永遠と一瞬
一一レオニス様へ、
想いを告げた夜。
「……珍しいな」
「お前から来るとは」
闇の中。
黒月宮で待っていたノクティスが、
静かにそう言った。
「……レオニス様を助けたのは、
ノクティスなのでしょう……?」
そう尋ねると、
彼はしばらく黙り込む。
そして。
「あぁ」
低く、
静かな声が返ってきた。
「見殺しにしようかとも思った」
「そうすれば、
お前は俺だけのものになるからな」
胸が痛むほど、
苦しそうな声だった。
「……だが」
「お前のあんな顔は、
見たくなかった」
「俺は、
何よりお前の幸せを願っている」
そう言って、
ノクティスは目を伏せる。
その姿が、
あまりにも寂しそうで。
私は静かに口を開いた。
「……私は、
レオニス様を愛していると気付いてしまった」
ノクティスは小さく息を吐く。
「……そんなもの」
「お前が気付いていなかっただけだ」
「流れてくる感情で、
とっくに分かっていた」
そして、
ゆっくりとこちらへ近付いてくる。
「……それでも、
お前が欲しい」
「だから俺は、
あいつを愛したお前ごと愛そう」
「永遠に」
そう言って、
ノクティスは私を抱き締めた。
彼の右手が顎へ触れ、
そっと顔を上げさせられる。
紫水晶のような瞳と、
視線が絡み合った。
「あいつの命など、
俺たちにとっては一瞬だ」
「小僧はすぐ老いる」
「……それでもいいのか?」
その問いに、
胸が締め付けられる。
「……結婚は決まっているの」
「それに、
もうこの気持ちを無かったことにはできない……」
ノクティスは、
ひどく苦しそうな顔をした。
まるで。
永遠を生きる彼が、
初めて失う痛みを知ったかのように。
「……一瞬だ」
「どちらにせよ、
お前は俺から離れられない」
そう言って。
深い深い闇へ溶かし込むように、
何度も何度も口付けが落とされる。
レオニス様を愛している。
……でも。
私は、
ノクティスを拒めなかった。




