↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【暴力】で全てを破壊する転生悪役令嬢、精霊の加護が全ての世界で婚約破棄される  作者: 殿海黎
第二章 辺境浪漫編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/76

第三十三話 ヘラるギルマス




 魔の樹海での活動を終え、ギルドへと帰還したクリスとカノン。


「お帰りなさいませ、クリスさん♥」


 いつも通り、ウキウキで迎えるフロリーナ。



「なんか……こうも対応が違うっていうか、無視までされるといっそ清々しいな」


「お褒め頂き、ありがとうございます」


「褒めてねェ、嫌みだよ嫌み!!」


「はて?」


 カノンの嫌みが通じてない様子で、首を傾げるフロリーナ。



「――苦労してるみたいだな、カノン」


 言って、姿を見せたのはギルマスであった。



「クリスの嬢ちゃんに加えて、様子のおかしいフロリーナまで相手するのは大変だろう?」


「あぁ……ギルマスが理解してくれるだけでもありがてェよ……」


 何やら共感しあう二人。



「それに、修行も随分頑張っているみたいだし、強くもなった。


 昔とは見違えるぐらいだよ」



「いやいや昔って……ギルマス、アタシの戦うところなんかほとんど見たことねェだろ?」


 カノンは疑問に思い問うが、ギルマスは言葉に詰まる。



「ああ……いや、ここで言うのもな。


 まあ、ざっくり言うと、気配遮断の魔術を見破るぐらいなら、オレぐらいのレベルになると普通に出来るってワケよ」



「――は?」



 ギルマスから、思わぬ角度の言葉をぶつけられて、混乱するカノン。


 気配遮断の魔術に言及するということは……つまり『邪道』として活動していた頃の、暗殺者としてのカノンの姿を知っているということにもなる。



「一応言っとくが、これでもオレ、ギルマスだからな?


 嬢ちゃんが来るまでは、辺境で最強の人間だったんだぞ?


 気配遮断の魔術ぐらい、見破る術はいくつも持ってるさ。


 まあ、それでもカノンの場合はかなり苦労したほうだけどな」



「えっと、あの……その、ですね?」


 突然のことで、あまりにも混乱し過ぎて、ワタワタと何を言うべきか迷うカノン。



「ああ、安心しろ。


 今更お前の昔の活動についてとやかく言うつもりは無い。


 殺ってきた相手も相手だし、オレだって人の事を言えないぐらい、殺して来てる。


 これでも帝国革命期を生き抜いた人間だからな、気分の悪い人殺しだって、何度も経験したさ」


 気遣うようなギルマスの言葉を受けて、ようやく落ち着きを取り戻すカノン。



「んじゃまあ……お言葉に甘えさせてもらいます」


「おう、気にせず今後は真面目にやりな」



 ポン、とカノンの肩を軽く叩くギルマス。



「ふふ、カノンさんはおっちょこちょいですね。


 他にも気付いてる人はいると思いますから、普段から気を付けておいた方がいいですよ?」


 と、ここでフロリーナまでカノンの正体に気づいているかのような口ぶりで話す。



 これにカノンは目を見開いて驚き、ギルマスの方を見つつ、フロリーナをずいっと指差すが、ギルマスは首を横に振る。


「話すわけねぇだろ。


 フロリーナに関しては考えるだけ無駄だ、忘れとけ。


 それにコイツが言うほど、知られてるわけ無いから安心しな」



「よ、良かったぁ……!」


「んー?」


 胸を撫で下ろすカノンと、納得していない様子のフロリーナ。



「……しっかし、ギルマスってホント良いヤツだよな。


 変な説教とかもしねェし、優しいし、人の秘密を言いふらさねェし。


 クリスに扱かれてボロボロになってる時も気遣ってくれるし、マジで理想の上司って感じだよな?」


 カノンは同意を求めるように、クリスとフロリーナへ視線を向ける。



「気遣いの出来る、素敵なおじさんですわね」


「ふむ、こういうおじさんが優しい人って言われるんですね……私、覚えました!」


 同意してくれるクリスと、意味不明なことを言い出すフロリーナ。



「――だったら、良かったんだがなぁ」


 だが、当のギルマス本人が、納得していないかのようにボヤく。



「オレなんか、優しくないさ。


 中途半端で臆病で……人様の不幸から目を逸らすことも、直視することもできないだけの未熟者さ」


 嘆くように、懺悔するかのように言ってから、ギルマスは奥へと引っ込んでいく。




「……え、急にヘラるじゃん。


 なんで?」



 困惑し、驚くカノンであった。

☆一口メモ☆


現実のメンヘラおじさんには需要が無い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。





☆Narrative Worksの新連載!☆

【暴力】で全てを破壊する転生悪役令嬢、精霊の加護が全ての世界で婚約破棄される
著者:殿海黎



☆書籍化・コミカライズ作品☆
無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する-仕事が回らないから戻れと言われても今更もう遅い、SSS級冒険者として自由に生きていきます-
著者:桜霧琥珀

クラス転移に巻き込まれたコンビニ店員のおっさん、勇者には必要なかった余り物スキルを駆使して最強となるようです。
著者:日浦あやせ



☆Narrative Worksの連載作品一覧☆

異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?
著者:亦塗☆さくらんぼ

盾持ち令嬢の英雄譚
著者:雨降波近

蒼炎の英雄-異世界に勇者召喚された少年は、スキル『火傷耐性』を駆使して成り上がる-
著者:稲枝遊士

吸血鬼な悪役令嬢に転生した私がSSS級国際指名手配犯となり最強チートスキルで婚約破棄王子や元クラスメイトの勇者などを倒していくお話
著者:稲枝遊士

ツルギの剣
著者:稲枝遊士

ゴブリン・コンバット-異世界のゴブリンに転生したので、地上最強の生物を目指してみようと思う-
著者:殿海黎

池袋ボーイズ(大嘘)
著者:亦塗☆さくらんぼ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。