一晩明けて。
「よく眠れた?」朝、皇太子2番がひょいと顔を出してくれた。
「おはようございます・・」
「ひどい顔してるね・・・。僕、今日公務なんだけど、ほかの4人居るからさ、その顔、何とかしてから帰ったほうがいいよ。おいで。」
2番(昨日5人目の当たりにしてなんとなくわかり始めた。内緒だけど。)に手を引かれ、昨日の部屋にいく。
「おい、多分こいつ、なんか悩んでる。解決してから帰したほうがいい。取り返しつかなくなるかもしれない。」
ねえ、なんでそんなわかるの?参っている私は、目が熱くなって、ぼろぼろと涙が出てしまった。
「わ、泣くなよ!」「座れ、座れ」口々に言われる言葉が嬉しいほど、悲しくなった。
私は当て馬なんです、と。
薫り高い紅茶を勧められ、こくん、と飲んだらなんとなく落ち着いてきた。
「で、なんで泣いているんだ?何が心配なわけ?」
顔に書いてあってわかるんじゃないんですか・・。
「こういうのはちゃんと口から聞きたいわけ。」
転生なんて話しても理解してもらえないだろう、どう言えば・・。
「多分、この後、あなたたちは真実の愛に目覚めると思うんです」
意を決して話し出す。
「それで、きっと私が邪魔になります。その時、静かに城を去りますから、国外追放してください。そしてお願いですから家族には手を出さないで、私だけを断罪してください。」
・・・無理なお願いなんだろうか。
「どこからそういう話が出てくるわけ?誰かになにか言われたのか?」
い、いえ、そうじゃないんですけど、、あ、そうです、夢を!夢を見まして。正夢かもしれません・・。
「あのさ、俺ら、5人いるじゃん。見た目一緒だけど中身ぜんっぜん違うわけ。その5人を落とすって相当なわけよ、わかる?」
わかります。
「だから、そんなの一人くらいしかいないわけ」
だからその一人が現れるんです、きっと。
「じゃあ、なんで君はお嫁に来るの?」
それは子を成すために・・。
「第二妃は条件もだけど、俺らの意見も存分に入ってるって聞かなかった?」
そ、そうでしたけど、すっかり忘れていました。・・え?
「俺ら、気に入ってるよ。あんたのこと。」
君、お前、あんた・・・5人は一人だけど一人じゃない。
「大事にするって言っただろ、この国の最高神に誓うよ」
笑いながら1番目が言う。
「今いないあいつも同じ気持ちだよ、安心して・・俺らを信じろ。」
信じていいのかな、信じるしかないよね。
「はい」
「ほれ、泣きやめ」、「不細工が余計不細工だぞ」
酷いです~~
「こんなだし、不安になる気持ちもわかる。だから書類にはかなり譲歩した条件が書いてあるんだ。
時々さ、急に繁栄する家があるの、知っている?」
「ええ、はい。」
「あれはさ、寵愛を受けた第二妃の実家なんだ。」
そうだったんだ・・。
「権力は持てないけど、それなりに援助はしているんだ」
王家に売られたようなもんだからな。4番目が言う。
「まぁその言い方は否定しないけど、愛されていると思うから幸せだと信じたいね」
5番目が後を継ぐ。
「とにかく、俺らを信じてくれ。少しでも不安があればすぐに俺らに言え。俺らは仕事も日替わりだし全力で力になる。俺らは・・・5人中、誰が欠けても大丈夫なようにしているんだ。でも俺らの代わりはいてもジューンの代わりはいないんだ。だから、信じてくれ。」
何度も信じてくれ、という言葉にうなずくしかなかった。




