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ハッピーポイント集めます〜わたしの余命は49日!?〜  作者: 天咲リンネ


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18/24

18:おめかしデート?

 次の日、午後六時半。

 わたしはハンドバッグと百貨店の紙袋を持って、自宅近くの通りに立っていた。


 フリルのついた赤いワンピースに、白い靴。

 セミロングの髪は後ろで緩くまとめて、大きなリボンを結んでいる。


 なんでこんなにおめかししてるのかって?

 それは、たまたま早く帰ってきたお父さんに「天宮くんとデートするなら、めいっぱいおしゃれしなさい!」って言われたからだよ。


(デートじゃなくて、大久保食堂にご飯を食べに行くだけなんだけどなあ。やっぱり、天宮くんと付き合ってるって言っちゃったのは間違いだったかな。お母さんは固まっちゃったし。お父さんなんて、泡を吹いて倒れちゃったし)

 つま先に花の飾りがついた靴を見下ろして、わたしはため息をついた。


(こんなことになるなら、ただのクラスメイトで押し通すべきだったのかな。でも、「なんで毎日のように天宮くんと出かけるの?」ってしつこく聞かれるんだもん)


 そのとき、黒塗りの高級車が、わたしの目の前でとまった。

 運転席の扉が開き、スーツを着た運転手さんが歩いてくる。


「お待たせいたしました、倉地様。どうぞ、お乗りくださいませ」

 運転手さんはうやうやしく頭を下げて、わたしのためにドアを開けてくれた。


(ひゃーっ! 大人に頭を下げられて、倉地様とか言われると、お嬢様になった気分!)


 ハッピーポイントを集め始めてから、天宮くんの家の車に乗せてもらうのはこれで十回目だ。

 でも、大人にお嬢様扱いされると、やっぱりテンション上がっちゃう!


「ありがとうございます。お邪魔します」

 運転手さんにペコリと頭を下げてから、後部座席に乗り込む。

 後部座席の奥には、私服姿の天宮くんが座っていた。

 フード付きのパーカーに、爽やかな水色のシャツ。

 紺色のズボンと、ブランドのマークが入った靴。

 やっぱり天宮くんって、センスがいいなぁ。

 まあ、イケメンはなにを着ても似合うんだけどね!


「こんばんは、天宮くん。学校ぶりだね……って、どうしたの?」

 天宮くんはわたしを見て、目を大きくしている。


「……いや。ずいぶん気合入った格好してるから、驚いただけ」

「ああ、これ。天宮くんと出かけるならおしゃれしなさいって、お父さんに言われたの。やっぱり変、かな?」

 シートベルトを締めながら、わたしは不安になって聞いた。


「そんなことない。その……よく似合ってる……と思う」

 天宮くんは窓の外を見て、小声で言った。


「えっ」

 顔がポッと熱くなる。


「月都様。せんえつながら、そこは『可愛い』とはっきりおっしゃるべきかと」

 運転席で、運転手さんがすました顔で言った。


「うるさいぞ、冴島さえじま。ムダ口を叩くひまがあったら、とっとと発進させろ」

 天宮くんは運転手さん――冴島さんを、ジロリとにらんだ。

 ひえっ。天宮くんってば、大人相手に、えらそう!


「失礼いたしました。それでは発車いたします」

 冴島さんがアクセルを踏んで、静かに車が走り出す。


「やっぱり、ハクはいないんだね」

 見回しても、天宮くんの近くに白い光の玉は浮かんでない。


「ああ。あれから一度も帰ってない」

「そっか。なにしてるんだろうね。早く帰ってこないかな。前みたいに困ってる人、教えてほしいんだけどな……」

 ハクがいなくなってからも、ハッピーポイント獲得の通知は来るし、アプリのポイント数もきちんと変動してる。

 でも、ハクからのメッセージはぱったりこなくなっちゃったの。

 おかげで、困ってる人は自力で探し出さなきゃいけなくなった。

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