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メアリーのターン

メアリーのワインを開ける。

これがダメだったら、ちょっと厳しいかもしれない。


そんなことは顔にも出さず、ふんばる俺たち。


「こちらのワインもとても芳醇でかぐわしい香りですわ!」


・・・そうか、気にいってくれてメアリーも喜ぶだろう。


メアリーのワインもがぶ飲み始めたジューン(偽者)


「私、少し失礼しますわ・・・」


初めて、ソファを立った。途端。


ばたん・・・!


ソファに崩れこむ。

ジューン(本物)なら抱きかかえるが、こいつ(偽者)はな・・・。


「ようやく、だな」


俺死ぬかと思った。


「俺、途中、飲むふりしてた」

「僕、戻しに行ったよ・・・」


え?馬鹿正直に飲んだ俺よ・・


とにかく、仕留めた。


というか、このワイン一本で効いたとしたら、

もっと早く持ってこい、メアリー!


「お、あったぞ」


ジューンに贈った魔法のお仕着せ(認識阻害効果)をメイドに手伝って服の上からざっくり着させ、そっと皇后宮まで運ぶ。


ここまで来たら、お仕着せを脱がせ扉をノックする。


「このような夜更けにいかがなさいましたか」


「第三妃が酔ってここに連れてこいとうるさくするもんでな。しかし連れてくる途中に寝てしまったのだが・・」


「では第三妃の私室へお連れくださいませ」


「いや、しかし!」


バタン・・!


無常にも扉は閉ざされてしまった。


「まずいな・・・」


「大丈夫よ!扉が開いた途端、ジューンから手紙が戻って来た。だから急いで私も手紙を飛ばしたわ。結界が消える護符も入れた。後は、ジューンがそれに気が付けば結界が消える。そうしたらジューンを見つけられるわ!」


さすがメアリー。俺たちは一生メアリーに頭が上がらないだろう。


泣きすぎて、顔がごわごわする。

食事は持ってきてくれるけど、さすがに湯あみはさせてもらえない。


私は何十回目かわからない手紙をメアリーに送るために祈ることにした。

もう握りしめすぎでぼろぼろの手紙。何度読んだかわからない。

気力はぼろぼろだった。でも手紙だけが拠り所で。外と繋いでくれる唯一の証だった。これがなければ私はとうに諦めていたかもしれない。そう思いながらポケットから手紙を出す。


・・・手紙が新しい。封がされている?!


“ジューン、メアリーよ。時間がないわ。中に同封されている護符を床に置き、その上に立ちなさい。決して護符から足を離してはダメ。いい絶対よ?足で踏んだら「爆破」って念じなさい”


なんだか、恐ろしい言葉が掛かれているけれど。

メアリー、ああ、メアリー。気が付いてくれたんだ!


私は手紙を抱きしめるとキスをして、そして護符を床に置いた。

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