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月が割れた日
我らが暮らす世界――
星幽界。
人間界と重なり合う、
精霊達のみが存在を許された“世界の裏側”。
人間達は知らない。
その足元にも。
空にも。
水にも。
あらゆる場所へ精霊が息づいていることを。
だが、
精霊が人前へ姿を現すことは滅多にない。
……ましてや。
精霊王達が人間界へ降り立つなど、
本来あり得ぬこと。
――だが、
ミスティリアは別だった。
あの子が産声を上げた瞬間、
星幽界そのものが共鳴したのだ。
月が震え、
六つの領域が光り輝いた。
精霊達は皆理解した。
“月を継ぐ者”が現れたのだと。
……しかし、
あの日。
月が割れた。
全属性を宿すミスティリアが死んだことで、
世界は崩壊しかけたのだ。
星幽界には、
属性ごとに六つの領域が存在する。
だが、
その全てが暴走を始めた。
炎は世界を焼こうとし、
海は溢れ、
雷は空を裂き、
氷は命を閉ざし、
光すら均衡を失った。
……あの子は、
世界の核だったのだ。
――やはり。
あの時、
契約を結んでいれば。
そして我らは、
ミスティリアへ新たな命を授けた。
“月蝕の王”
として。
……たとえ、
あの子自身がそれを望んでいなかったとしても。
星幽界のイメージ画像
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