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柊マミ@スズメを休ませたい~世界が勝手に願いをかなえてくるけど、余裕で解釈違いなんですが⁉  作者: 奇蹟あい


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第16話 ドッキリ? それとも現実?

「世界をごまかす……?」


 スズメの言っていることの意味がわからない。


 ズルとか、ごまかすとか。

 何か悪いことをしている、みたいな……そうじゃないような。


「マミだって、いつもいつも勉強ばっかりじゃ疲れちゃうよね」


「え……? うん、まあ……」


 先生の前で、はっきりと肯定するのはちょっと気が引けるけど……。内申点が下がったりしないかな。


 あ、池中先生が目をつぶった。

 聞いていないよ、ってこと?


「『青空記念日』の遊園地、楽しかったよね……?」


 じっとわたしの顔を見て、反応を窺っているみたい。


「そりゃもう、楽しかったよ。スズメがすっごい楽しそうにしていたし!」


「ふふ」


 スズメが笑った。

 もしかして、今日初?


「写真……消しちゃってごめんね」


「えっ?」


 どういうこと?


「桜の花も……1日だけしか持たせられなくてごめんね」


 スズメは何を……?


「『スズメの恩返し』も……調整ミスっちゃって、変な感じにバズっちゃったし……」


「待って待って」


 調整って何……。


「マミが喜ぶと思って……でもなんか、ちょっと……最近やり過ぎちゃってて……」


「いやいやいや……え?」


 それって――。


「スズメが何かしてる、ってこと……?」


 何かって何よ。

 自分で言ってて意味がわかんないけど。


「ずっと黙っててごめんね」


 えっ、ウソ……。

 ホントに何かしてるの……?


「南野。もう少しちゃんと説明してやれ。柊が混乱してるぞ」


 池中先生が口を挟んだ。

 でもそれは咎めるような口ぶりではなくて、フォローするような、とてもやさしい口調だった。


「はい……」


 スズメは鼻から大きく息を吸い込んでから、ゆっくりと吐き出した。

 それから――。


「私ね、マミにしあわせでいてほしいから、マミに力を使わせないようにしてたの。代わりに、ちょっとだけマミの力を借りて、先回りして願いをかなえる、みたいな?」


「……ごめん、何言ってるのかぜんぜんわからない」


 わたしの力が何だって……?

 急にマンガの主人公みたいなこと言い出して……ああああ、わかった! これ、ドッキリだ? 外の太陽も、プロジェクションマッピングか何かで、逆再生してるんでしょ。


「あーもう、びっくりしたあ。すっかり騙されたよー」


「マミ……? 急にどうしたの……?」


 スズメが、ポカンと口を開けてわたしのことを見つめてきた。


「降参降参! 完全にドッキリに引っ掛かりましたー。学校も先生も巻き込んで、こんな大きな仕掛けまでしてー。なにこれ、もしかして、テレビ番組? カメラどこ?」


 そろそろ『ドッキリ大成功』のプラカードを持った人が登場する流れかな?


「柊」


「なんですかあ。先生まで怖い顔してー。迫真の演技でしたよ。先生も次に映画を撮る時にはぜひ出てくださいね! ちびっこ先生で有名になっちゃうかもしれないですよ? あ、大河ドラマにも出たことあるんでしたっけ? もともと役者さんだあ」


 先生をスズメの妹役にして、ランドセルを背負わせるのもあり⁉

 うわー、映画監督の血が騒ぐー!


「違うんだ」


「へ?」


「悪いが……ドッキリじゃない」


「……えっと?」


 どういうことですか?


「驚くのも無理はないと思うけど……全部ホントのことなの」


 スズメがわたしの手を包み込むように握ってきた。

 指先がとても冷たい――。


「南野は、世界を守っている」


「……はい?」


「柊が暴走しないようにな」


 わたし? 暴走?


「先生……。私、そんなつもりじゃ……」


「だが、結果的にはそうなる」


「私は……マミが楽しい気持ちでいっぱいになれるようにって……」


「お前はそれで良い。お前にしかできないことだからな」


 なんか……2人で盛り上がってるけど。


「すみません。もうちょっと整理してもらえませんか……?」


 ドッキリじゃなくて、現実って辺りから補習を……。


「でもちょっと、私だけだともう直しきれなくて……。マミに嫌われちゃったかなぁ……ううっ」


 なんでまた泣くの。


「だからそうじゃないと言っているだろう。思春期になれば、感情の波が激しくなる。これは想定されていたことだ」


「でも! 私がもっとマミの感情をうまく汲み取れていれば!」


「どんなに理解しているつもりでも、限界はある。予定より早いが次のフェーズに入る必要がある。それだけのことなんだ。南野の力不足ではないよ」


 ううーん。

 また2人の世界に……。


「なんかこう、2人の話を聞いていると……わたしが世界を壊しているバケモノみたいに聞こえるんですけど?」


 なんてね。

 マンガの読み過ぎかな。


 え? いや、そこは否定して⁉


「あのー……?」


 なんで目を逸らすの⁉

 まさか、ホントに……⁉

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