ワインの宴は死の調べ(聞いた風
「ふんふんふーん」
ジューン様、今日はご気分がいいらしい。
すっかり萎縮しつつも、私はしっかり怒られないように気を張ってジューン様のメイドをこなしていた。
「今日、デュランさまがワインを持っていらっしゃるの。それに合う、軽い食事を用意しておいて頂戴」
「畏まりました」
ワインか・・・どうか、早くジューンさまを見つけ出してくださいませ!
祈るような気持ちで食堂のスタッフへ軽食の言付けに行った。
「ふふふ、ワインの宴か、楽しみ。いいとこあるじゃん、皇子。この姿ってのが癪だけど・・・まだすり替わったばっかりだし、まだいいわよね、ばれてない、ばれてない。ふふ、天才かしらね。わたしって!」
*
*
1ダースのワインを抱えられるわけもなく。
給仕と共に、ジューンの部屋へ赴く。
ーコンコン!
「お待ちしておりましたわ、デュランさま」
虫唾が走るが我慢する。頑張れ、俺。
ん??
んげ!目を瞑って唇を突き出してきた。
「それは後のお楽しみだよ、さぁ、ワインの宴を始めようじゃないか!」
さぁ、ワインの宴の始まりだ。
・・・
流石に、ワイン好きだというジューンは強い。俺一人では厳しい。
時折、5人で入れ替わりつつ凌いでいるが底なしじゃないか!
まずい。
ーコンコン!
「誰だ」
「第一妃がメアリーさまお付きのアマーリエでございます」
アマーリエか、念のため俺がドアの外に出る。
「どうした?」
「メアリーさまから差し入れです。どうしてもの時はこれを、と」
新しいワインだった。
「ありがとう。もう少しだ」
口をパクパクさせ「もう少しだ」と伝えて帰す。
「どうされました?」
ジューンが顔を覗かせる。
「王妃が秘蔵のワインを持ってきてくれたんだ。どうだ?まだいけるなら飲もう」
「もちろんですわ!」
俺たちは限界が来ていた。




