表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/14

音楽室にて

放課後、俺は問題の音楽室の前に来ていた。


中からは金管楽器の音が響いていた。


まだ吹奏楽部が練習中のようだ。


今は6時半。


もう終わっているころだと思ったのに、随分遅くまで練習しているんだな。


しばらく教室で待ってようかと引き返そうとしたとき、ガラッと音楽室のドアが開いて女の子が出てきた。


……泣いてる?


ボブヘアーの茶髪の女の子が目を真っ赤にして飛び出してきた。


「あ…」


目が合ってしまった。


まいったな…ほっとくわけにもいかないし。


女の子は気まずそうに目を伏せて立ち止まってしまった。


「あ、えっと、だ、大丈夫か?」


「大丈夫に見えます?」


「いや、見えない…けど」


「ですよね」


「……」


すげー気まずい。


「「あ、あのっ」」


声が被ってしまった。


「ど、どうぞ」


「いや、そちらこそどうぞ」


「あ、えっと、あの、あなたって転校生の紺屋くんですよね?」


「!!そ、そうだけど…なんで俺の名前知ってんの?」


「えっと、友達が紺屋くんと同じクラスで、ガリガリで目付き悪いのが転校生だって言ってたから……」


俺の世間的評価って…


目付き悪いのはよく言われるけど、ガリガリじゃないんだけどなぁ。


一応鍛えられてたから筋肉あるし!


「ひでー言われよう」


「ご、ごめんなさい」


「いや、あんたは悪くないだろ。それよりさ、あんた名前は?」


「え?えっと、吉倉すずと言います」


「じゃあ吉倉、音楽室の噂、知ってるよな?」


「あ、さっちゃんのことですか?」


「さっちゃん?」


「えっと、椎名皐月(しいなさつき)ちゃんのことです」


「そう!それだよ!」


「もちろん知ってますよ。さっちゃんが消えた時、あたしも一緒に音楽室で片付けをしてましたから」


「あ、やっぱあの噂ほんとなんだ?」


「はい、そうです…」


「そ、それって何時くらい?」


「たしか、8時くらいです。昨日、練習が終わったのが7時半くらいでしたから」


「ありがとう、じゃあその時間にまた来るわ」


俺が去ろうとすると


「あ、あのっ」


吉倉が叫んだ。


「吉倉どした?」


「…紺屋くんは何者なんですか?」


俺はくすりと笑って答えた。


「正義のヒーローかな」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ