私が第三妃さまなの・・・?
「キャロンさま、お食事を用意いたしました」
“私はキャロンじゃない!”
キャロンさまの用意したお茶を飲んだ私は、案の定、気を失ったようだ。
目覚めたときはもう日が陰っているようだった。
古い物置のような場所で小さく天窓が開いているだけ。
そして。
声が出せない。ぱくぱく・・小さな水槽の中の金魚のように。
歩き回れるけど、当然ドアは開かない。閉じ込められている・・。
みんな、心配しているだろうか。外はどうなってるんだろう。
なんで、私のことをキャロン、と呼ぶ・・・?
・・・
私がもしかしてキャロンさまなの・・・?
だとしたら。
本物のキャロンさまは・・・。
私に。なっている、ってこと・・・だよね・・。
だとしたら。
本物のキャロンさまは・・・。
私に。なっている、ってこと・・・だよね・・。
涙が、出てきた。自分の浅はかさに。
あのとき。キャロンさまのメイドが呼びに来た時。
逃げれば良かったんじゃないか。大声を出せば。
・・・頭がおかしいと思われて余計に大変なことになったはず・・・。
私の判断は間違ってなかった、そう思うしかない。
古びたベッドとデスクはあるものの。差し当たって何もない部屋。
ここから出るには、どうすれば・・・。
その時。
ポケットの中に。メアリーからの手紙があることに気が付いた。
「昨日のお茶会、楽しかったわね、またしましょうね」
そう書かれていた。
メアリー・・・。私が居なくなったって知ってるかな。
閉じ込められてるって、言いたい。でもどこか教えることができない。
無事だってことだけでも教えたい。
5人に・・・会いたい。
この手紙・・・メアリーの場所まで戻る力はあるのかしら・・・。
何も書いていなくても戻れば・・・。
私は一縷の望みを掛けて天窓の下まで行く。
お願い、手紙よ、メアリーのところへ戻って!!
手紙は、フッと消えたかと思うと。
ストン・・。私の手の上に戻ってきてしまった・・。
だめ・・なの?
そんな・・・!
もう一度、もう一度・・・!
なんで・・・
私は、絶望の淵にいた。




