汚い食堂 9
入り口付近の台に、おでんが置いてある。
アルミ鍋が、何とも家庭的で、ほっこりと温い。
店の、おばさんが、テーブルを片付けている間、千香良達は、暫し戸口で待機。
おでんを凝視していた。
「相葉さん、おでん、好き?」
すると、星谷が……
千香良は、はにかみながら、頷いた。
「なら、横に皿が置いてあるから、自分で、食べたい分を選んで、持っておいでよ。1本、でもOKだから……」
けれども、一杯やりたくなるので、昼間は御法度。
「そんなに、食べられないから、今度……」
「おでん、か……熱燗飲みたくなるよな」
「そうなんです~」
千香良は新藤に言葉に思わず答える。
「じゃぁ、次回は飲みだな」
「新藤さん、空きましたよ」
星谷の言葉が被って、新藤との会話が宙に浮く。
店の奥から、おばさんが、手招きしていた。
「何を御馳走に、なった?」
昼食を終えて、現場に戻ると、館さんが地べたに座り、缶珈琲を飲んでいた。
「パーコー定食」
千香良も、同じように尻を着くと、現場事務所で買ってきたロイヤルミルクティをグビッといった。
程よく温い。
「何んだ、それ?」
「豚肉の天麩羅を餃子のタレで食べるの」
「美味かったか?」
「うん。でも、テーブルが少し、ネバくて、ガタ、ガタしていた。」
「星谷も、もう少し良い店、連れて行けよな~」
「違うって、近頃は、ああ言う店が良いんだって……感動したもん」
「そうか……若い子の感覚は、分からんもんだな~」
そう言って、館さんが、立ち上がったので、千香良も続いて立ち上がる。
午前中の続きだ。
今回は、墨出しにも問題は無く、後は掃除をするだけ。
そして、時間が余れば、外の手洗い場の手直しに掛かる。
「でね、仕事の話をしてきた……」
千香良は、昼食を食べながら、一昨年の古民家再生の話をしてきた。
星谷が聞いてきたのだ。
「そうか……」
千香良は館と、お喋りしながら、1日に仕事を終えた。
こんにちは咲良ヤヨイです。
読んで下さってありがとうございます。
次話は金曜日。
お待たせしますが、エピソードタイトルも代わりますので、引き続き、よろしくお願いします。




