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48. 2階と3階


 〜〜大悟〜〜


「あ、戻ってきましたよ大悟さん」


「ふぇ?」

 マッサージチェアに座って、寝落ち寸前の大悟。

 大悟は頬を叩いて、マッサージチェアから起き上がった。


 あぶねぇー、寝るところだった。


「大悟さん、温泉素晴らしかったです」

「シャンプーも凄くて、私の髪どうですか?」

「私の肌も触ってみて下さい。サラサラですよ」

 数人の女性が、小走りで大悟に迫ってきた。


 うお、なんだ? 圧が凄いな。ちょっと怖いぞ


 大悟は彼女等の圧に押されて、一歩下がる。


「ま、まぁーなんだその。温泉気に入ってくれたようで良かったよ。肌も髪も綺麗になってるし。後で、俺達も入らして貰うよ。とりあえず今は、残りの階層の説明をしないとな。な?」


「そ、そうだね。僕達も早く終わらして温泉入りたいし」

 勇巳と大悟は、視線を合わせる。


「ちっ」


 おい、今誰か舌打ちしただろ。


 大悟は舌打ちをスルーして、みんなを2階へと案内した。

「さて、この2階には訓練場、トレーニングジム、仕事場の3つがあるんだ」


 訓練場。

 超強化ガラスで囲まれた広場。中にはブレスレット、剣、盾、槍、弓、斧、杖、グローブ、銃が置いてあり、武器は練習用武器と魔力武器の2種類が用意されている。魔力武器は魔力を武器に込めなければ使用する事はできない。


 トレーニングジム。

 機器を用いて体を鍛える場所。ベンチブレス、ランニングマシーン、エアロバイク、レッグプレス、ショルダープレスなど、沢山の機器が置かれている。


 仕事場。

 将来的に何かを製作したり、考えたりする場所。現在はまだ何も設置されておらず、空の部屋が数部屋あるだけ。


「こんな感じかな。何か質問ある人?」

 大悟は2階の説明を終え、みんなを見る。


「はい」

 1人の男性が手をあげた。


「はい、どうぞ」


「訓練場の使用は自由ですか?」


「いや、将来的には自由に使用できるようにするつもりだけど、今は俺、エビス、エリ、ユリがいる時だけ使用してくれ。ブレスレットに魔力を込めないといけないから」


「はい、分かりました」


「他にある人?」

 大悟は、全体を見回す。

「……いなそうだね。それじゃあ3階に行こうか。あ、ちなみに4階、5階はまだ何も手を加えていないんだ。後々の為に残しておこうと思ってね。だから、次の3階が最後になるかな」

 そう言って、大悟達は3階へと向かった。


「3階は、住居エリア。ここには2人用と3人用の住居があって、基本的には2人用の住居を使ってくれ。3人用の住居は、子供を含めた3人以上の人達に使って貰うから」

 大悟は、3人用住居のドアを開ける。


 住居。

 2人用と3人用がある。3人用は部屋が1つ多いが設備は2人用と同じ。中には温水トイレ、お風呂、洗面所、エアコン、冷蔵庫、キッチン、電子レンジ、クローゼット、家具類が設置されている。


「ここにもお風呂が付いてるんだね」

 勇巳は、風呂場の扉を開ける。


「朝風呂したい時とかあるだろ? いちいち大浴場まで行くの面倒くさいし」


「朝、お風呂に入るなんて、ちょっと前までの僕達には信じられない話だけどね」

 勇巳は、少し呆れながらも言葉を返した。


「とりあえず一旦廊下に出ようか。ここにこの人数は狭過ぎる」

 今、3人用住居の中には数十人の人間が詰め込まれている。


「た、確かに」

 大悟と勇巳は、全員を押し出すようにして廊下に出た。


「ふぅー。それじゃあ、この住居エリアで質問ある人?」


「はい!」

 D.L.Aメンバーの1人が手を上げた。


「はい、どうぞ」


「大悟さんは、どの部屋に住むんですか?」


「え、俺? 俺は一応、右奥の301号室にしようと思ってるけど。あ、でも、別に他の部屋で」


「あぁー、そうなんでかぁー。実は私達も右奥がいいなぁーって思ってたんですよぉー」

 食い気味に話し出すD.L.Aメンバー。

「私達右奥好きだもんねぇー」

「今日のラッキーテーマは右奥って言ってたよ」

「私、大悟さんの隣の部屋がいい」

 さらに、他のD.L.Aのメンバー達も加わり、押せ押せ状態。


 しかし、突如「パン!」と手を叩く音が廊下に響いた。

 D.L.Aのメンバー達は、恐る恐る後ろを振り向く。

 すると、そこにはニコッと笑っているはずなのに威圧感が半端じゃない、頼れるお姉さん、中田 恵美がいた。


「大悟さん、この310号室使っても宜しいでしょうか?」

 恵美は、近くにあった310号室を指差す。


「え、あ、はい。どうぞ」

 突然話しかけられて、キョドる大悟。


「有難うございます。それでは、貴方達はこちらへ」

 恵美は軽くお辞儀をして、D.L.Aのメンバー達を呼んだ。


「は、はい」

 恵美と気落ちしたD.L.Aのメンバー達は、310号室の中へと消えていった。

 

 そして、5分程で恵美が310号室から顔を出す。

「御免なさい大悟さん。まだ終わらなくて、もう少し時間を頂いても?」


「あ、はい。どうぞ」


「有難うございます。それじゃあ女性陣、貴方達も中に入って」


「え、私達もですか?」


「そうよ。何か?」


「い、いえ」

 女性陣全員、言われるがままに310号室へと入っていった。


 そして、さらに20分程経過して全員が310号室から出てきた。


 やっと出てきたか。一体何してたんだ?


「終わったの?」


「はい。時間を取らせてしまい、申し訳ございませんでした」

 恵美はお辞儀をした。


「い、いや。それはいいんだけど、一体なんの話を?」


「ふふふ。それは乙女の秘密ですよ」

 恵美は人差し指を唇に当てた。


 乙女って。


「何か?」


「いえ」


 大悟は知らない。

 D.L.Aの存在を。


 大悟は知らない。

 D.L.Aメンバーが増えた事を。


 大悟は知らない。

 女性達の間で、ある規約が生まれた事を。





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