第64話 勇者精霊ルギアに出会う
時空を越えて現れたアケミとノブヒコ。
ふたりはゴーストアリンバの魔洗礼を解くために、時空を越えたという。
「再会のご挨拶は、済んだかしら。」
アケミとノブヒコの後方から、済んだ女性の声がする。
「ええ、ほんとは会いたくなかったのですが。」
ノブヒコは後ろを振り向く。
アケミとノブヒコの居る空間に開いた穴の奥から、ひとりの女性が前方にくる。
その女性は、女神としか形容しがたい女性だった。
十人中百人は、女神様と言うだろう。
「精霊ルギア、様。」
その女神を見て、ユミコは驚く。
「ゴーストアリンバの魔洗礼は、私が解きました。
じきに、元の神帝アリンバに戻るでしょう。」
ルギアの言葉に、俺はゴーストアリンバを見る。
ゴーストアリンバの蛇みたいな口元は引っ込み、その口元は鋼鉄製っぽいマスクみたいなので覆われる。
神帝アリンバに戻ったみたいだが、アリンバは寝たままだ。
「さてユミコ。」
ルギアはユミコに声をかける。
ユミコは心なしか、怯えている。
「この者達は、あなたのわがままにも、こうして力をかして下さいました。
何か言う事はありませんか。」
「わ、悪かったわね。」
「何かおっしゃいました?
聞こえませんでしたわよ。」
「ご、ごめんなさい。私が悪かったです。
でも、助けに来てくれて、ありがとう。」
「別に、助けにきた訳じゃないわ。」
とアケミはまんざらでもなさそう。
「ええ、たまたま偶然、会ってしまっただけですわ。」
そしてノブヒコの笑顔は、相変わらず怖い。
と、ふたりの姿が薄れていく。
「どうやら、時間が来た様ですね。」
とルギアがささやく。
「どうやらその様だな。」
アケミはユミコに向き直る。
「ユミコ、会えて良かったぜ。
これが今生の別れになると思うけど、おまえの決めた道を、後悔なく突き進めよ。」
「アケミも、身体をいたわって、無茶をしないでね。」
アケミはニヤけると、俺の方に視線を向ける。
「おいタカスナの子孫。
ユミコを泣かしたら、承知しねーからな。」
「泣かしませんよ。」
「そっか。ユミコの事、頼むぞ。」
「ノブヒコも元気でね。」
ユミコはノブヒコに声をかける。
ノブヒコは笑顔のまま、かたまっている。
「ノブヒコ?」
ユミコは不信そうに、再び声をかける。
「ユミコ、この際だから、はっきり言っとくわ。
私はあなたの事、大嫌いでした。」
「ええ、知ってたわ。でも、私は好きよ、ノブヒコ。」
「あなたのそーゆー所が、大っ嫌いなのよ!」
「おいノブヒコ。」
アケミも思わず止めに入る。
「何さ、あなたはいつも、タカスナの一番のお気に入り!
私だってタカスナの事、大好きだったのに!
ほんとは私が、仮死の秘法を使いたかった!」
ノブヒコは気持ちが高ぶり、涙が止まらない。
なんとか涙を抑えて、言葉をつむぐ。
「今度は、しっかりしなさいよ。」
「分かってる。もう、あんな思いはしたくない。」
ユミコの言葉に、ノブヒコはほほえむ。
そしてアケミとノブヒコの姿が消えた。




