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月蝕の花嫁  作者: 紫苑ユリ
月蝕の王
29/94

白薔薇の王子

初めてだった。


エレノア以外の者に、

話しかけられたのは。


その人は、

隣国・白夜王国の第一王子、

レオニス様。


白くて、

氷のような人。


前に、

ルクシア城の白薔薇を見せてくれると、

そう仰っていたわ。


……でも。


どうしてそんなにも、

苦しそうなお顔で私を見るの?


私は静かに口を開いた。


「……時期に、

白薔薇の季節ですね」


その瞬間、

レオニス様は目を大きく見開かれた。


「……覚えて、

いたのですか……?」


……あぁ。


この人も、

“私が変わってしまった”

と思っているのね。


「もちろん」


「楽しみにしていましたから……」


すると、

レオニス様はゆっくりと私の前へ跪き、

静かに仰ったの。


「ミスティリア様」


「……少し、

お話をしませんか」


私には、

彼の気持ちが分からなかった

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