俺はっ!強がりです・・・。
俺は陽の落ちた夕方、2人を追いかけた。
『・・・。』
言葉が出てこない。
どんな言葉も薄っぺらくなってしまうから。
沈黙の風が流れる。
『あ、あのっ!』
『何?』
花蓮は一言だけ返す。ううっ、話しづらい。
『何というか、さっきのは本音ではなかったんだ。本当は、作りたいんだ。』
夢美は、俯いている。
『何を作りたいのよ?』
花蓮は敵意というか、言葉が足りない俺にイラついているように見える。
『その同人誌を、作りたい。』
『作ればいいじゃない。』
むむっ、きつい。
『その、花蓮のイラスト、夢美のシナリオで一緒につくりたいんだ。』
『・・・。それで?』
夢美が口を開く。夢美さんもきついなあ、、俺が撒いたタネなのだから、仕方ない。
『その、さっきは悪かった。俺は、ひよってしまったんだ。智也達に、冷やかされて!同好会の紙もビリビリに破かれて・・・。でも2人の手前、強がってしまったんだ。こんな弱い自分をさらけ出すのが、恥ずかしかった。』
そう、人前では強くなくてはいけない。誰かにそう言われた訳ではない。しかしいつのまにか、いつの日からか弱さをさらけ出すなと、そう言われた気がしていた。誰も助けてはくれない、だから強くあれと。今日はそれをさらけ出してみた。
『・・・。まあ、単なるかっこつけね。』
『花蓮、悪かったよ。』
『別に。それがヒデなんでしょ。でも、今日はそれをさらけ出したんでしょ。だったら私もさらけ出すわよ。私は口が悪いから。』
『そうか。夢美も、悪かったな。』
『・・・。ちゃんと作るって約束して。同好会と同人誌を。』
いつもの夢美ではない。これもまた夢美なんだろ。
『ああ、今度は逃げないよ。ちゃんと同好会の申請を出すよ。』
『私達も一緒に行こうか?』
夢美は尋ねる。
『いや、俺1人で・・・。』
『ダメよ。強がらないで、ヒデ。』
花蓮が言い放つ。
『バレたか。』
苦笑する。
『じゃあ一緒に、ついてきてくれよ。花蓮、夢美。』
今度こそ、同好会を作る。3人で。




