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報仇の剣 -萬軍八極編-  作者: 熊谷 柿
第18章 雄光
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総力の攻防

登場人物

介象かいしょう…………方士。干将かんしょう莫邪ばくや眉間尺みけんしゃくの三剣をびる。萬軍八極ばんぐんはっきょくの極主。

元緒げんしょ…………方士。介象の師であり、初代の介象。

娄乾ろうかん…………剣の手練者てだれあやかしの虎憑耳こひょうじしもべに持つ。曳影えいえいの剣をびている。萬軍八極の壱。

鄒兌すうだ……医のの生娘。妖しの月兔げっとを僕に持つ。萬軍八極の弐。

藺離りんり…………槍の手練者。妖しの火鼠かそを僕に持つ。萬軍八極の参。

韋震いしん…………双短剣の使い手。妖しの雷公らいこうを僕に持つ。萬軍八極の肆。

裴巽はいそん…………げきの手練者。妖しの飛廉ひれんを僕に持つ。萬軍八極の伍。

欧陽坎おうようかん…………矛の手練者。妖しの短狐たんこを僕に持つ。萬軍八極の陸。

花艮かごん…………まさかりの使い手。妖しの山操さんそうを僕に持つ。萬軍八極の漆。

丘坤きゅうこん…………美質な弓の名手。妖しの狻猊さんげいを僕に持つ。萬軍八極の捌。

貔貅ひきゅう…………萬軍八極が異界より召喚した戦闘に優れる妖し。萬軍八極の玖。


蚩尤しゆう…………邪神。

 韋震いしん雷公らいこうの胸元から鮮血が飛び散る。

 その血飛沫ちしぶきの間を縫って、娄乾ろうかん蚩尤しゆうの首元を穿うがつような黒い突きを放った。

蒼頡そうけつは、貴様か」

 娄乾の黒い突きが二つの剣でね上がる。娄乾の空いた胸には、蚩尤の左の第二腕が伸びた。

 ドンッ――。

 鈍い音と共に、口から血潮を噴出した娄乾のからだが吹き飛び、地を転がった。

 蚩尤は、殺気を捉えた。その方向に六つの眼を向けると、離れたところから弓に矢をつがえた丘坤きゅうこんと四肢を備えた睥睨さんげいが狙い澄ましている。

「そんなものか、当代の萬軍八極ばんぐんはっきょくは……」

 蚩尤の面貌めんぼうに不敵な笑みが浮くや否や、その笑みが消えた。

「――――⁉」

 半透明に見える。横臥おうがした鄒兌すうだに覆い被さっていたのは、灰褐色に輝くあやかしのようだった。いや、気配からして妖しとは違う。神木の幹ほどもある大きさだった。神仙な霊山を連ねたような甲羅から、鹿の角のようなものを備えた蛇頭がくねっている。

 それは、まごうことなき、霊獣の玄武げんぶだった。

 眼覚めてはいない。しかし、玄武の中の鄒兌は、その傷が徐々に塞がっているように見える。

 ドッ、ドッ――。

 右の第一腕と二腕に何かが突き立った。蚩尤はそれに眼を向けた。二本の矢だった。

 そこへ――。

 白面に「鼻」の文字が歪んでいる。蚩尤の眼下から湧くように躍り出たのは、鬼のような形相ぎょうそう貔貅ひきゅうだった。嵐のような偃月えんげつ刀の斬撃が蚩尤を襲う。はやい。

 それにひるむどころか、応じるように二本の剣が舞った。

「――――⁉」

 大きな気配が寄せている。蚩尤は、後方を一瞥いちべつした。

 二本の剣を掲げた漆黒の影が迫る。

 たまらず蚩尤は、宙へ跳ね飛んだ。右の第二腕、その手の中指に人差し指を重ねた。

 スパンッ――。

 細剣の一閃。その手が斬り落とされた。見えたのは、軽々と宙へ跳ねた元緒げんしょだった。

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