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光の蝶
白夜王国へ帰る日がやってきた。
見送りに来ていた王族達の中に、
ミスティリアの姿は無い。
……少しだけ、
胸が痛んだ。
馬車へ乗り込もうとした、
その時だった。
光の蝶が、
一匹、
また一匹と、
俺の横を通り過ぎていく。
……いや。
どうやら、
あれが見えているのは俺だけらしい。
導かれるように視線を向けると、
王城の窓辺に、
ミスティリアの姿があった。
月光のような銀髪を揺らしながら、
彼女は静かに手を振っていたのだ。
氷のような白夜王国の王子。
人々は、
俺をそう呼ぶ。
……だが。
彼女のことを考えると、
炎のように胸が熱くなってしまう。
いつか、
彼女と結ばれる日は来るのだろうか。
……いや。
たとえ結ばれなくてもいい。
ただ、
彼女へ穏やかな幸せが訪れてくれれば。
――それだけで、
良かった。




