第6話 行方不明の娘を探していたら最悪な再会を果たした件
「……なんか、勝てる気がしないんだけど。」
アリストラは、後方で弓矢を連射していた。
しかし、吹雪の騎士団は、矢が刺さろうとびくともしない。魔法で吹き飛ばされても立ち上がる。
その上、剣術も見事だった。味方の兵は、どんどんその数を減らしていく。
先頭にいた白毛のマントは、カインだろう。囲まれていたが、それを倒し、王女めがけて剣を振る——
「こんなところで会うとは、カイン王子。」
王女を守りカインの剣を受けたのは、クレマチスだった。
狙いを変えた王子は腕を引き、鋭い突きは騎士の剣を砕いた。
トドメの一撃を振り下ろす二人の間に、リリアーナが滑り込む。
「こんなところで会うなんて、奇遇ですね。」
銀髪の騎士は剣を突き上げ、それは肩を突いた。よろめいたところを連打して、次の隙を狙う。
ジャリジャリと、王子の足は、地面を擦る。
「テッセン卿、あなたが死んでは困るのです。」
「幽霊の私には斬りかかったのに?」
その頭上を、ドラゴンが滑空していった。
戦場に炎を吹き付けるのを、ステラは魔法陣を傘のようにして防ぐ。
——ゴォォォォ
ジリジリと、轟音が耳を焦がす。
炎が空に跳ね返り、ドラゴンの翼がそれを舞上げ、オレンジに、その場が熱を帯びた。
「アリストラ、あれはなんのドラゴンなの。」
「ドラゴンの魔法は、瞳の色で判断するんですよ。」
「知ってるわよ、私が教えたんだから。」
そのドラゴンは、大きな翼と尻尾を振り、敵味方関係を蹴散らしながら城の扉の前にドンと着地した。
その背から、トンッと、赤髪の女が降り立つ。
ブワッと熱い風が吹いて、長身の、背中まである長い癖毛が逆巻いた。
「久しぶり、ステラ。」
「…………オリビア。」
ドラゴンの薄く開いた口から、残火がボウッと吐きでて、足元に灯りをつけた。
その瞳は、溶けた黄金のような光を湛えていた。
「……こんな瞳のドラゴンはいません。」
リリアーナは突きを躱して、カインの首を狙った。それは鎧に引っかかり、冑だけを打ち上げた。
「アリスー、カイン王子がなんか変なんだけどー。」
「なんでみんな俺に聞くの?」
じわじわと、地に立つ戦士の数は減っていた。しかし鳴り止まない剣戟と、鉄錆の匂い。
降り注ぐ火の粉の間に、フワフワと雪が迷い込んだ。絡み合い、地に触れる前に消えていく。
「……操られてるみたいだ。」
カインの瞳も、金色に光を宿していた。
読んでいただきありがとうございます。〜な件ものは、読んだことがなくて…。どういう意味なんだろう…。業務連絡…?




