↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/72

45.踏破者、異常の原因を探す。

その後、俺たちは念のため5階層まで下りたが、やはり通常のダンジョンと遜色ない魔物の湧き具合であった。

確信を持った俺たちが1階層へ戻ってくると、そこにはやはり多くの魔物が闊歩していた。


「ついさっき、散々倒して通ってきた道なのにもう魔物が復活してやがる。」


『神狼組』リーダーのロウが忌々し気につぶやく。


「やはりこの階層に何かの原因がありそうだな。こういった事象が起こるような原因って何があるんだ?」


俺は【圧(プレス)】で周囲の魔物を蹴散らしながら確認する。

ダンジョンからの溢れ出しについては例が少ないため、はっきりとした原因が分かっていないケースも多いらしく、文献にも大したことは書いてなかった。


「俺はよくわからねぇな。ネイ、アランはどうだ?」


「私も同じだよ。」「僕もデス。」


どうやらダンジョンからの溢れ出しに関しての知識は現役ハンターも同様のようで、『神狼組』は皆よく分からないという回答だった。

だが、エリオは少し困った風な表情をして黙っていた。


「エリオ、心当たりがあるのか?」


「……噂レベルの話なんだ。俺の耳にも本当にたまたま入ってきたレベルの。」


「どんな噂なんだ?」


「それが、どっかの研究者が人工的に溢れ出しを(・・・・・・・・・)発生させる魔道具(・・・・・・・・)を作っている。って話なんだ。」


「そんな事出来るわけねぇだろ?」


間髪入れずに否定したロウにエリオも頷く。


「俺もそう思ってるよ。今の今まで思い出すこともないくらいの話だ。だが……。」


エリオは俺に視線を投げかける。


「ああ、今の状況から見るとそう言った種類(・・・・・・・)の原因がある可能性はあるな。エル、今の情報から何か探せないか?」


「難しいな……。私の【探索(サーチ)】は生物の反応と地形条件を情報として得ることが出来る。仮にそう言った魔道具があるとして、地形条件に引っ掛かるくらい大きなものでないと分からないと思う。」


「……しらみつぶしに行くしかないな。エル、地形条件確認して確認漏れがないように行こう。片っ端からだ。」


俺の言葉に全員が頷く。

そして1階層を対象としたローラー作戦が決行されることとなった。




「何か変な部屋がある。」


しばらくローラー作戦を続けていると不意にエルがそう発言した。


「どういう事だ?」


「こっちの道の先行き止まりなんだが、その先に閉鎖された空間がある。」


「隠し部屋か?……行ってみよう。」


そう言って俺は歩き出す。




「これは……。」


すぐに問題の行き止まりに達するが、そこには明らかに異常なものがあった。

洞窟型ダンジョンの通路とは明らかに異なる金属製の壁である。

しかもその壁には無数の穴が開いており、壁の先の空間と換気が出来るようになっているのだ。

そして異常はもう一つ。


「ここまで来ると明らかデスね。」


口を開いたのは『神狼組』の炎魔術師、アランだった。


「この周囲は明らかに魔素が濃いデス。まるで魔境にいるヨウだ。」


「ああ、信じられんが、この先に何かこの魔素を生み出している物があると考えるべきなのだろうな。そしてそれを封じるように設置された人工物に見える壁……。」


アランの言葉に同意するエリオ。

どうやらここにいるメンバーの意見は一致しているようだ。


エリオが金属製の壁に触れて確認する。


「硬いな……。ジーク、破壊できるか?」


「とりあえずやってみよう。」


そう言って俺も金属製の壁を確認する。

質感的には鉄だろうか。

厚みは分からない。


俺は少し金属製の壁から離れるとシュラを抜き放った。

皆には聞こえない程度の小声で話しかける。


「行くぞシュラ。」


『……え?なに?』


こいつ寝てやがったな。


俺は無視して金属の壁に向かってシュラを振りぬく。


ギャリギャリ


『痛ってぇぇぇぇえええええ!!!!』


シュラを振りぬいた跡を見ると、金属製の壁は見事に切り裂かれていた。

一振りでは貫通していないようだが、切れるのであればいずれ達するだろう。

流石、良い刀だ!!


因みにシュラの声は俺以外の人間には聞こえていないようなので、安心して壁の破壊に勤しもう。


ギャリャリャ


『ぎぃやぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!』


ギャギャン


『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!』


ギャキン


『もうやべでぇぇぇぇえええ!!!!』


しばらくそんなことを続けていると、とうとう壁を破壊することが出来た。

厚みは1mくらいだろうか。

予想よりずいぶんと分厚かった。


「あの金属の壁切り通したぞ……。」

「あれだけ刀を振り続けられる筋力もやべぇが刃毀れしていないあの刀もヤバい……。」

「ちょっと刀の気持ちになって気持ち悪くなったデス。」


後ろから若干引き気味の声が聞こえる。

感受性の高い奴もいるようだ。


『もう……コロ……シテ……。』


右手を見るとシュラがぐったりとしている。

刀モードなのでぐったりしているというのは雰囲気から察しているんだが。


「悪いな。あれを使えば楽なんだが、こんなところでお披露目するわけにはいかないんでな。」


俺の切り札の1つの話だ。

おいそれと公開するようなものではない。


『このままじゃ、お披露目前に我が死んでしまう……。』


「お前さっき殺してとか言ってただろ?死にたいのか死にたくないのかどっちなんだよ。」


『死にたいわけなかろう!?空気を読んでくれ!!』


「なんだ元気じゃん。」


だいたい、お前オリハルコンとかアダマンタイトとかより硬いとか言ってなかったか?

鉄ごときに弱音はいてんじゃねーよ。


俺は破壊した壁から閉鎖されていた空間の中に入る。

小部屋程度の広さのそこには、この異常の原因と思われるものが確かにあった。


俺に続いて部屋に入ってきたハンター達もそれを見て顔をしかめる。


そこには、少女が倒れていた。

ちなみにシュラさんは生きているので刃こぼれしても時間が経てば再生します。経済的ですね。


もう少し読んでみてもいいと思っていただけましたら評価、ブックマークよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。