↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【暴力】で全てを破壊する転生悪役令嬢、精霊の加護が全ての世界で婚約破棄される  作者: 殿海黎
第一章 令嬢逃亡編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/37

第四話 初めての街歩き




 近頃は随分と健康になり、屋敷の敷地内を自由に出回る許可が出たクリスティーナ。


 そんなクリスティーナが、ある日の夕食の席にて。



「おとうさま! おかあさま! 街を見てみたいのですわ!」



 姿を見せた途端、そんなことを口走るクリスティーナ。



「あら、どうしたのかしら?」


「クリス、まずは席に座りなさい」


「あっ、そうでしたわ!」


 父に促され、席に着くクリスティーナ。



「では――。遍く世界を見守る天と地の精霊王よ、その慈しみと恵みに感謝します」


「かんしゃしますわ!」



 祈りの言葉を捧げてから、食事を始める。


 そしてクリスは、手を付けるよりも先に、途中になった話の続きを語る。


「わたくし、ようやく元気になってきましたので、そろそろ領地のみなさまがどのようにくらしているのか、知りたくなってきたのですわ!」



「成る程、街を見てみたいというのはそういうことか」


 納得したように頷く父。



「では、馬車と視察先の手配をしましょうか」


 母が言うと、しかしクリスティーナは首を横に振る。


「いいえ、おかあさま。わたくし、じぶんの足でまちを見たいんですの!」



 この言葉に、父と母は二人共首を傾げる。


「自分の足で、とは?」



 これに、クリスティーナは答える。


「だいじな場所も、そうでない場所も、ぜんぶ自分の目で見たいんですの!


 ですから、騎士もメイドも不要です、わたくし一人であるいてまちを見たいのです!」



 この言葉には、顔を顰める二人。


「それはいけません、一人で街を歩くなど、さすがに危険すぎます」


 母が言い、父も同意する。



「私も同感だな、クリスティーナ。


 せめて騎士を一人だけでいいから連れていきなさい」


 クリスはこの言葉に、不満げな表情を見せるものの、交渉の余地は無いと悟る。



「はぁい、わかりましたわ」


「うん、素直なのは良いことだ」


「では、後日街へ視察に出られるよう手配をしておきましょう。


 こうして、父母の了承を得たことで、クリスティーナの初めてのおでかけが決定したのである。






 後日、クリスティーナは騎士一名を連れてブーケンシャー領都へと出かけていた。


「ほわ~、めっちゃ発展してますの!」


「アハハ、お嬢様は街に出てくるのは初めてですもんね、すごいもんでしょう?」


「ええ、とってもすごいのですわ!」



 お付きの騎士と共に街の大通りを歩きながら、クリスティーナは周囲を見回す。


 煉瓦造の立派な建築物が、整然と立ち並ぶ町並みに、馬車が何台も同時にすれ違ってまだ余裕のある大通り。

 町並みを彩る街路樹、往来を行き交う人々、そして彼ら彼女らを相手に呼び込みを掛ける屋台。


 単に美しいだけでなく、賑やかで、豊かな街であることが見て取れる光景であった。



「お~い、そこの騎士さん!


 こいつを貰っといてくんな!」


 そんな声が屋台の方から聞こえると、赤い色の果実が騎士に向かって投げ込まれる。



 騎士はこれを受け取ると、声のした屋台の方に呼びかける。


「ありがとう、でも今日はもう一つくれると助かる!」


「もう一つ……っておい、隣にいるのはクリスティーナお嬢様じゃあないか!!」



 屋台の店主が気付いたように声を上げると、辺りの人々も一斉にクリスティーナの方を向く。


「おお、マジじゃねえか!」


「姿絵とそっくりそのままね!」


「本当に可愛らしくて、素敵なお方だわ!」



 街の人々は、そんな声を口々に上げ、注目する。


「わ、わたくしのことをみんな知っていますの?」



 困惑するクリスティーナに、騎士はニコリと笑って答える。


「ええ、お嬢様の姿絵があちこちの公的機関に飾られておりますからね。


 下手をすれば、御領主様よりもずっとよく知られておりますよ」



 見ず知らずの人々によく知られている、という不思議な感覚に、そして向けられる敬愛の感情に、むず痒くなるクリスティーナ。



「お嬢様、こちらの果実もお召し上がり下さい!」


「俺のところのパンも美味いですよ!」


「お飲み物はウチの喫茶店のものをどうぞ!」



 よって集って、クリスティーナに貢物をしていく人々に、アワアワと慌てるクリスティーナ。


「あ、ありがとうございますわ!」


 そして馬鹿正直に、渡されるものを全て受け取る。



「ぐ、ぐぬぬ……!」


 そうして、両手いっぱいに抱えられた貢物で、身動きが取れなくなってしまう。



「あはは、お嬢様、私も半分持ちますよ」


「た、助かりますわ……!」


 騎士の助け舟が入ったことで、ここでようやく、一人で街に来なくてよかった、と思うクリスティーナであった。

おいお前ら、クリスティーナお嬢様がいらっしゃったぞ!(貢物を抱えながら)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。





☆Narrative Worksの新連載!☆

【暴力】で全てを破壊する転生悪役令嬢、精霊の加護が全ての世界で婚約破棄される
著者:殿海黎



☆書籍化・コミカライズ作品☆
無能は不要と言われ『時計使い』の僕は職人ギルドから追い出されるも、ダンジョンの深部で真の力に覚醒する-仕事が回らないから戻れと言われても今更もう遅い、SSS級冒険者として自由に生きていきます-
著者:桜霧琥珀

クラス転移に巻き込まれたコンビニ店員のおっさん、勇者には必要なかった余り物スキルを駆使して最強となるようです。
著者:日浦あやせ



☆Narrative Worksの連載作品一覧☆

異世界チーレム転生できたけど、ヒロインが全員ギャグ漫画の世界の登場人物なんだが?
著者:亦塗☆さくらんぼ

盾持ち令嬢の英雄譚
著者:雨降波近

蒼炎の英雄-異世界に勇者召喚された少年は、スキル『火傷耐性』を駆使して成り上がる-
著者:稲枝遊士

吸血鬼な悪役令嬢に転生した私がSSS級国際指名手配犯となり最強チートスキルで婚約破棄王子や元クラスメイトの勇者などを倒していくお話
著者:稲枝遊士

ツルギの剣
著者:稲枝遊士

ゴブリン・コンバット-異世界のゴブリンに転生したので、地上最強の生物を目指してみようと思う-
著者:殿海黎

池袋ボーイズ(大嘘)
著者:亦塗☆さくらんぼ
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。