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24. 異世界の食べ物


 〜〜エビス〜〜

 

 エビスと女性陣はソファーに座ってお茶を飲んでいた。


「御三方は武術の経験はあるでござるか?」


「ないわ」

「ないです」

「ない」


「左様でござるか。拙者のいた世界とこの世界では、武術の概念が違うかも知れませぬが、宜しいでござるか?」


「構わないわ。大悟は強くなれたんだし、私達にも適用する可能性はあると思う」

 頷く、20歳コンビ


「了解したでござる。それでは、まず丹田(たんでん)を鍛えることから始めるでござるな」


「丹田?」


「丹田とは、おへその下に闘気を溜めることでござる。そして、その溜めた闘気を体全体に行き渡らせることによって、今まで以上に力を発揮できるようになるでござるよ」


「力を発揮って? パワーが上がるってこと?」


「パワーだけでは無く、色々な能力が上がるでござるよ」


「お腹に闘気? を留めることで色々な能力が上がる。言ってる事は分かるんだけど、イメージが湧かないわね」


「左様でござるか? それなら拙者がお手本を見せるでござるよ」

 エビス達はリビングから北展望台の練習場に移動した。


「ゆっくり1つずつやるので、ちゃんと見てるでござるよ」


「分かったわ」

「分かりました」

「ほい」


 エビスは目を瞑り、息をゆっくり吸い、勢い良く息を吐き出した。


「どうでござるか?」


「温度が上がった気がするわ」

「部屋が暖かいです」

「ポッカポカ」

 もちろん実際に部屋の温度が上がったわけでは無く、エビスの闘気から発せられる熱量に当てられ、温度が上がったかのような錯覚を起こしているのである。


 ふむ、この世界の人でも闘気を感じとる事ができるようでござるな


「次に、この闘気を体全体に行き渡らせるでごさる」

 エビスは体に力を入れる。

「フンッ」

 するとエビスの体を薄い膜が包み込んだ。


「何かがエビスちゃんを包み込んでるわ」

「エビスちゃんカッコイイ」

「おぉー」


 ちゃんと見えてるでごさるな、これなら我等の武術を教えられるでござる。


「この膜を闘気炎と言うでござるよ。それでは、御三方もやってみるでござる」


「どうすればいいの?」


「まずは拙者を真似てやってみるでござる。形から入るのも大事でござるよ」

 こうしてエビスの特訓が始まった。



 〜〜大悟〜〜


「名前を聞いてもいいか?」


「す、鈴」

 手をギュッと握ってはいるが体は震え、大悟が話しかける度にビクッと体をびくつかせている。


「鈴、よく聞いてくれ。これから信じられない物を沢山見る事になると思う。だけど、それらは鈴のこれからの人生をハッピーにしてくれる物だと思ってくれ。だから怖がらず、見た事全てを受け入れてほしい」


 鈴は、いまいち大悟が何を言ってるか分からないような顔をしていたが、大悟の顔を見て小さく頷いた。


「着いたよ」

 大悟達はビルの中に入り、扉の前まで来た。


「いいかい、これから見る事は現実だよ」

 そう言って大悟は扉を開け、鈴をトロッコに乗せる。

 トロッコが動き出すと、鈴は怖がっているのか興奮しているのか、よく分からない表情をしていた。


 展望台に着きドアが開くと、鈴は目を大きくしてその場を眺めていた。しかし、まだ警戒心が解かれていない為か、それ以上のリアクションも声を出すこともなかった。


「鈴、とりあえずそこに座って」

 大悟は鈴をソファーに座らせ、お茶と異世界の食べ物を出してあげた。

 鈴は、大悟と食べ物を交互に見ていた。


 まるで犬だな、勝手に食べると殴られるとでも思っているのだろう。このへんの感覚も治していかないとな


「遠慮しないで食え」

 鈴は大悟に許可を貰い、手を付けようとした瞬間、奥から声が聞こえ手を止めてしまう。


「あら、大悟じゃない。戻ってたのね」

「あ、大悟さんお帰りなさい」

「ご飯の匂い」


 その声が聞こえてから、鈴は体を強張らせてしまった。


「鈴、大丈夫。俺の仲間だから」

 しかし、鈴の緊張は解けない。

 大悟がどうしようかと困っていると、女性陣の後ろから救世主が現れる。


「おや、大悟殿。もう戻ってこられたでござるか」

 その姿を見た瞬間、鈴の目が輝きを放ち出した。


 これだ!


「エビスちょっとこっちおいで」


「なんでござるか?」


「いいから、いいから」


 ガシッ!

 大悟はエビスを持ちあげ、鈴の膝の上に置いた。すると鈴は、今まで見せた事のないようなスピードでエビスを抱きしめた。


「ふぉー、なんでござるか? またなのでござるか? デジャブー」


 ありがとうエビス。いや、救世主よ


 鈴が落ち着きを取り戻したのを確認して、皆に今までの事を話し、お互いの自己紹介をしていった。


「それで特訓の方はどう?」


「順調でござるよ。今闘気の特訓をしてるでござる」


「闘気の? まさか闘気が使えるのか?」


「まだ使えないでござるよ」


「この世界の人には使えないんじゃ?」


「でも拙者の闘気炎を目視できたでごさるよ?」


 おかしい。魔力も闘気も異世界の物、この世界の人間が使えるのはおかしい。

 何か理由があるはずだ。

 俺と行動してるから? いや、違う。もっと直接的な事、異世界を感じられる何か……


「鈴ちゃん、それ一口頂戴」


「う、うん」


「そんな事より、そろそろ拙者を離すでござるよ。ふぉー」


 異世界の食べ物を凝視する大悟

「あ、あれか? 鈴、ちょっと食べるの待って。エビス左手に闘気炎出してみて」


「こうでござるか?」


「鈴、エビスの左手に何か見えるか?」


「何も、見えない」


「そうか」


 まだ見えてないな。では、異世界の食べ物を食べたらどうなるか


「よし、食べていいぞ。他のみんなも食べたければ食べていいから」


「わーい」

「お腹ペコペコ」

 

 その後。

 夜食を食べ終え、まったりしている一同


「エビス、もう1度左手に闘気炎を」


「出したでござる」


「どうだ? 鈴何か見えるか?」


「薄い、何かが」


「これだな」

 確信する大悟


「どう言う事?」


「魔力や闘気は本来異世界の物であって、この世界の人が使える事はないんだ」


「え? でも」


「そう、美香達は闘気炎が見える。そして鈴も先程見えるようになった」


「つまり、異世界の食材?」


「だろうね。今後、俺ら以外に異世界の食材を食べさせるのは控えた方がいいな」


「そうね」


 はぁー、食材集めもしないとな。めんどくさ




 


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