謎は解けた
深夜ふと目が覚めて枕元の携帯の時間を見た。
「3時か・・・・・」
一度携帯を置き、枕に顔を埋める。
「・・・・・・」
何の気もなしにウェブに繋いだ。
そして陽だまりの影と入力する。
「・・・・・」
さらに単語を続けた。
「死にたい」
ヒット件数は1件。
クリックする。
するとパスワード画面に切り替わった。
私は目を見開き怖くなって携帯の電源を落した。
今の私には羞恥心など取るに足らない問題だった。
早くこのことを鈴木君に伝えなければと思い、特進コースの校舎に乗り込んだのだ。
クラスは3クラスこのうちのどこかに鈴木君は居るはずだ。
こうなるともう道場破りの気分だ。
頼もう〜〜〜と心から叫んでしまいたい。
とりあえず一番近いクラスのドアを開ける。
いっせいに視線が私に集まる。
道場破り?何それ?
先ほどまでの威勢はどこ吹く風、私は近くに居た人に鈴木君居ますか?と聞くのが精一杯でその生徒はかわいそうなものを見るような目で私を見て「鈴木は2人居るけど?」と冷たく言い放った。
もう穴があったら入りたい。
「だ、大之秦君・・・・」
「ああ、その人は一組」
ありがとう鈴木君!変わった名前で助かった。
一組に行き鈴木君を見つけ私は大きく手を振った。
鈴木君が何か口をパクパクさせて何か言っているが分からないので首を傾げると彼は立ち上がってこちらに来た。
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「ちょっと宇野さん・・こっちこっち」
「え?」
デジャブ?
私は階段の踊り場に連れてこられた。
「困るよ、宇野さん目立つんだから・・・」
「な、鈴木君だって同じことしたでしょ!?」
「いや、俺は良いんだよ・・・」
「なんでよ、私だって恥ずかしかったんだから!!!」
「いや、俺と宇野さんじゃ違うんだって・・・・」
私はピンと来た。
思わずにやけてしまう。
「なるほど・・・」
「え?」
「彼女でしょ!?」
「あらぬ噂がたつと困るからでしょ?」
「彼女は居ないけど・・・・・」
「そうなの?モテそう」
「いや・・・俺ってちょっと抜けてるらしくて・・・・」
抜けてるのは認めるがそれ以上に彼は鈍い、女子の視線に気が付いていないだけだろう。
「だったら私と一緒じゃない困るのはお互い様でしょ?」
「・・・・俺は地味だから騒がれたりしないよ、でも宇野さんは美人だから・・・絶対後でからかわれる・・・」
「えっ・・・・」
この人本当に自分の魅力に気が付いて無いんだ。
まぁそこがいいのかもしれないけど。
微妙な空気が流れる。
「え、えっと今はこんな話してる場合じゃないの・・・・」
「あ、そうだね」
「昨日携帯いじってたら出てきたの」
「え?」
「ちょっと見て」
携帯を一緒に見る形になり、鈴木君と肩が触れ合った。
彼はあまり気にしていないようだったけど私はちょっとドキッとした。
男子とこんなに近くで話した事なんて今までなかった。
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「もしかしてこれが美村の?」
鈴木君の声に我に返り「多分」と頷きパスワードを入力しようとしたが、手が震えてできなかった。
鈴木君は私の肩に手を置くと改めてまた放課後パソコンで見ようと言ってくれた。
私も少し安心して頷いたがその日彼は一時間遅れてきた。
「本当にすみませんでした・・・・」
謝る彼に怒る気にもならず気分を切り替え私はキーボードをゆっくりと打った。
鈴木君のように早くは打てない。
「陽だまりの影・・・・・
死にたい・・・・」
「死にたい・・・・」
鈴木君は眉間に皺を寄せた。
そしてパスワード画面が大きく開かれた。
私はまた躊躇してキーが押せなかった。
見かねた鈴木君が横から代わって打ってくれた。
次に画面に現れたのはブログサイトだった。
「陽だまりの影って・・・・・」
「美村のブログの名前だったのか・・・・」
「愛ちゃんの日記・・・・・」
陽だまりの影は中学2年生の頃から始まっていて、最初の頃のブログ名は陽だまりの光だった。
内容はその日の学校での出来事や、悩みなどが綴られていたけれどどれも愛ちゃんらしくて真面目な文章だった。




