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ガテン系の女 2 娯より、楽より、修業中   作者: うらら桜子(旧 咲良ヤヨイ)
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技能五輪




  

 昼食を一緒に行ってから、星谷との距離が少し縮まったきがする。

  

 昨日の今日で、千香ちゃんと呼び方が代わったのだ。

 ただ……

 新藤も、同じように名前で呼んでくるのが、頂けない。


 それより、今日は緊急事態発生。

 龍太が来られなくなった。


 向こうの現場が大変らしい。

 建設現場において、納期なるものは絶対だ。

 差し迫っている現場があれば、何所よりも優先される。


 そのため、今日のセルフレベリング仕切りは、星谷が代打。

 面積は630平米。

 楯では緊張感が続かない。

 

 そして、千香良はホースの係。

 アタリを隠さないように、溶剤を撒くのはお手の物だが、広すぎて手が辛い。


「千香ちゃん、代わるわ」


 星谷が千香良の背後でホースを掴む。

 背中に、胸が密着しそうだ。


 ホースを離すタイミングを間違えると、大惨事になりそうで、怖い。


「いいよ、離して」


 耳もとで聞こえる声に心臓が跳ねたと、同時に手を離す。


「セーフ」


 星谷は一見、軟弱そうでが、軽々とホースを捌く。


「タッピンお願い」


「あっ、悪い」


 見とれていた千香良に指示が飛ぶ。


 現場に気になる存在を作るのは良し悪し。

 気になって仕事が疎かになってしまう。


 千香良は意識を代えて、その後の作業に没頭した。


 そして、昼食は前回同様。

 星谷も一緒に、館さんが容易したいたおにぎりを頂いた。


「やっぱりメロンパンは、セブン・テゥエルブ?」


「だと、思う。あれ?千香ちゃんのラインじゃない?」 


 星谷は取り出した自分のスマホを、一瞥すると、聞いてきた。


 コンビニスイーツの話で盛り上がって、聞き逃したようだ。

 千香良はスマホを捲って、確認してみる。


「あっ、高城さんだ」


 思わず声が出てしまった。


「高城さんって【トランスワーク】の社長?」


「そうだよ」


 千香良の返事に、星谷は何を納得したのか……

 小さな頷きを繰り返していた。

 しして、綻ぶ口元は意味深な仕草に見える。


 けれども、千香良は、届いたメッセージを、にやけ顔で読んでいるので、気が付かない。


「よし、やるか!」


 千香良がスマホを閉じると、その段階で、再び作業が開始された。



 


読んで下さってありがとうございます。

次話は来週、火曜日までお待ちください。

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