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愛ちゃんからのメッセージの謎

33


心臓がドキドキして破裂しそうだ。


足元がガクガクする。


―月―日と言えば愛ちゃんが亡くなった日だ。


私は恐怖でその場から動けず力なくその場に崩れ落ちた。



―――怖い、怖い・・・早くお母さん帰ってきて!!!!




「大丈夫?姉さん」



肩をポンと叩かれ私はびくんと跳ね上がった。



振り返ると衆太が居た。



「衆太・・・・」


「どうしたの?そんな怖い顔して」


「だ、だって・・・だって愛ちゃんから・・・愛ちゃんから電話が」



混乱して上手く話せないもう必死だった。


怖くてしょうがなくて私は衆太の腕を思いっきり掴んでいた。



「分かったから・・」



衆太は私を落ち着かせようとソファーに座らせ自分も私の隣に座った。


衆太の手が私の髪を撫でてくれて人のぬくもりと香りに私は徐々に落ち着きを取り戻していた。


事情を話すと衆太はクスクスと笑い出した。


なぜ笑うのか私には分からなかった。


こんな場合で笑うだろうか?



「なんで怖がる必要があるの?友達でしょ?」


「だって・・・死んでるんだよ!?」


「この時はまだ生きてる」


「で、でも・・・・しかも分けの分からない暗号を残して行って・・・怖いよ・・・・・」


「どうしてさ?わかんないなぁ〜だって姉さんは愛の死の原因を知りたがってたじゃないか」


「そうだけど・・・・」


「愛からの伝言なんだから・・・受け入れてあげなよ」


「でも・・・何の事だか・・・・」


「多分直ぐ分かると思うよ」


「え?」


「とりあえずその影を倒そうか」



34



手に届かなかったものが行き成り目の前に突きつけられた時、人はこんなにも躊躇してしまうものなのだろうか?


知るのが怖い。





「心音」


「ん・・・」



母に肩を揺すられて私は目を覚ました。



「またこんなところで寝て!あんたはどこででも寝るんだから」


「ああ・・・ごめん・・・今何時?」


「もう9時半よ、ご飯食べたの?」


「んにゃ・・・・」


「も〜一人でご飯くらい作りなさいよ」


「はいはい」



まだ続く母の小言を聞き流しながらTVのリモコンのスイッチを入れる。



「ろくな番組やってないなぁ・・・ご飯できたら教えて〜」


「まったくーーー!!」



私は試験範囲を写したメモを持って部屋に戻った。


そして横の方に走り書きしてある文字に目が留まった。



「陽だまりの影 パス・・・・」



ゾクっとした。


そうだった私は愛ちゃんからの留守電を聞いたんだった。



―――どうしよう・・・・



私の頭では愛ちゃんが何を言いたいのかがさっぱり分からない。


ふと鈴木君の顔が思い浮かんだ。


彼なら何か分かるかもしれない。


私は頷き鈴木君に希望を託すことにした。


明日早速聞いてみよう。



35



私と鈴木君はどうも抜けているらしい。


お互いの電話番号を交換するのを忘れていた。


しかし特進の教室と普通科では校舎が離れていて普通科の生徒があちら側に行くのは気が引ける。


どうしたものだろうかと頭を捻っていると、あちらから来てくれた。


特進の生徒がこちらに来てもかなり目立つ。


しかも鈴木君は容姿端麗だ(黙っていれば)そんな彼が普通科のクラスにヒョイッと顔を覗かせている。


ざわつく教室にこちらが恥ずかしくなった。


鈴木君と目が合い、向こうで待っててと身振り手振りしてみたが全く伝わらず私を見つけた鈴木君は嬉しそうに手を振ってきた。



教室中の目線が私に集まる。



「くふふ・・・ご愁傷様」



うさこが面白くなってきたわと言いたげな顔をする。


私はため息をつき、教室を出た。



なるべく人目の付かない階段の踊り場まで鈴木君を引っ張っていきあんな事したら困ると言うと鈴木君は首を傾げた。


鈍感すぎる。



「まぁいいわ・・・実は・・・・」



私は昨日の事を鈴木君に話した。


彼の顔が強張るのが分かった。


鈴木君は信じられないといった感じで口を手で覆った。



「それで、その暗号って言うのは?」


「はい」



ポケットからメモを渡すと鈴木君は目を大きく見開いた。



「信じられない・・・」


「でしょ・・・・」


「普通科ってまだこんなところをやってるの!?」


「え!?」



それは試験範囲をメモしたものだった。



「ちょ、違うそれじゃなくてここ!この隅に書いてあるの」



しかしこれでも試験範囲が広いと思っていたのに特進ではもうとっくにこの範囲は終わっているらしい。



「これって・・・」



鈴木君は考え込むこうに顎に手を当てた。



36



「何か分かる?」


「うん・・・多分これサイトのパスワードじゃないかな?」


「サイトって・・・インターネット?」



私は携帯を触るくらいでパソコンとか言うものにはとても疎かった。


授業で何度か使ったくらいでネカフェと言うものにもあまり行ったことが無い。


あの独特の雰囲気がどうも好きになれなかった。


しーんとしていてそして皆自分だけの世界だけに没頭するあの空間は私から見るととても異質で馴染めるものではなかった。




「うん、陽だまりの影って言うのはサイト名っぽいし・・・放課後調べてみよう」


「・・・・また私を待たせる気?」


「いや・・・今日は7限無いから大丈夫」



そんなわけで私達は放課後コンピュータールームに集まった。


二つあるコンピュータールームのうち一つは部活で使われているがもう一方は一般の生徒達に開放されているのだ。


あまり使われていないのか試験前だからか人はまばらで私達は空いた席に着いた。


私とは違い鈴木君はとても慣れた手つきで素早くキーを弾いた。



「陽だまりの影」と検索しただけでもざっと10万件近い件数がヒットした。



「ま、まさかこれから全部探す気!?」


「・・・・・何か美村に関連する言葉無いかな?」


「う〜ん・・・・」



閉館するまで私達はキーワードを打ち続けたがこれといったものには出会えなかった。



「また明日探してみよう・・・・家でも探してみるよ」


「うん、私も携帯で見てみる」



そう言ってこの日は分かれた。


でも一人ではとても探せる気にはならなかった。



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