表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/54

18. 過去 奴隷解放


 ここは宿屋。

 大悟は少女を抱えて宿屋に帰っていた。

 少女をベットに寝かし、回復魔法をかけて怪我を治した。


「後は、これか」

 大悟は首輪に触れると魔力を流し、構造分析を始めた。


「なるほど、この首輪は対象者の魔力で稼働し、奴隷紋で制御されていたのか。今、奴隷紋が解除されたことによって制御がなくなり、首輪は魔力を対象者から吸い取り続け、3日後に爆発するみたいだ」


 なるほどね、じゃあ爆発させちゃうか!


 大悟は、すぐさま解除に取り掛かる。

 まず部屋に結界を張り、音と光が外に漏れないようにした後、部屋にある物と少女にコーティングを掛ける。これで準備はオッケー!


「さて、やりますか」

 そう言うと大悟は、少女の魔力に似せた魔力を首輪に流し込んだ。

 この首輪は対象者の魔力か、首輪を取り付けた者の魔力じゃないと反応しない。なので、大悟はわざわざ少女の魔力に似せて流していた。


 この魔力の性質を変化させる方法は古代の技術であり、現代では知られていない。

 では何故、大悟がそれを知っているのか? それは今後の話の中で明らかになって行く


 大悟は変化が出るまで魔力を流し込んでいく。

 すると、魔力を沢山含んだ首輪は突然光だし、次の瞬間爆発した。


「ゲホッ、ゲホッ。しまった結界張ってるから煙が逃げない」

 大悟は急いで空間収納の中に煙を流し込んだ。

 なんとか煙を消し、少女と少女に付いてた首輪を確認する。


「よし、少女は無事だな。首輪も無くなってるし、成功だ」

 安心した大悟は椅子に座り、結界やコーティングを全て外していった。


「ん、ここは?」

 少女が目を覚ます


「あ、おはよう」

 

「わぁ!」

 少女は大悟の声に驚いて後ろに飛び、ベットから転げ落ちた。


「大丈夫?」


「あの、あなた様は一体? ご主人様はどちらでしょうか?」

 大悟は今までの出来事を細かく説明していった。


「それじゃあ私は、もう?」


「奴隷じゃないよ。たぶん」

 それを聞いた少女は大悟に抱きつき、大声で泣き出した。

 5分程少女は泣き続け、そのまま、また寝てしまった。


 寝たよ、どうすんだよこれ


 少女は大悟の体をガッチリ捕まえた状態で寝てしまっていた。そのまま1時間、大悟は地獄を味わうのだった。


 1時間後


「ご、ごめんなさい」

 精一杯、体を曲げてお辞儀をする少女


「いいっていいって」

 

 よっぽど疲れていたんだろうな。


「それじゃあ、奴隷になった経緯を聞いてもいいかな?」


「はい、私は1年前まで小さな村に住んでいました。貧しい村ではありましたが、皆で助け合いながら暮らしてました。でもある日突然、村が盗賊に襲われました。盗賊達は子供や若い女性を誘拐し、抵抗した者を次々と殺して行きました。その中に私の両親も……ウッ、」

 堪えきれなくなって泣き出す少女


 若い女性や子供は奴隷商に売られ、それ以外は殺されたって訳か


「もういいよ」

 大悟は少女の頭を優しく撫でてあげる。

 少女を安心させるために優しく接する大悟であったが、心の中は強い怒りで溢れていた。


 少女が落ち着きを取り戻したのを確認して大悟は話をする。

 

「そう言えば名前を聞いていなかったね、俺は大悟」


「はい、私はエリです」


「エリは、この後どうするの?」


 するとエリは突然立ち上がり、頭を下げてきた。

「大悟さん、お願いです。妹のユリを、ユリを救ってください。私の命を差し上げても構いません。だから、どうかどうか」


 命とか重いよ。でも、

「妹さん?」


「はい、私には双子の妹がいます。奴隷商に売られる時に別々になってしまい」


「うーん、辛いことを言うようだけど、まだ生きてるなんて保証ははないんでしょ? 今は自分の事を考えた方が」


「いえ、生きています。御主人、いえ、元御主人様の屋敷に来た奴隷商人の方が、私を見てビックリしていたんです。どうやらチョット前に、ある貴族様の屋敷で私に似た奴隷を見たらしいのです」


「なるほどね。本当っぽいけど、もしかしたら双子って知ってて揶揄われただけかもよ?」


「いえ、事実です。……じ、実は私には特殊な能力がありまして」


「特殊な能力?」


「はい、人が嘘をついてるかどうか色で分かるんです」


「色?」


「嘘をついた人の背景は赤く、本当の場合は青く浮かび出るんです」


 なんだその能力


「じゃあ俺にも色が出てたんだ?」


「いえ、その、大悟さんにはずっと黄色の背景が出ていて、こんな事初めてで」


 もしかして転生者に反応してるのか? この世界の人じゃないと判別できないのかも


 大悟は少し考え込む。


 それにしても奴隷か。なるべく考えないようにしていたけど、エリのような罪の無い奴隷がいるのを知ってしまったな


「エリ」


「はい」


「妹さんを探すのを手伝ってもいいが、条件がある」


「条件? な、なんでしょう?」


「俺と一緒に旅をしてもらい、その能力を使わせて貰う」


「妹の為なら構いません。けど、こんな能力一体何に使うんですか?」


「奴隷の解放に使う」


「解放に?」


「全ての奴隷を救う訳じゃない、犯罪奴隷や自分の借金で奴隷になった奴は救わない。救うのはエリと同じように盗賊に売られたものや、騙されて奴隷にされたもの達だ」


「その判別にこの能力を使うんですね」


「うん。それとそれに関わった盗賊、商人も罰を受けて貰う」

 つまり皆殺しね。


「でも、どうしてそんな事を?」


「理由は簡単だよ、俺が気に食わないから」

 俺は地球にいた時、虐められてる人を何度か見た事がある。

 この世界の奴隷と比べれば確かに軽いものではあるが、それでも理由もなく殴られ、パシリにされてる人を見るのは気分が悪くなる。

 自分が超人なら、権力を持った家の子だったら助けられるのに、そんな事を考えてた。でも実際は力もなく自分に矛先が向かないようにするので精一杯だった。

 でも、今は違う。力が全ての異世界で俺は力を手に入れた。今なら救える、あのクソ野郎共をぶっ飛ばせる。

 

「それじゃあ、よろしくねエリ」


「はい、よろしくお願いします御主人様」


「いや、御主人様じゃないんだけど」


「私は命を差し出しましたので」


「いや、いらないし。それにまだ救ってないから」


「いいえ、御主人様ならやってくれます」


 なんか、ややこしくなっちゃったな


 こうして大悟はエリと一緒に旅をする事になったのだった。

 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ