表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/54

46. ウラン壊滅


「それでどうするんですか?」


「そうだな。とりあえず会話はしてみるけど、たぶん、いや、間違いなく戦闘になると思う。だから、子供達を二階に連れてって見せない様にしてくれ。恐らく悲惨な感じになるだろうから」


「分かりました」

 勇巳は近くにいた男性に指示を出す。

 指示を出された男性は、子供達を連れて二階へと上がって行った。


 子供達が居なくなると、大悟は内側の壁に付いている受話器を取った。


「それは?」


「コレ? これは拡声器。コレに向かって喋ると、城壁の外に設置してあるスピーカーから声が出る様になってるんだよ。ただ、あんまり音を大きくすると感染者が寄ってきちゃうから、ボリュームを調節して……あっ、あー、あー、テス、テス」


 こんなもんでいいかな。


「ゴホンッ。えー、では、そこのビルに隠れているウランメンバーの皆さん。聞こえてますか? 佐々木君から色々話を聞かせて貰いましたよ。自分達が行くのが怖いからって佐々木君を1人で行かせるなんて、さすが腰抜け弱小クズグループですね。カッコ悪過ぎて涙が出ちゃう。そんな道端に落ちてるゴミ屑のようなお前等が、人間様に喧嘩を売るなんて身の程を知れって感じだわ。おい、聞こえてんだろ? 腰抜け共」


「ちょっと大悟さん、そんな火に油を注ぐみたいな」


「出て来たぞ」

 ウランの奴らは顔を真っ赤にし、ビルの中からぞろぞろと出てきた。その数、ざっと200人程。


「アイツ等、いつのまにこんな人数を」

 努は、ビルから出てきた人数を見て驚いた。


 ウランは数年前から悪徳グループを集め、力で抑え付けては傘下に加えていた。そして、沢山のグループを吸収したことにより、その数は4倍の200人にも(のぼ)っていた。

 ウランは、今や東京4大勢力にも引けを取らない程の力を持ち、武力集団である事から、誰も止める事が出来ない程の危険集団となっていた。


「知らなかったのか?」


「アイツ等とは関わらない様にしてたからね。ちょっかい掛けられても面倒だし」


 それもそーだな。


「まぁーいいや。ほれ」

 大悟は受話器を勇巳に渡した。


「え?」


「俺よりも勇巳達の方が、アイツ等に言ってやりたい事があるんじゃないか?」


 勇巳は、受話器をジッと見つめる。

「いいのかい?」


「勿論。火に油を注いでやれ」


 勇巳は受話器をギュッと握り、息を吸い込んだ。

 スー。

「おい安田! お前のせいで沢山の仲間が死んだ。お前のせいだ、お前のせいで死んだんだ。絶対に許さない。死んでいった者達のためにも、ちゃんと償いを受けて貰うぞ。この……クソ野郎がぁー」


 いやぁー、勇巳も溜まってんだなぁー。びっくりしたわ、大声で。


「ところで安田って誰?」

 大悟は努にコソッと話し掛けた。


「ボスの名前ですよ」


 へぇー。まぁーもう死ぬんだし覚えなくてもいいや


「ハァー、ハァー」

 勇巳は、荒れている息を整えると後ろを向いた。

「君達も言いたい事があれば言うといい。多少はスッキリするぞ」


 それを聞いて男達は受話器に群がった。

「よくもやってくれたなクソ野郎共ぉー」

「地獄で反省しろ」

「バーカ、バーカ」

「カラスの餌にでもなってろゴミ」

 そのまま罵倒していると、ついに安田がキレた。


「て、てめぇー等。ナメた口利きやがって、上等じゃねぇーか。てめぇーら全員犬の餌にしてやんよ。お前等、構うこたぁーねぇーやっちまえ、1人も残すんじゃねーぞ」


「おぉー」

 その合図でウランメンバー全員が、建物に向かって走り出す。


 さて、やるか。


「それじゃあ、やるけど、ちょっとグロくなると思うから、あんまり見ない方がいいかもよ」


「大悟さん、僕は見るよ。彼等のリーダーとして、死んでいった者達の手向けとして」

「俺も見るぞ」

「俺もだ」

「これは復讐じゃない、ケジメなんだ」

 男達の意思は固かった。


「了解」

 大悟は、ミニガンの安全装置を外す。


「大悟さん、それでどうやってミニガンを外に出すの?」

 ミニガンは城壁の中に固定された状態で置いてある。その為、このまま撃てば外壁に当たってしまう。


「外に出す? いやいや、そんな事しないよ」


「え? でもそれじゃあ壁に」


 大悟はニヤッと笑い、ミニガンのトリガーを引いた。

 すると、前線にいたウランメンバーの頭が吹っ飛び、そのまま銃弾の嵐がウランメンバーを襲った。


「え?」

 勇巳達は、何が起こったのか全く分からなかった。



「か、壁から弾が」

「た、助けて」

「頭を下げろ、撃たれるぞ」

 突然の銃撃に慌てるウランメンバー。

「ボ、ボス」

「一体なんなんだ、コレは?」

「わ、分かりません。しかし、このままでは全滅してしまいます」

「くっ、仕方ない一時撤退だ」

「はい、了解しま、ぐふっ」

 安田の前で、その男の上半身が吹っ飛んだ。

「ひっ」

 一瞬で上半身を失った男を目の前にし、安田は震え上がり、更に体を低くして蹲ってしまった。



 勇巳は、目の前で起きている不思議な現象に首を傾げていた。

「弾が壁を擦り抜けてる、のか?」

 勇巳は最初、弾が壁を貫通しているんだと思っていた。だが、壁のどこにも穴は空いておらず、壁は綺麗なままであった。


 1分程して、大悟は撃つのを止めた。


「お、終わったのか?」

 勇巳は、戦場跡に目をやった。

 そこには、沢山の死体が無残な姿で転がっていた。


 大悟はMAPを開いて、辺りを確認する。

「いや、1人生きてるみたいだな」

 大悟は、空中に待機させていたドローンを向かわせた。


「いた」

 そこには体を震わせ、蹲っている安田の姿があった。


 こう言う奴ってホントしぶといよね。


「どうする?」

 大悟は、安田の処遇を勇巳に委ねた。


「……やってくれ。奴を逃せば遺恨が残る。その遺恨はきっと、僕達の仲間を傷付ける。だから……」

 勇巳はドローンの映像から目を逸らした。


「分かった」

 そう言って大悟は、安田の頭を吹き飛ばした。

 パァン!


 こうして安田は死に、ウランは壊滅した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ