汚い食堂 4
千香良のイメージする『汚い食堂』は、味は絶品、ボリユーム満点、価格は安いと、3拍子の定食屋さん。
けれども、客の殆どが常連で、店構えからして、一見さんが入りづらい雰囲気を醸し出す、感じ?で、当然、グルメサイトでなんかじゃあ見付けられない。
「流行だもんね……」
千香良も梓に同意する。
現場でも、美味い定食屋の話は、よく聞くが、決まって最後は「汚いけどな」で終わる。
改装するにも、繁盛しすぎて休めないのが原因らしい。
「そうだよ、お洒落な、お店は友達とでも行けるけど、定食屋さんは中々……普段着の自分を見せられる男は良いと思うよ」
「そっか……」
千香良は梓の話に納得すると、唇を綻ばす。
けれども、梓は星谷が千香良を誘う、理由も、経緯も知らない。
もし仮に、知っていたら……
違う見解が聞けたと思うが、千香良は肯定的な言葉が聞ければ満足。
そこに「チコン」ラインの受信音。
「お兄ちゃん……良いって」
スマホを開いた千香良は、梓にクリスマスのラッピングを頼むと、財布を取り出しクレジットカードをカルトンに置いた。
梓には、もう少し、話を聞いてもらいたかったが、仕事中だ。
やはり、12月はどこも忙しいようで、他の美容部員も皆、接客している。
梓を了解すると、千香良に電卓を見せて、レジに走る。
口紅のサンプルを見ている男の人がいた。
読んで下さってありがとうございます。
短いですが、頑張って連日投稿しました。
ご了承を。




