汚い食堂 6
日曜日のN駅は、どの時間帯でも飲食店は満席が当たり前。
千香良はクロワッサンの美味しいベーカーリーを外から覗いた。
ラッキーだ。
イートインスペースに空席が見て取れた。
千香良は空かさず、店間に入ると、パン・オ・ショコラと生ハムのカスクードをトレーに載せ、レジカウンターでロイヤルミルクティを頼む。
のんびりと選んでいると、先を越されて、元の木阿弥。
おち、おちしていられない。
やっぱり、モーニングとランチの狭間時間に来て正解だ。
席を確保出来て、一安心した千香良は、何はともあれ、スマホを開いた。
そして、カレンダーアイコンをタップ。
今週のスケジュールを確認する。
(やっぱり、小学校のレベリングが入っている……)
レベリングを打つとなると、前日は、その準備。
千香良は、テーブルに置かれたスマホを眺めながら、カスクードの包み紙を剥いていた。
そして、ロイヤルミルクティを一口飲んで、剥き終えたカスクードに齧り付く。
星谷にラインを入れたいのだ。
(館さんはお弁当派だから……行くとしたら二人っきり、なのかな~)
千香良は勉強は苦手だが、お利口さんだ。
その気になれば、知恵も回るし、配慮も出来る。
(え~、でも、館さんも、弁当を忘れたりして……もしかしたら、新藤さんも来る?ひょっとしたら龍兄も……?そうしたら、団体さん、じゃん)
大凡、ラブストーリーには、おじゃま虫は付きもの。
千香良は妄想に歯止めが利かない。
どちらにせよ、木曜日は小学校に行く。
千香良は、気持ちを踏ん張り、スマホを手に取った。
【こんにちは 相葉千香良です。木曜日に小学校の現場、レベリング準備にいきます】
文章を打っては、削除を3回繰り返して、4度目で送信。
続けて、キュートなパンダがペコリと頭を下げているスタンプ。
千香良は止めていた息を漸く吐き出せた。
一仕事終えた、開放感に身体が緩む。
(緊張した~)
そして、ライン画面を開いたままで、パン・オ・ショコラに、齧りつく。
サクッとした食感と少しビターなチョコレート。
(幸せ……)
すると、チコン。
星谷のアイコンに②が表示された。
【了解です。お昼休憩、一緒に出ましょう】
スタンプは千香良の好きなスヌーピーが、どうぞよろしくお願いいたします。
千香良のチョコまみれの唇が、ニンマリと上がった。
こんにちは咲良ヤヨイです。
お仕事、学校、家事、育児、お疲れさまです。
皆様の貴重、時間読んで下さって、ありがとうございます。




