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15. 初めての実戦


 大悟は2人を抱え、ベットまで運んだ。


「お疲れ様! お茶飲む?」


「あぁー、頂くよ」

 リビングに戻ると、美香が出してくれたお茶を飲んで一息ついた。


「今日はどうするの?」


「今日はとりあえず3件の図書館を回ろうと思ってる。後1時間したら出発するから準備しといて」


「分かったわ」


 1時間後、まだ起きない2人に置き手紙をして出発した。


 トロッコを降りビルを出る2人


「あ、そうだ美香ハンドガン出して」


「はい、どうするの?」


「音が鳴ると感染者が集まって来ちゃうからね、サイレンサー付けて消音させないと」

 大悟はハンドガンにサイレンサーを付けた。


「へぇー、これで音が消せるのね」


「それじゃあ、行こうか。今日は近場の3件に行く予定だから」


「了解よ」


 大悟はMAPを開き、感染者を避けながら1つ目の図書館に向かった。


「ここだね」

 大悟の前には大きい建物が建っていた。


「特に苦労することなく着いちゃったわね」


「何言ってんの? 美香が苦労するのはこっからだよ」


「え?」


「ここまでは感染者を避けて移動して来たけど、図書館内の感染者は倒さないと本探せないでしょ?」


「つまり私に倒せと?」


「大丈夫、大丈夫。俺も後ろで見てるし、コーティングもしてあるんだから」


「そ、そうよね。実戦に勝る練習なし、だったかしら?」


「よく覚えてるね。それじゃあ準備はいい? 入るよ」


 美香は空間からハンドガンを取り出し、構える。

 入り口の扉を開け、中の様子を確認しながらゆっくりと中に入る2人。

 前衛は美香、そのすぐ後ろに大悟。


 前が女性で後ろが男ってカッコ悪くね? ちょっとヤダ。


 数メートル進むと1人目の感染者を発見する。

 美香はハンドガンを構え通常弾を撃つ、しかし当たらない。2発、3発と撃つが当たる気配がない。


「美香落ち着いて、まずは照準をしっかり合わして」


 美香は1度深呼吸をしてから、言われた通り照準を合わせ撃つ。


「当たった」


 確かに当たったが、当たった場所はお腹。今まではサイレンサーのお陰でバレずに済んでいたが、流石に感染者も気付き、こちらに向かって走り出した。


「あ、あ」

 感染者の勢いに押され、尻餅をついて後退りする美香。


 まぁー、銃での戦闘は初めてだし、こんなもんかな


 大悟は空間収納からハンドガンを取り出し感染者の頭に通常弾を撃ち込む。盛大な音と共に感染者の頭が吹っ飛んだ。


「あ、やべ、サイレンサー付けてね」

 大悟は急いでサイレンサーを取り付ける、しかし時すでに遅し、大勢の感染者が図書館の中と外から大悟達に迫って来た。その数およそ100体。


 それを見た美香は震えながら頭を抱えて(うずくま)る。


「もうダメだ」

 美香はコーティングしているのも忘れ、絶望を感じ、死を覚悟した。

 そして蹲って震えてる美香の耳には、感染者の悲鳴と空気が抜ける音だけが聞こえていた。


 やがてその音もなくなり、静寂が辺りを包む。

 

 美香が恐る恐る上を向くと、そこには両手にハンドガンを持つ大悟の姿と、頭がなくなった沢山の感染者が倒れていた。


 そして、大悟の背後には窓から入った日の光が当たり、それはまるで後光のようだった。

 美香は、後光を浴びる大悟の姿を食い入るように見ていた。


「大丈夫? 美香」


 声をかけられ正気に戻る美香


「だ、大丈夫よ、ありがとう。また助けられちゃったわね」


 大悟に手を差し伸べられた美香はその手を掴む。


「いや、俺のミスもあったから」


「そ、それにしてもどうやって倒したの? あんな短時間で?」

 

 大悟はコレでと言わんばかりに二丁拳銃をみせる。

 しかし、美香はそれを無視して話を続ける。


「あ、分かったわ。手榴弾ね、手榴弾をばら撒いたんでしょ?」


「それじゃあ図書館崩壊してるし、コレで倒したんだってば」

 再び二丁拳銃を美香に見せる。


 ……


「え、あの一瞬でこの数の感染者をハンドガンで倒したの?」

 美香が蹲ってから、顔を上げるまで僅か数秒。大悟は10秒もかけずに感染者を全滅させていたのだ。


「そうだよ」


「全く、異世界の話聞いていなかったら人外認定してたわよ」

 溜め息を吐きながら答える美香


 ひどっ! ちゃんと人間だし


「まぁーいいや。そんなことより早く本探さないと」

 そう言って本が置いてある場所に歩き出す大悟。

 そんな大悟を後ろから見つめる美香。

 その目には憧れや尊敬だけでは無い何かがあった。





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