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ハッピーポイント集めます〜わたしの余命は49日!?〜  作者: 天咲リンネ


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14/24

14:王子様にして、完璧な人

 1組の教室に入ると、紗彩ちゃんがいた。

 自分の席に座って、ブックカバーのついた本を広げている。

 教室にいるのは、紗彩ちゃんと数人だけ。

 天宮くんはまだ登校してないみたい。好都合だ。


「紗彩ちゃん、おはようっ!」

 わたしは自分の席にカバンを置いてから、紗彩ちゃんに駆け寄った。


「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど!」

「おはよう……どうしたの、そんなに慌てて」

 紗彩ちゃんは驚いたような顔をして、本を閉じた。


「あのね――」

 黒い傘を差した女子が言ってたことは本当なの?

 小学校では、王子様だったのは旭くんのほうなの?

 天宮くんって、旭くんの『おまけ』扱いされてたの?


 ――そんなふうに、聞きたいことは山ほどあった。


 でも、いざ聞こうと思ったら、言葉にならなかった。

 だって、紗彩ちゃんに聞くのは、なんだか違う気がするから。

 聞きたいことがあるなら、天宮くん本人に直接聞くべきじゃない?

 それに……『おまけ』なんてひどい言葉、冗談でも言いたくない。


「……ごめん。やっぱり、なんでもない」

 わたしは中途半端に開けていた口を閉じて、息を吐いた。


「予想はつくよ。天宮くんのことでしょ?」

「へっ? な、なんでバレたの?」

「風花ちゃんがわたしに聞きたいことっていったら、天宮くんのことしかないじゃない。この前の土曜日だって、遊ぼうって言ったのに、天宮くんとの約束があるって断られたし。あーあ。彼氏と遊ぶのが楽しいのはわかるけどさー。わたしとは全然遊んでくれなくなっちゃって、悲しいなー」

 紗彩ちゃんは頬杖をついて、わざとらしくため息をついた。


「ご、ごめん。でも、いまは本当に忙しくて……」

 ハッピーポイントを集めないと死んじゃうんだよ……とは言えない。


「また今度遊ぼう」

「また今度って、いつ?」

 紗彩ちゃんは眼鏡越しに、じろりとわたしをにらんだ。

 この前も、その前の週末も遊びの約束を断ったから、かなり根に持ってるみたいだ。


「うっ。6月は予定がつまってるから、7月……に……」

 言っていて、ズキリと胸が痛くなった。


 ――7月になっても、わたしは生きていられるのかな?

 100万ポイントを集められなくて、死んじゃうんじゃないのかな?


 弱気になっちゃダメだって何度言い聞かせても、不安で不安でしょうがない。


「……7月になったら、遊ぼうよ。最優先で予定を開けるから」

 わたしは無理やり笑顔を浮かべた。


「本当? 約束だよ!」

 たちまち、紗彩ちゃんは頬杖をつくのをやめて笑顔になった。


「話を戻すけどさ。天宮くんのことで、なにか聞きたいことがあったんでしょ? 一緒に遊ぶって約束してくれたことだし、いまなら特別になんでも答えてあげるけど。本当に聞かなくていいの?」

「……じゃあ、一つだけ。紗彩ちゃんの目から見て、旭くんって、どんな人だった?」

「うーん、そうだなあ。みんなは『太陽の王子様』とか言ってたけど。わたしの印象だと、天が二物も三物も与えちゃった『完璧な人』かな」

「完璧な人? どういうこと?」

 わたしはキョトンとしてしまった。

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