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ようこそ、アクアリス水族館へ!  ―深淵を祓う秘密の楽園―  作者: れんP
オトヒメエビの章

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第17話 最古参のお姉ちゃん


 ここは、アクアリス達が暮らしている。

 アクアリス水族館、今日も今日とて平和です。


 館長室では、書類整理を終えた館長が小さく息をついていた。

 その近くでは、オトヒメエビがクッキーをもぐもぐと頬張っている。


 そして、その様子を静かに見守っていたのがパシフィックシーネットルだった。


「そうだ、ねぇ、パシフィックシーネットルちゃん、この子の面倒を見てもらえないかしら」


「ボクが?」


 パシフィックシーネットルは、自分を指差して少し驚いたように瞬きをする。


「そう、この子危なっかしくて、お願いできる?」


 館長が苦笑混じりに言うと、オトヒメエビは首を傾げた。


「ん〜?」


 パシフィックシーネットルは、その小柄な姿をちらりと見てから、ふっと微笑む。


「はい、わかりました」


「あのお姉さんと館内を散歩しておいで」


「……うん!」


 オトヒメエビは元気よく返事をした。


「じゃあ行こうか」


「うん♪」


 二人は館長室を出た。


     ◇


 廊下へ出るなり、オトヒメエビはぱたぱたと駆け出した。


「あははははっ、お散歩〜♪ お散歩〜♪」


 館内の照明が赤白の髪を照らし、小さな背中が楽しそうに揺れる。


 パシフィックシーネットルは少し後ろを歩きながら苦笑した。


「……あんまりはしゃぐと転ぶよ……きいていないね」


「ねぇねぇ! 行こ〜!」


「あぁ、わかっているよ」


「わーい♪」


 オトヒメエビはくるっと振り返り、そのまま勢いよく走る。


 だが次の瞬間――。


「あ、前!」


「え? わ!?」


 ごつんっ!!


「痛た〜……」


 オトヒメエビがおでこを押さえてしゃがみ込む。


 ぶつかった相手も、ぺたんと尻もちをついていた。


「まったく、君たち、大丈夫かい?」


 パシフィックシーネットルが慌てて近づく。


「うん!」


 オトヒメエビはすぐ立ち上がり、ぴんぴんしている。


「君も、無事?」


「は、はい!」


 そこにいたのは、明るい黄土色の髪と瞳をした、とても小柄な少女だった。

 ふわふわした雰囲気で、頭には小さなアホ毛が揺れている。


「えへへ〜、ごめんね。私、オトヒメエビ! あなたは?」


「ヒメタツです!」


 ヒメタツ――タツノオトシゴの仲間のアクアリス。

 小さな体に反して、どこか落ち着いた雰囲気を持っていた。


「ヒメタツ:『トゲウオ目 ヨウジウオ科 タツノオトシゴ亜科 タツノオトシゴ属 ヒメタツ』タツノオトシゴ類は外見がにており分類学的に混同され、2017年にタツノオトシゴとは頭部の突起が小さいこと、ハナタツと背びれの基底付近に側方へ張り出す突起があるとして新種として認定された。卵を抱えたメスがオスのお腹の袋(育児嚢)に卵を入れる、その姿はまるでハートに見える。卵を受け取り体を動かし袋の中で受精させる。約1ヶ月後の夜にオスは付加した赤ちゃんヒメタツを生む。タツノオトシゴ類のアクアリスはアホ毛が生えておりヒメタツのアホ毛は小さい、水俣の海からやってきた、過去のトラウマか、水銀が嫌いであり昔は人間嫌いだったが、第一、第二アクアリス水族館の飼育員や館長や地元の人達とのふれあいによって、普段の性格に戻った、第三アクアリス水族館を作ることが決定した才、送られた最古参のアクアリスの一人』


「ボクはパシフィックシーネットル、よろしくね、ヒメタツ」


「うん! よろしく〜」


 ヒメタツは柔らかく笑った。


 その笑顔はどこか大人びていて、穏やかだった。


 パシフィックシーネットルはオトヒメエビへ向き直る。


「オトヒメエビ、彼女は、最古参の3人のアクアリスの一人だよ」


「最古参! すごい!」


 オトヒメエビは目をきらきらさせた。


 ヒメタツは少し照れくさそうに頬をかく。


「そこまでじゃないですよ。ここにきたのは、いつもとは違う世界を見てみたかったからですし」


 その言葉には、少しだけ懐かしさのような感情が混じっていた。


 オトヒメエビはそんなこと気にもせず、ぱっと笑顔になる。


「ねぇ! 一緒に、お散歩しない?」


「お散歩、ですか?」


「うん♪」


 期待いっぱいの瞳で見上げられ、ヒメタツはくすりと笑った。


「楽しそうですね、はい、行きます」


「いいのかい?」


「はい、これでもお姉ちゃんですから」


 ヒメタツは胸を張る。

 小柄な体なのに、その言葉にはどこか頼もしさがあった。


「わーい♪」


 オトヒメエビはぴょんっと跳ねる。


 パシフィックシーネットルは肩をすくめながら小さく笑った。


「……まぁ、いいか。それで、どこに行く?」


 オトヒメエビはしばらく「う〜ん」と考え込み、突然ぴっと遠くを指差した。


「あっち!」


 そして次の瞬間には、タタタッ!と勢いよく走り去ってしまった。


「あ! 待っておくれ」


 パシフィックシーネットルが慌てて追いかける。


 ヒメタツもふふっと笑いながら後を追った。


「待ってくださーい」


 館内には、楽しそうな足音が響いていく。


 今日もアクアリス達は元気です。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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