13. 武器製作と練習場
「どうしたの?」
大悟がこの後どうするか考えていると美香が話しかけてきた。
「ん、もう服はいいの?」
「ええ、もう沢山選んだから。それで何か考えてるようだったけど?」
「あぁー、この後を考えてたんだ。そろそろ本を探しに行こうかと思ってね」
「私達はどうしたらいいの?」
「え、ここで待ってていいよ」
「そう言うわけにはいかないわ。ここまでして貰って家で寝てるなんて、何か手伝わせて」
「私も手伝います」
「手伝う」
手伝うって言われてもなぁー、正直足手まといだしなぁ。でも本集める時、人手があった方がいいか
「3人は戦える?」
「話にならないぐらい戦えないわ」
「石投げるぐらいなら」
「逃げ足なら」
最後の戦ってもないし
うーん、どうしよう……あ、アレ作るか
「何か閃いたような顔してるけど」
「うん、ちょっと時間貰うね。適当に時間潰しててよ」
それから3時間後
「終わったよ。みんな集まって」
大悟の周りに集まる女性陣!
「それで何を作ってたの?」
「うん、まずはこのブレスレット」
「ブレスレット?」
「このブレスレットには2つの効果があるんだ。1つは『コーティング』。コーティングは身を守る膜を張ってくれるんだけど、使う魔力が多すぎて指輪じゃ1時間も維持できないんだ」
「このブレスレットなら、どのくらい持つの?」
「1日は持つと思うんだけど、まだ試行錯誤中だから」
「1日保てば十分よ」
「それで2つ目はオマケみたいなもんなんだけど、空間収納が使えるようになってるんだ。ただ、鞄が1、2個入るぐらいのスペースしかんだけど」
「ちょっと付けてみてもいいかしら?」
「どうぞどうぞ」
カチャッ!
「何も変わらないわね?」
「コーティングは目に見えないからね。収納はどう?」
美香は、その辺にある物を入れてみた。
「凄いわ。物が消えちゃった」
「ちゃんと機能してるようだね」
「私も付けたい」
「ズルい」
「はい、はい」
由紀と美沙は大悟からブレスレットを渡されると、
嬉しそうに飛び跳ねていた。
「それで次はコレ!」
大悟が出したのはハンドガン
「銃?」
「そうだよ。このハンドガンは特殊でね、通常弾、火炎弾、冷凍弾、電撃弾の撃ち分けが出来るんだ。ちなみに威力を落として、反動を殆どなくしてるから女性でも使い易いと思うよ」
「威力を落としたってどのくらい?」
「えぇーと、眉間に穴が空くぐらい?」
「それって落ちてるの?」
「落ちてるよ。俺の銃だと頭吹っ飛ぶもん」
「あ、そう」
肩をガクッと落とす美香
「それで、弾はどこにあるの?」
「弾はその指輪だよ」
「指輪?」
「そうだよ。指輪から出る魔力が弾に変換されるんだ。弾の使い分けは頭の中でイメージするだけ、火炎弾をイメージすれば火炎弾を、冷凍弾をイメージすれば冷凍弾をってね」
「全く魔法って恐ろしいわね」
「それで最後がこのアタッシュケース!」
「この鞄は何が凄いの?」
「紹介したいのは、この中だよ」
そう言って大悟はアタッシュケースを開けた
「何これ?」
「これは、手榴弾、閃光弾、スモーク弾だよ。手榴弾は爆弾、閃光弾は目眩し、スモーク弾は煙玉」
「これは投げればいいの」
「そうだけど、投げるだけじゃなくて自分の下に落として使うやり方もあるよ」
「死んじゃうじゃない」
「コーティングしてるから大丈夫。囲まれた時に使えば一網打尽だよ」
「あぁーなるほどね」
「装備の説明はこんなもんかな。それで図書館に行く話なんだけど」
「この装備なら皆安心して行動できるわ」
「いや、明日俺と一緒に行動するのは美香だけだよ」
それを聞いて20歳コンビが襲い掛かってきた。
「なんでですかぁーお姉ちゃんだけなんてズルい」
「贔屓だ贔屓だ」
「落ち着け落ち着け、流石に俺でも3人を守りながら行動するのは骨が折れる。だから1日交代で1人ずつ俺と行動して貰い、残りの2人はその間ここで特訓して貰う」
「特訓?」
「うん、この東京都庁の展望台は南展望台と北展望台に分かれてるんだ。俺達が居るのは南展望台ね。んで、もう一つの北展望台を練習場に改造したんだ。そこでハンドガンの練習と爆弾類の確認を行って貰う」
「それはいいんだけど、どうやってもう一つの展望台に行くの? まさか一回下まで降りてとかじゃないわよね?」
「そんなわけないじゃないか」
「ホッ」
安心する女性陣
「空中を歩いて北展望台に行って貰うんだ。」
「はっ?」
「へっ?」
「ほっ?」
困惑する女性陣
大悟は、女性陣を無視して話を続ける。
「では、こちらにどうぞお嬢さん方」
美香達は説明もないまま、見たこともない扉の前に立たされた。
「こんな扉あったっけ?」
「私たちがここにきた時はなかったよ、お姉ちゃん」
「初見!」
「それじゃあ、扉を開けて」
ゴクッ
息を呑む美香であったが、意を決してドアノブに手を掛ける。
そして、扉を開けると
……
固まる女性陣
そこは外だった。
だが、外と言ってもここは地上202mの空の上、恐怖が美香達を襲う。
「だ、大悟! これは一体、何?」
「何って、そっから歩いてあっちの展望台に行くんだよ。簡単でしょ?」
「いやいや、馬鹿なの? アホなの? 死ぬじゃない、殺す気?」
興奮した美香は、自分の額が大悟の額に当たりそうになるぐらい顔を近付けた。
「落ち着いて美香。ここは硬化ガラスで道を作って囲ってあるんだよ」
「なんでガラス?」
「ガラスの方が、外の景色を見ながら行けるなぁーって思って」
親指を立て、ドヤ顔をする大悟
「怖いでしょうがぁー」
また顔を近付ける美香
「慣れれば気持ちいいって」
「あぁーもぉー分かったわよ。行けばいいんでしょ行けば」
美香達は手を繋ぎ、震える足で一歩目を踏み出した。
前だけを見て進んでいる美香に対し、残りの2人は恐怖よりも好奇心が勝ったようだった。
「わぁー何これ? 空飛んでるみたい」
「私は天使」
興奮してハシャぐ由紀と両腕を横に開いてアホなことを呟く美沙
そんなことをしながら、なんとか北展望台に着くことができた3人。
「ようこそ、北展望台練習場へ」
北展望台には色んな物が設置されていた。
「それじゃあ特訓を始めようか。特に美香は明日一緒に行動するんだから、しっかりやらないとね」
「この展望台にある物の説明はしてくれないの?」
「それはまた今度ね。今回は射撃と爆弾の特訓だから、一部分しか使わないよ」
「そう、楽しみにしておくわね」
「じゃあ、とりあえず皆ハンドガン出して。あとブレスレット付けるの忘れずにね」
そうして射撃の特訓が始まるのであった。




