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報仇の剣 -萬軍八極編-  作者: 熊谷 柿
第18章 雄光
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邪悪には毒

登場人物

介象かいしょう…………方士。干将かんしょう莫邪ばくや眉間尺みけんしゃくの三剣をびる。萬軍八極ばんぐんはっきょくの極主。

元緒げんしょ…………方士。介象の師であり、初代の介象。

娄乾ろうかん…………剣の手練者てだれあやかしの虎憑耳こひょうじしもべに持つ。曳影えいえいの剣をびている。萬軍八極の壱。

鄒兌すうだ……医のの生娘。妖しの月兔げっとを僕に持つ。萬軍八極の弐。

藺離りんり…………槍の手練者。妖しの火鼠かそを僕に持つ。萬軍八極の参。

韋震いしん…………双短剣の使い手。妖しの雷公らいこうを僕に持つ。萬軍八極の肆。

裴巽はいそん…………げきの手練者。妖しの飛廉ひれんを僕に持つ。萬軍八極の伍。

欧陽坎おうようかん…………矛の手練者。妖しの短狐たんこを僕に持つ。萬軍八極の陸。

花艮かごん…………まさかりの使い手。妖しの山操さんそうを僕に持つ。萬軍八極の漆。

丘坤きゅうこん…………美質な弓の名手。妖しの狻猊さんげいを僕に持つ。萬軍八極の捌。

貔貅ひきゅう…………萬軍八極が異界より召喚した戦闘に優れる妖し。萬軍八極の玖。


蚩尤しゆう…………邪神。

 飛翔する朱の玉の姿が、次第に別の形を成す。大きさはてのひらほどだった。じゃく――。

 咄嗟とっさ蚩尤しゆうは、胸元に合掌を三つ作った。念じる。

「――――⁉」

 何も起こらなかった。

 朱に輝く火炎に塗れた雀は、光速で蚩尤しゆう次次つぎつぎ穿うがつと、天に翔けた。

 蚩尤のからだが朱の業火に塗れた。

「ぐおお……」

 蚩尤が、野獣のような唸り声を立てた。

 すると――。

 その頭上から急降下して来たのは、火炎の翼を成した一体の巨大な朱雀すざくだった。

 ドオオオン――。

 蚩尤の肉躰にくたいが、見るも無残に溶け落ちている。

 漆黒の疾風はやてが迫った。眼にも留まらぬ閃光を蚩尤に浴びせ、馳せ過ぎた。

 業火に塗れた蚩尤の六本のかいなが、地に落ちた。

「か、介象かいしょうさま――⁉」

 萬軍八極ばんぐんはっきょくの声が重なると、蚩尤を包んだ業火が消えた。足許が覚束ない蚩尤は、立っているのがやっとに見えた。

 介象は、倒れた貔貅ひきゅうまで歩を進めると、その髪の中から小さな布袋を取り出した。それを手に蚩尤へ歩み寄った。おもむろに布袋を開けると、中に入っていた金色の粉を蚩尤へ振りいた。

 見る間に――。

 蚩尤のからだが、元に戻った。

「良いのじゃな?」

 眉間みけんに皺を寄せた元緒げんしょが、介象にただした。

 それに合わせ、眼をいた萬軍八極と貔貅は絶句した。

 蚩尤も同じ反応だった。

 邪払金粉じゃばらきんこ――。鄒兌すうだが調合した、邪悪には毒となる薬のはずだった。

「俺は、お前を封印などせぬ」

「…………」

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