表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガテン系の女 2 娯より、楽より、修業中   作者: うらら桜子(旧 咲良ヤヨイ)
13/43

ポーカーフェイス 3

 


  

 龍太の一言で、丁稚は素早くスマホを操作。


「僕、バーコード出しますから」 


 そして、頷いた千香良がライン画面を開くと、丁稚はマイバーコードを差し出した。


 千香良が読み込んでラインの交換は終了。


 しかし、続く言葉は……


「じゃあ、僕は余所とも打ち合わせがあるので、先に行きますけど、後はお願いします……」

 

 席を立って行ってしまった。

 

 千香良は拍子抜けした気分だが、顔には出さない。

 同じように、無関心を装う。


「俺らも、行くか」


 どうやら、龍太の提案は業務上。

 他意は無いようだ。


 千香良は乙女な自分が恥ずかしかった。




 打設用のホースがセットされると、龍太が圧送されたレベリング剤をフロアーに流し込む。

 そして、館と千香良が土間トンボでタッピング。

 かんじきを履いて、凝固前の溶剤を踏みしめていく感触が作業の慎重さを認識させる。


(チャポン、チャポン、トン、トン、スー)


 千香良は擬音がイメージしながら、水平に均らしていく。

 そして、粛々と30分。

 無言で土間トンボを動かしていたら、丁稚の事など、頭から消えていた。

 

 しかし、今回の作業現場は広すぎた。

 

(乳液が少なくなっていたな~)


 単調な作業が続くと、どうしても他事が頭に浮かんでしまう。

 千香良は化粧品の残量に思いを馳せる。

 二十歳に娘には重大事項だ。


 そして、今度の日曜日は梓の所に行こうと決めた。

 

 梓は龍太の従姉妹で老舗化粧品メーカー美容部員。

 デパートで働いている。

 千香良は序に自分や、両親、友達、エトセトラ……

 クリスマスプレゼントも物色するつもりだ。

 

(今年は……何をくれるかな?)


 すると、今度は高城の顔が頭に浮かぶ。

 

 高城は梓の兄で、新進気鋭の建築家らしい。

 けれども、千香良はどうもピンと来ない。

 設計する建造物は素晴らしいのだが……

 何故だか、千香良の前では見た目のダンディーさを裏切る、駄目ぷり。

 世話が焼けるのだ。

 

 元々、高城は千香良が『プラスター工房ムラオカ』に勤める以前アルバイトをしていた町中華『蘭々』のただの常連客で、龍太の従兄弟とは偶然だった。

 それが、今では自称、千香良のお目付役。

 毎年クリスマスプレゼントまで交換している。

 千香良は人の縁とは本当の面白いと思う。

 

(高城さんが丁稚を知っていたら面白いな……)


 そして、どうしてか……

 又もや……

 丁稚が浮上してきた。




読んで下さってありがとうございます。

次回は令和6年になります。

良い年をお迎え下さい。

来年もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ