第三妃のお茶会
第三妃がお輿入れしてきて三か月、変わらず、毎晩の交代で、週末は5人で来てくれる皇子たち。
「第三妃のところへ行かなくていいのですか?」
不安なのに、不安だからこそ。聞いてしまう。
「行かないよ。ジューンは気にするな。それに、な。儀式をしていないんだ。実は」
あ、あの泉に腕をつけるやつか・・・。
「その代わり、王家からとネックレスを送ったんだ。それでごまかしたって感じ」
そうなんですね・・・。
「大丈夫、俺らはお前だけのものだよ」
そう言ってくれるけど。
とうとう、第三妃からのお誘いが。来てしまった。
第三妃とはいえ、元は公爵家。私の方が身分は低くて。
今すぐ来いって急なお誘いとは言え、いかないとまずいよなぁ・・・。
扉の前で待つ、第三妃のメイド。
私の中の違和感信号は点灯しだした。
「出かける旨のメモを残すのでお待ちいただけますか」
「城内で、少しの時間です。必要ですか」
「うちのメイドが心配性で・・・」
なんと、今数少ない私のメイドは出払っていない・・・。(大量にメイドを置く意味を今わかった)
「それでしたら、遅くなるようでしたらこちらからお言付けいたします」
ぴしゃりと言い切られ、もう逃げられなくなった。
「わかりました。着替えだけ・・」
「そのままで結構でございます」
なんなのーーーー。結局、そのまま、第三妃のメイドについていくことなった。
私の中の違和感はどんどん膨れ上がる。まずい。
暫く歩くと、離宮に出た。
「こちらでございます」
ここは、多分、今の皇后の宮だわ・・・。
「わざわざお呼びだてして申し訳ございません。先日、入内しました、第三妃のキャロンですわ」
「いえ、こちらこそ、ご挨拶が遅れました・・・。ジューンです」
第二妃とか言えなかった・・・。
キャロンは。清楚で守ってあげたいような見た目で。言葉こそ、丁寧なものの。
ものすごい威圧感・・。威圧感が砂糖菓子でコーティングされている、そう思った。
「お茶を用意しましたの。側室同志、仲良くしたいですし、色々教えていただきたくって・・・」
ティーカップのお茶は確かにかぐわしい香りがする。
でも、最高潮に私の中のアラートはわんわん鳴っていた。
毒・・・ではないよね・・・。でも、何らかの薬は入っているのは間違いない。
どうしよう・・。どうしたらいいの。
「どうされましたか?せっかくのお茶が冷めてしまいますわ」
ね、猫舌なんですの、ほほほ・・・
顔を引きつらせながら、フーフーする。
今から袖にハンカチを忍ばせ、そこに染み込ませることもできない。
うっかりこぼしたふりで、逃げ切れるのか?
どうせまた別の機会に同じようにされるだけだ。
だったら。
ごくり。
「美味しいお茶ですわ・・・」
・・・
おや、どうもブラックアウトしたようだ。




