世界が闇に染まった日
ミスティリア様が、
月蝕の空へ消えた瞬間。
大陸中が、
深い闇に包まれました。
光は失われ、
空から星すら消え去ったのです。
まるで世界そのものが、
嘆いているかのように。
しばらくして、
ヴァルディオス国王、
セレスティア妃、
ルシエラ様、
そしてアレス様とレイン様達が、
月影の塔へ姿を現されました。
ルシエラ様は、
どこか恍惚とした表情で仰います。
「……やったのね」
「やっと、
あの忌み子を殺せたのね……!」
――ですが。
ミスティリア様は、
六精霊王が忠誠を誓った存在。
“真の王”
と認められたお方でした。
精霊王達が、
怒っておられるのです。
世界から光を消し去ってしまうほどに。
それは、
この世界に未来など存在しないのではないかと、
思わされるほどの絶望でした。
そして、
月影の塔へ現れた六精霊王達は、
口々に告げたのです。
「愚かで哀れな人の子よ」
「……人間はまた間違えた」
「世界を壊してしまおう」
「まずはこいつらから」
「簡単には終わらせない」
「あの子の苦しみに比べれば……」
その時でした。
「……だが」
「それは、
あの子が望むことなのだろうか」
静止を掛けたのは、
闇の精霊王ノクティス様。
その紫色の瞳は、
静かにミスティリア様を見つめておられました。
そして、
ノクティス様は静かに宣言されたのです。
「――新たな生命を授けよう」
「月蝕の王として」
「貴女は、
王になることを望まなかった」
「だが」
「この世界から失うには、
惜しすぎる」
「……精霊王達よ」
「準備は出来ているか」
「今ここで、
ミスティリアと六精霊の契約を結ぶ」
浮かび上がる巨大な魔法陣。
六つの光柱。
そして、
ミスティリア様を囲む六精霊王達。
その神々しい光は、
大陸中へ降り注ぎ、
後に“月蝕の日”として語り継がれることとなります。
――次の瞬間。
ミスティリア様の胸が、
小さく上下したのです。
息を、
吹き返されたのでした。
……ですが。
そこにいらしたのは、
かつてのミスティリア様ではありませんでした。
濡鴉のような黒髪も。
憂いを帯びた、
紫水晶のような瞳も。
もう存在しなかったのです。
月光と星屑を散りばめたような銀髪。
そして、
儚い光を宿す黄金の瞳。
私は、
安堵と共に悟ってしまいました。
――もう、
あの頃のミスティリア様ではないのだと。
登場人物のキャラデザインは
インスタグラム、Xにて公開中です。
より世界観に没入できるかと思いますので
是非ご確認お願いします。
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