第63話 勇者戦士と僧侶の目的を知る
ドラゴンと化したユミコがゴーストアリンバと戦闘中に、空間に穴を開けて現れたユミコのかつての仲間、アケミとノブヒコ。
アケミは散々悪態をついてくれたが、どうやらユミコの事が心配だったらしい。
「別に、ユミコを助けに来たんじゃねーんだけどな。」
ユミコに礼を言われ、アケミはどこか、バツが悪そう。
「ええユミコさん、私たちはあなたを、許してはいませんからね。」
ノブヒコも笑顔で、アケミに続く。
そいやあ前回、ユミコが神々の仮死の秘法を使った事を、許さねーって言ってたっけ。
まさかネタが一巡するとは、思わなかったよ。
「あの技法は施術者の容態を安定させるため、最初の百年間は、仮死状態になる。
ユミコ、残された私たちの気持ちを、考えなかったのか!」
「それは、」
アケミの言葉に、ユミコの目が泳ぐ。
「どうやらタカスナの事しか、頭に無かったようね。」
そんなユミコを見て、ノブヒコがため息をつく。
「ごめんなさい。私にはこうする事しか、思いつかなくて。」
ユミコが責められるのを見て、俺もムカついてきた。
「あの、アケミさんとノブヒコさん?
あなた達は、何しにここへ来たのですか。
ユミコを責めるために来たのですか。」
こうは言うが、俺にもふたりが来た理由くらい、見当がつく。
ゴーストアリンバが再び水晶に封じ込められ、ユミコの竜化が解けた。
ユミコのピンチに、時空を越えて駆けつけてくれた事くらい、俺にも分かる。
だけど、照れ隠しかは知らんが、ユミコを責めるこのふたりに、俺は感謝の気持ちより先に、イラつき感を覚える。
「ち、タカスナの子孫なだけの事はある。
痛いとこつきやがる。」
アケミは俺をにらむ。
すげーおっかないが、俺も負けずとにらみかえす。
「黙っててくれないかなぁ、タカスナの子孫。
これは私たちの問題だから、君に立ち入ってほしくないの。」
ノブヒコも笑顔で言ってくるが、この笑顔が怖い。
アケミからの直感的な恐怖とは違い、ノブヒコから感じる恐怖は得体が知れない。
「はあ。
私たちは二度と会えなくなったユミコのために、何か出来ないかと考えたんだよ。」
アケミはこのまま責めても仕方ないと思ったのか、説明をはじめる。
「で、思い出したのが、ゴーストアリンバの事だよ。」
アケミの言葉に、俺はゴーストアリンバを見る。
ゴーストアリンバはおとなしくなり、水晶に封じ込められつつある。
「きっと、虹の橋は必要になる。
だからゴーストアリンバの魔洗礼は、解かなくちゃいけない。
まさか、ユミコが交戦中だとは、思わなかったよ。」
「私もユミコさんとは会わずに、事を済ませたかったわ。」




