16. ジャスティス
大悟は目的の場所に着いて、本を選んでいた。
「良かった、まだ残ってて」
「どう言った本を集めればいいの?」
「えぇーと、教材系とか情報系とか為になりそうな本を適当に集めてって」
「分かったわ」
大悟はタイトルだけを見て適当に収納していった。
大悟は手前から美香は奥から本を集めて行き、30分程で2人はカチ会った。
「こんなもんでいいかな」
大悟は美香が集めた本を収納し、外に出ようとしたところで立ち止まる。
「どうしたの?」
「いや、アレも持ってこうかなって」
大悟が指差した方にはパソコンがあった。
「もう使い物にならないわよ?」
「大丈夫、分解して構造解析するのが、大好きな変人の友達がいるからプレゼントするだけ」
もちろんドワーフとエルフのことである。
今度、家電量販店でも行って片っ端から持って帰ってやるか。
そうして1件目をなんとか終わらせ、2件目に向かった。道中何事もなく2件目に着くと、大悟は美香の背中を押す。
「実戦に勝る練習なしだよ」
「つ、次は大丈夫よ」
……
当たらない、ビックリするぐらい当たらない。わざとやってんじゃないか? と思う程に
サイレンサーをちゃんと付けた二丁拳銃で、大悟が補助しながら進んでいく。
結局、美香が倒した数……0!
「ま、まぁー今日は経験を積んだってことで」
「いいわよ、慰めてくれなくたって。次来るときには全員倒してやるわよ」
超ぉー悔しそうにしている美香。頑張れ
2件目も1件目と同じ様に本を集め、それが終わると外に出て3件目に向かう。
この調子ならもう1件多く行けるかと考えていたが、3件目に向かう道中で事件が起きる。
「大悟あれ」
そこには3人の男が感染者に襲われている姿があった。
あー、一応助けるか!
「美香はここで待、アレ?」
大悟が振り向くとそこに美香の姿はなく、感染者に向かって走る美香がいた。
「あのバカ」
美香は感染者に近づくとハンドガンを構える。が、撃てない。感染者と男達の距離が近すぎるのだ。というか元々、止まってる物さえ当てることができない。
「く!」
美香が困っていると、男達は美香に向かって走ってきた。そして美香を掴み感染者に向かって放り投げようとした。
「ちょ、何すん」
美香は抵抗虚しく持ち上げられる。
美香にはコーティングの魔法が掛かっているが、これはダメージを受ける様な攻撃を受けた時に限り、発動する。そのため今回の様に持ち上げたり、投げられたりするだけでは発動はしない。もちろん投げられて地面に落下すれば、落下ダメージでコーティングの魔法が発動する。
男が美香を感染者に向かって投げようと、足に力を入れた瞬間、男は後ろから衝撃を受け地面に膝を突いた。
男がビックリして後ろを振り向くと、そこには大悟の姿があった。
大悟は男が美香を投げようとした瞬間、後ろから膝を蹴り体勢を崩させていた。
「てめぇー何すんだ」
「おい、そんなことやってる場合じゃ、アレ感染者は?」
それは俺が倒した。
大悟はあの後、美香を追い掛けず全体が見れるところに移動していた。美香がどう行動するか? 男達はどうするのか? それを見ていた。
が、男が美香を掴もうとしたところで観察を中止し、感染者を瞬殺しながら男の後ろに移動した。
「なんだ? 感染者の頭が全部なくなってるぞ」
そりゃー俺が全部頭撃ち抜いたからな
「なんか知らんが運がいいぜ」
運がいいんだか悪いんだか
「そんなことより、お前よく俺の足を蹴ってくれたな」
はい、来ました。お決まりのパターン
「おい、聞いてんのか?」
「はいはい、聞いてますよ」
「しっかり落とし前つけて貰わんとな」
手をボキボキ鳴らしながら近づいて来る男
「おい、お前ら。女に逃げられないように捕まえとけ、コイツも俺達の奴隷にするんだからな」
コイツ、も?
「なぁー、あんたらの所には奴隷がいんのか?」
「あぁ、最近見つけてな。親と一緒に隠れて暮らしてたらしいが、俺らが有効利用してやろうと思ってな。ボスも大喜びだったぜ」
男はニヤニヤしながら答える。
「その親はどうしたんだ?」
「殺したよ、あんまりにも抵抗するんでな。まぁー抵抗しなくても殺したがな、ガッハッハッハ」
「そうか……ちなみにあんたはどこのグループなんだ? 名前は?」
「いちいち五月蝿い野郎だな。だが、いいだろう。 これから死ぬんだ、手向として教えてやる」
いいから早く言えクソ野郎
「お前らも『ジャスティス』ってグループを聞いたことあるだろう」
初耳だ、バカ
「力こそ全て、逆らう奴は殺す、地上最強グループ、それがジャスティスだ。そして、その最強グループで幹部を任せられてるのが俺様、加藤 繁様だ。どうだ、すげーだろ」
すげーのはお前の腐った脳みそだ、アホ
「俺達は、あそこの図書館を拠点にこの辺を占めている。だが、いずれはこの日本を、いや、世界を占めることになるだろう。どうだ入りたいだろぉ、ガッハッハッハ」
お前らのグループに入るぐらいなら感染者グループに入るわ、マヌケ
「だが、お前は入ることは出来ない。何故ならココで死ぬからダァー」
男は突然襲い掛かってきた。が、大悟に届く事もなく意識を刈り取られ気絶した。
はぁーバカの相手は疲れる。
「おい、お前らコイツを連れて帰れ」
「ふざけんな、このや、グホッ」
男Bはデコピンをくらい気絶した。
「おい、この2人を連れて帰れ」
「……」
男Cは無言で2人を引きずりながら去って行った。
「なんで帰しちゃったの?」
美香は大悟に問い詰める。
が、大悟は美香の言葉を無視して
「さて美香、お説教を始めようか」
「え?」




