それでも、変な誤解を招いてしまったことに、少し後悔の念が湧き上がる。


「おー、リクト起きたか?」


ディックの声が、俺の耳に飛び込んできた。朝の眠気を一気に吹き飛ばすような、元気な声だ。

ディックはすでに起きていた。


彼の姿を見て、俺は少し驚いた。普段はグータラしているイメージがあったが、意外と早起きなのかもしれない。

今は着替えているみたいだ。


上半身裸のディックが、部屋の中を行ったり来たりしている。その姿を見て、俺は思わず目をそらした。


「おい、あまりジロジロこっちを見るなよ…」


照れながら言うディック。その表情には、どこか警戒の色が混じっていた。

おい、まだ昨日のこと引きずってるのかよ。

心の中で呆れながら、俺は大きな溜息をついた。こんな誤解、早く解いておかないと面倒なことになりそうだ。


「あのなー、だから俺は別に男が好きじゃないんだって!」


俺は呆れながら言う。声には、少し苛立ちが混じっていた。

女が嫌い=男好きではないんだぜ。

なぜ、そんな単純な論理が通じないのか。俺は、心の中で嘆いていた。


「昨日もいつ襲われるか緊張して寝れなかったぜ!」


ディックの言葉に、俺は思わず目を丸くした。まさか、本気でそんなことを考えていたのか。


「あのなー。」


言葉が出かけたが、俺は一旦深呼吸をした。冷静に対応しないと、さらに誤解を招きそうだ。


「冗談冗談、ちゃんと信頼してたからな!」


笑顔で肩を叩いてくるけど、その目のクマはなんだよ!?

ディックの顔には、明らかな疲労の色が浮かんでいた。これは、完全に寝不足のサインだ。

マジで信用してなかったな、こいつ!


「いつまでも宿でグダグダしてても仕方ないし、外に出ようぜ!」


俺がディックに提案する。この気まずい空気を変えたい一心で、俺は話題を変えることにした。

正直、寝起きだからもう少しグダグダしていたいが、時計を見るともう9時半だったので、そろそろ外に出た方がいいかなと思い始めたのだ。


「そうだな、アイリスちゃんを迎えに行くか!」


ディックが言う。その声には、どこか期待の色が混じっていた。


そうだよな、アイリスは昨日あのレイラさんと二人で寝てるんだよな。

その事実を思い出し、俺は少し不安になった。あのレイラさんと一緒に寝るなんて、アイリスは大丈夫だったのだろうか。


とりあえず、迎えに行ってみよう。

俺とディックは、急いで身支度を整えた。


「お、おはよう二人とも。」


レイラさんの部屋に行くと、アイリスが目をこすりながら出てきた。

彼女の姿を見て、俺は少し驚いた。いつもはきちんとしているアイリスが、こんなにも疲れた様子を見せるなんて珍しいことだった。

目にはクマが出来ている。


その様子を見て、俺は心配になった。きっと、昨夜はろくに眠れなかったのだろう。


「眠れなかったのか?」


俺が感じたままの疑問を口にする。声には、心配の色が混じっていた。


「うう、昨日のことは思い出したくないわ。」


アイリスが悪夢を思い出すかのような表情で答える。

おいおい、レイラさんと何があったんだよ!?

心の中で叫びながら、俺はアイリスの表情を注意深く観察した。彼女の目には、明らかな恐怖の色が浮かんでいた。


「あらー、みんなこれから出かけるの?私も連れて行ってくれないかしら?」


レイラさんも部屋から出てきた。そして、何か訳の分からない提案してるぞ、この女は。

心の中で呆れながらも、俺はレイラさんの提案に戸惑いを感じた。まさか、彼女まで一緒に来るつもりなのか。


「いやいや、宿の受付はどうするんですか!?」


俺は思わず声を荒げてしまった。そんな無責任なことを言われても、困るだけだ。


「いやねー、あんなの叔母さんのお手伝いだし。今日は叔母さんがやってくれるわ。」


俺の質問にレイラさんが笑いながら答える。その態度には、どこか余裕が感じられた。

なんだ、レイラさんが宿を経営してたわけじゃないんだ。

その事実を知り、俺は少し安心した。少なくとも、宿の仕事を放り出して来たわけではないらしい。


「レイラちゃんみたいな美人なら大歓迎だぜ!」

「あら嬉しい!さすがディックちゃんね!」


ディックは相変わらず美人なら大歓迎みたいだな。

その様子を見て、俺は少し呆れた。ディックの女性への態度は、相変わらず軽いままだった。


だが、俺の心の中に、不安が湧き上がる。この状況、このまま許していいのだろうか。


「私は嫌よ!ほ、ほらレイラさんはこの旅とは関係ないじゃない!?」


アイリスが猛反対している。

それは、もう必死に反対している。


よほど、レイラさんと一緒にいたくないんだろうな。

アイリスの様子を見て、俺は同情の念を抱いた。彼女にとって、レイラさんの存在がどれほど脅威なのか、よく分かる。


「あら~、アイリスちゃん、悲しいこと言わないで。一夜を共にした仲じゃない?」


レイラさんがアイリスに詰め寄る。その姿は、まるで獲物を狙う猛獣のようだった。

じわじわ近づいてくるレイラさんに対して、アイリスは距離を取ろうとする。

アイリスの動きには、明らかな恐怖が見て取れた。彼女の体は、小刻みに震えている。


「ち、近づかいないで下さい!私、男の人は苦手ですけど、だからって女の人とそういうこと出来ませんから!」


アイリスの声には、パニックの色が混じっていた。彼女の言葉に、俺は思わず目を丸くした。


「あら?そういうことって?」


レイラさんの声には、明らかな挑発の色が混じっていた。その様子を見て、俺は思わずため息をついた。


「だ、だからいやらしいことです!」


アイリスが顔を真っ赤にしながら答える。

彼女の言葉に、場の空気が一瞬凍りついた。誰もが、言葉を失ったかのようだった。

それを聞いたディックが咄嗟にこの話題に飛びついた。


「え?昨日もしかしてアイリスちゃんとレイラちゃんがいやらしいことを?」

ディックの目は、まるで子供のようにキラキラと輝いていた。その様子を見て、俺は思わず呆れてしまった。


「し、してないわよ!レイラさんに襲われそうだったから、ベッドでずっとガードしてたわよ!」


アイリスの声には、怒りと恥ずかしさが入り混じっていた。その言葉に、俺は思わず笑いそうになった。


「アイリスちゃんが男嫌いだって言うから、期待してたのにな~。でもそこまで言うなら、もうアイリスちゃんにいやらしいことはしないわよ。」


レイラさんが残念そうに答える。その表情には、どこか悪戯っぽさが混じっていた。

アイリスはまだ半信半疑の目をしていた。

彼女の目には、まだ警戒の色が残っている。それも、無理はないだろう。


「ほ、本当ですか~?」


アイリスの声には、希望と不安が入り混じっていた。彼女の表情を見て、俺は少し安心した。


「本当よ、別の獲物を見つけちゃったし。やっぱり女の子もいいけど、男の子よね。ね~、リクトちゃん?」


レイラさんの言葉に、俺は思わず身を固くした。まさか、こんな展開になるとは。


「え!?俺かよ!?」


急に俺に話題をふられる。

その瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。どう対応すればいいのか、全く分からない。

いやいや、俺もそういうのはちょっと…。


心の中で必死に否定しながら、俺は言葉を探した。


「ちょっと、それは遠慮させてもらいます。」


俺の声には、明らかな拒否の意思が込められていた。


「え~、つまんない!」


レイラさんが駄々をこねる。

その姿は、まるで子供のようだった。俺は、思わず苦笑いを浮かべてしまった。


いや、そんなこと言われたってね~。

心の中で呟きながら、俺は困惑の表情を浮かべた。こんな状況、どう対処すればいいのだろうか。

そう思っていると、一人落ち込んでいる奴がいた。


「ね~、レイラちゃん、俺はどうかな?」


ディックが期待に満ちたまなざしでレイラを見つめる。

その表情には、明らかな期待の色が浮かんでいた。俺は、思わずため息をついてしまった。


「え?ディックちゃんはいい人だけど、男としてはちょっと対象外ね。」


レイラさんはサラッと言いのける。その態度には、どこか冷たさが感じられた。


「そんな~、酷いよレイラちゃん!」


ディックは捨てられた子犬みたいな表情で嘆いていた。

その姿を見て、俺は少し同情の念を抱いた。


「とにかく、旅には私も連れていくこと、いい!?」


レイラさんが本題に話を戻した。その声には、どこか強引さが感じられた。

アイリスは反対しているし、俺もちょっと怖いけど。


心の中で葛藤しながら、俺は状況を整理しようとした。確かに、レイラさんを仲間に加えるのは危険かもしれない。しかし、彼女が持っている情報の価値も無視できない。


「レイラさん、この街に異世界人がいるって情報知りませんか?」


そう、本来の俺の目的を考えれば、この街の人を仲間に入れるのは悪くない。

俺は、慎重に言葉を選びながら質問した。レイラさんの反応次第で、この状況が大きく変わるかもしれない。


「あ~、半年前に来たあの小娘ね。この街じゃちょっとした有名人かも。」


レイラさんの言葉に、俺は思わず身を乗り出した。まさか、こんなに簡単に情報が得られるとは。


「そ、そうなんですか?」


俺の声には、驚きと期待が入り混じっていた。これは、予想以上の展開だ。

どうやら、知っているみたいだ。

もしかしたら彼女を探す手間が省けるかもしれない。

俺の中で、希望の光が少しずつ大きくなっていく。


「その情報が欲しいです!俺たち、彼女を探しにこの街に来ました!」


俺は、思わず声を荒げてしまった。その瞬間、周りの視線が一斉に俺に集まるのを感じた。


「う~ん、仲間に入れたら教えてあげるわ。」


レイラさんの言葉に、俺は一瞬躊躇した。しかし、この情報の価値を考えれば、それも悪くない取引かもしれない。


「分かりました、一緒に行きましょう!」

俺は、決意を固めて答えた。この決断が正しいかどうかは分からないが、今はこれしかないように思えた。


「え!?ちょっとリクト!?」


アイリスがビックリしている。

彼女の声には、明らかな驚きと不安が混じっていた。確かに、突然の決断だったかもしれない。

まさか、俺がレイラさんを仲間に迎えるとは思わなかったのだろう。

アイリスの表情を見て、俺は少し罪悪感を覚えた。彼女の気持ちも分かる。でも、今はこれしか方法がないんだ。

俺はアイリスに耳打ちする。


「情報得るためだ、仕方ないだろ。異世界人探しの手間も省ける。今しばらくの辛抱だ!」


小声で、できるだけ落ち着いた口調で説明する。アイリスが理解してくれることを祈りながら。


「そうね、わかったわ。」


アイリスは諦めたように肩を落とす。

その様子を見て、俺は少し安堵の気持ちを覚えた。同時に、申し訳ない気持ちも込み上げてきた。

すまんな、アイリス!

心の中で謝りながら、俺は決意を新たにした。この選択が正しかったことを、必ず証明してみせる。


「じゃあ、これから宜しくお願いしますね、レイラさん!」


俺は、できるだけ明るい声で言った。この決断に後悔はない。少なくとも、今はそう思いたかった。


「ええ、張り切って行っちゃうから!」


レイラさんが笑顔でガッツポーズをして答える。

その姿を見て、俺は少し安心した。少なくとも、彼女は本気で協力してくれる気があるようだ。

こうして、レイラさんは一時的に俺らの旅の一員となった。


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