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ようこそ、アクアリス水族館へ!  ―深淵を祓う秘密の楽園―  作者: れんP
深海組の章

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第10話「迷子の熱帯エリア」



 ここは、アクアリス達が暮らしているアクアリス水族館。

 今日も今日とて平和です。


 熱帯エリアでは、色鮮やかな照明が暖かな海を再現していた。完成している区画はまだ少ないものの、サンゴ礁を模した展示や、熱帯魚用の大水槽などが少しずつ形になっている。


「こっちこっち〜」


 先頭を歩くカクレクマノミは、元気いっぱいに手を振っていた。


「待ってください。早いっ」


 センジュナマコが後ろから慌てて追いかける。


「あははー!待って~!!」


 ダイオウグソクムシも楽しそうだ。


「元気〜だぁ~ね〜」


 メンダコはいつもの調子でふわふわ歩いている。


 熱帯エリアは深海エリアと違い、通路も入り組んでいた。カラフルな装飾や巨大水槽が多く、初めて来る者には方向感覚が狂いやすい。


「わぁ〜い!.........あれ?」


 突然、カクレクマノミが立ち止まった。


「はぁ、はぁ、ど、どうしました」


 追いついたセンジュナマコが息を整えながら尋ねる。


「......迷った」


 三人は一瞬固まった。


「え?.....えーーーーーーー!!!!」


 声が通路いっぱいに響き渡る。


「あわわわわわ、どどどどうしましょう」


 ダイオウグソクムシは慌ててぐるぐる回り始めた。


「ととととりあえず、飼育員さんかアクアリスを」


 センジュナマコも珍しく動揺している。


「ZZZzzz」


「メンダコちゃん起きてーーー!!!」


 壁際ではメンダコがいつの間にか眠っていた。


「これは困った、」


 カクレクマノミがしょんぼりと肩を落とす。


 その時だった。


「ん??お前ら、どうした?」


 低めの声が響く。


 振り向くと、そこには三色以上のグラデーションが入った髪を持つ、ボーイッシュな少女が立っていた。


「アクアリスだーーー!!!」


「え!?ど、どうした!?」


 しばらくして。


 通路脇のベンチで、みんなは落ち着きを取り戻していた。


「落ち着いたか?」


「はい、」


「お騒がせしました」


「恥ずかしい....」


「ZZZzzz」


 メンダコだけは相変わらず寝ている。


「ま、落ち着いたところで、自己紹介だな、アタイはモンハナシャコだ!」


モンハナシャコ:「シャコ目 フユトビシャコ上科 ハナシャコ科 ハナシャコ属 モンハナシャコ」インド洋 西太平洋の熱帯・亜熱帯域に生息しカラフルな体色が特徴の甲殻類です。時速80km超の協力なパンチで貝や甲殻類の殻を粉砕しガラス水層を簡単に破ることができます。10万以上の色を識別できる非常に優れた視力を持つ、地上ではシャコパンチは弱くなるがそれでも危険なので素手で触ることはおすすめしない。海のボクサーのようだ。シャコパンチの衝撃だけでなく、海水が沸騰する「キャビテーション」という現象で気泡が爆縮し、約100kgの力で獲物を攻撃する。パンチは捕脚(前脚)を高速で打ち出し、獲物を仕留める


「シャコちゃんだね、私ダイオウグソクムシ!」


「センジュナマコです....」


「うにゃ?メンダコだよ~」


「カクレクマノミです。」


 モンハナシャコは腕を組みながら頷いた。


「しかし迷ったのか。ま、ここは迷いやすいしな、仕方ない」


「うぅ......」


 カクレクマノミがさらに落ち込む。


「アタイはここの外に言ったことあんまないからなぁ.....どこかで飼育員を引っ捕らえるか......」


「捕まえるの?」


「何だか物騒.....」


「捕まえるって言い方怖い〜」


 その時、メンダコがふと通路の奥を指差した。


「あ、あれ〜、飼育員さんじゃない?」


「あ!ほんとだ!おーい!」


 ダイオウグソクムシが勢いよく手を振る。


 しかし、向こうにいた“飼育員”は、こちらを見るなりびくっと震えた。


「ひっ......」


 どこか様子がおかしい。


 モンハナシャコは目を細めた。


「.....少し待って、.....すぅ~、はぁっ!!!」


 次の瞬間――。


「ドォォォォォン!!!」


 轟音が通路に響き渡った。


「....え、え、え、?」


 茶髪の少女が壁際で震えている。


 モンハナシャコは壁に拳を叩き込む寸前で止めていた。いわゆる“壁ドン”ならぬ“壁パンチ”だ。


「よ!」


「って、このこ、アクアリスです!」


「擬態してた〜」


 メンダコがぼんやり呟く。


 すると、音を聞きつけた飼育員が慌てて駆けつけてきた。


「い、今の音何!?」


「すまねぇな、飼育員さん、こいつの擬態を解くのにもってこいでよぉ」


 少女は小さく震えていた。


「.........っ.....」


「君は確か、」


「ミ、ミミ.......ミミックオクトパス....です。」


「あぁ、そうだそうだ、様々な生き物に擬態できる、ミミックオクトパスちゃんだ」


ミミックオクトパス:「八腕形目 マダコ科 ミミックオクトパス属 ミミックオクトパス」インドネシアで発見数が多いがフィリピンやグレート・バリア・リーフなどにも生息、比較的小型のタコで腕を広げた大きさは最大で60cmにもなる、本来の身体は赤茶褐色、擬態する時は、白と茶色の縞模様になる。ミノカサゴ、ウミヘビ、カレイ、クラゲ、ウミウシなどになれる頑張れば何にでもなれるかもしれない、別名ゼブラオクトパス


「モンハナシャコちゃん、怖がらせてはいけないよ」


「す、すまねぇ、だ、大丈夫だったか、」


「は、はいぃ.....」


 ミミックオクトパスは小さく頷いた。


「と言うか、君たちどうしたの」


「あぁ、コイツラ迷ったみたいで、」


「あぁ、なるほど。それで飼育員を探してたんだね。いいよ、送って上げる」


「わーい」


 ダイオウグソクムシとカクレクマノミが同時に喜ぶ。


「ありがとうございます。......」


 センジュナマコは深々と頭を下げた。


 深海エリアにて。


「戻ってきたね!それにしても楽しかったな〜」


 ダイオウグソクムシは満足そうに笑う。


「はい、楽しかったですね。」


 センジュナマコも穏やかに頷いた。


「うん〜、また探検したいかも〜」


 メンダコは床にぺたんと寝転びながら言う。


「その時は、地図を持っていったほうがいいかもですね、」


「そうだね。」


 三人は顔を見合わせて小さく笑った。


 こうして、アクアリス達の探検の一日が終わった。


 さて、明日はどんな一日かな。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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