エンドの始まり、それぞれのつづき
今回は前回の続きで、サバゲ―オンリー編です。
不良に絡まれ、それに迷惑していた主人公美星。やっぱり「物理的なケンカはよくない」ということで、ヒロイン月路の提案でサバゲ―勝負で、決着をつけることになりました。そう今回はそのサバゲ―編。主人公たちはどんなバトルをして、勝負はどうなるか?戦いが終わった後、彼らは何を思うのか?それぞれのバトルをご覧ください。
そして次回はまた、通常編に戻ります。
こうなったのも俺の責任なので、まずは一番最初に俺が車の中に入った。
後部座席の一番奥に誰かいた。
月路?
ちゃんといた。
そして、外にいたはずのナノカは…いつの間にか消えていた。
「ああ、あの子ですか?もうすぐ“お目覚め”の時間ですので。」
と八木さんはそうは言うものの…
やっぱり、俺含めここに無理やり集められた全員は何も納得はしていないようだった。
「いつも通りでございます」
というか呼び出しておいて、約束の時間のギリギリまで起きられないってなんだよ!?
ていうか夕方の今、寝てるって?どういう生活してるんだ?こいつは?
「ね?美星?その子誰?」
車に乗っている間ずっとこうだった。
他校生は月路だけで、顔見知りも俺しかいない。
せめてnineアドレス(連絡先)だけでもわかればいいのだが、こいつは絶対にそれを教える気配はなかった。
そしてサバイバルセンターについた。
「終了し次第、連絡するように伝えてあります。その時にロビーまでお迎えに伺いますので、私はここで休憩をとらせていただきます。」
一応、八木さんの連絡先は月路が握っているのか。
スマホ持ってるなら、あとできっちり、その連絡先とやらは教えてもらうからな!
今、17時57分…
月路はまだ車の中で寝ている…。
18時には起きるから起こすなとのことだが…起きるかどうかも怪しい…。
そして…
「おい!来たぞ!お前の仲間はそいつらか?」
不良が来た。
遅れてくると思ってたが、意外と几帳面だった。
「お前のいつものあの金髪女は来ないのか?」
という問いに「まだ、車の中で寝てる」だなんて、とてもじゃないけど言えない。
「美星!あんたまた!?」
「うるせぇな。いいかげんお前に言われる筋合いねぇよ。」
「あんたはよくても日芽子先生にはなんていうの?」
真理に耳元でそれ言われて、俺は何も返せなかった。
「だいたいお前、気が付けば毎回違う女連れてて、マジうぜぇんだよっ!」
「は?」
「それで今日も違う女。今回のは、垢ぬけてるわけじゃないが悪くねぇじゃんか。」
「こいつが…女…?ってマジ?」
「ちょっと!あんたたち!マジ私に失礼よ!」
不良は俺らのことを見て何を思ったのか?
「やっぱりお前、なんかムカつくわ!」
でた!不良の意味不明な「お前ムカつく」発言!
「まぁあの金髪の女はお前の…」
と不良のリーダーが言いかけたとたん。
「おまたせー!」
気が付いたら、月路が俺らの間にしゃしゃってきた。
「さぁ行くよ。」
不良が連れてきたのは…明らかに化け物級のマッチョなおっさん二人。
そしてスタイルだけは抜群な女が一人。月路いい勝負だ。
「ねぇねぇその子たちがルナたちの相手?」
相手の女。顔は人並みの割に声が異常にかわいくて、あくまで私が一番かわいいですと言いたげな感じだが、その口調がタレントの佐藤珠世っぽくて、あまりにも軽薄すぎて俺は好かん。
それに…
「一応、5人と指定したはずだけど…なんでそっちはそんなに多いの?」
と月路もそこについてはきちんと話し合おうとしていたが…
あいつらはただただニヤつくだけで、まともに取り合わない。
それに今回は子供同士のはずなのに、大人が混じってないか?
「別にいいじゃん♪ルナのパパー、サバゲーうまいんだもん♪」
どうもおっさんのうちの一人はこの女の父親らしい。
「というか、そっちだって6人じゃん。」
「あの、私はただの見学…」
「まぁいいじゃん!一人や二人増えたって。結局場所はすでに借りてるわけだし。てかその子もやればいいじゃん。」
「え…?ちょ…」
真理は困っていた。
「それに人数が不平等いうなら、そっちのチームのうちの一人が、5分後に敗者復活できる形でいいのでは?」
とルナが提案してきた。
「はい決定!」
結局、そのルナに全部仕切られてしまった。
そして結局、真理も無理やり参加することに…
「ちょっとぉ…どうするのよ…。私…マジで何もできないのに…」
サバセンで借りた迷彩服。
なのにボトムはピンクのスカート。
そのアンバランスな格好で、真理はでかいマシンガンを抱えていた…。
「いい。一般ルール通り、当たったら「ヒット!」と大声で叫んで退場するんだよ。」
参加者名簿は以下の通り
赤チーム
ツキジ ミホシ センパイ マリちゃ ツヅくん エンドゥ(2)
黄チーム
リーダー ザコっち シタッパ パシリン ルナ パパ アニキ
参加者13名+1
ちなみにこの名前、全部ゲーム用の登録名だ。本名とは別だ。
一応、俺たちの人数が一人足りないため、くじ引きで遠藤が敗者復活でよみがえることができることに決まった。つまり+1とは遠藤復活のこと。
正直、相手の実力的には、月路が敗者復活者になってもらいたかった。
「ねぇ?これ、どう撃てばいいの?」
こんな時に真理からの質問で、この後とんでもないことになってしまった。
「ここをこう引いて、ここに引っ掛けて打つ!」
と月路が真理に説明していたら、
「開始!!」
いきなり開始の合図が始まった。
その時だった。
ダダダダダダダダダン……
「キャ――――――――っ!!」
銃声と共に真理の悲鳴が響き渡っていた。
周囲は、複数のマシンガンの銃声でうるさかった。
ゲッ?これ?月路が真理に説明しているうちに月路やられたとか…?
「いったいわね―――っ!!!」
「てか、それは俺のセリフだっ!!」
「なんだこの女!?できないとか言ってブリッコか!!?」
真理が撃った弾に命中したパパとアニキの二人が口々に文句言っていた。
そこでいきなり審判が現れて…
「はい!3人とも退場ね。」
「パパ…」
「…えっと、パパさん、アニキさん、マリちゃさん?じゃなくて波地真理さん、アウト!」
赤チーム
生存者 ツキジ ミホシ センパイ ツヅくん エンドゥ(2)
退場者 マリちゃ
黄チーム
生存者 リーダー ザコっち シタッパ パシリン ルナ
退場者 パパ アニキ
残り10人+1
は?一気に3人退場って?
それも、敵側の強力助っ人として連れてきた大人二人が一気に退場って?
「真理ちゃんナイスー!」
と月路はそれだけ言って、そのまますごい勢いで逃げていった。
やっべぇ俺も逃げないと…
「てか…」
「ここは普通、女の子を守るもんじゃないのっ!」
と真理が大声でわめいていたが知るか!
このゲームに男も女もあるか!
生き残った者の勝ち!そういうゲームだ!
真理には申し訳ないが、それが最初からやる気がなかった者のさだめだ。
悪く思うな。
しまったなと思いながら俺は逃げた。
あのまま月路についていけばよかった。
でも真理の暴走で全部狂った。
俺はもう一人だ。
ダダダダダダダダ……
微妙に銃声が聞こえてきた。
多分、どこかでバトルが始まっている。
「佳久そっち!」
ん?佳久って???都築のことか?
でその都築のことを指示してたのは…
「いい?多分あの低木当たりを狙えば、誰かいる。」
月路だった。
待って、その低木に隠れてるのって…
「待ったぁ―――!俺だ!打つな!!」
と言ったとたん…
「なんだ美星か…」
「お前、こういうバトルになるとマジで容赦ないな」
確かこいつ、全然違う方向に走って逃げていったはずだけど、それでもこうして合流できたことはラッキーだ。
「お前ら、ずっと一緒にいたのか?」
「…いや、あの…ちょっと前に、いきなりそこでぶつかって…」
都築はなぜか顔が真っ赤だ…
これなんかあったな…
「もう!何いつまでもそんな反応してるんだよ!?」
「え?でも…その…」
「そんなことで、いちいち赤くなるな!」
って?何があったんだ?こいつら?
ああでも推定DT都築じゃ、ただ単にぶつかっただけのラッキースケベで、後を引くいうのも分からんでもないな。
それにしても、いつの間にか都築のことを下の名前で呼ぶようになっていたとは…
今回で俺目線、都築は油断ならない奴と見た。
「音がする!何か来た!」
え?こいつ何者だ?
俺には何も聞こえなかったぞ!!
「伏せて!」
俺は月路に無理やり身体を地面に伏せさせられた。月路は俺に覆いかぶさる感じで自分も伏せていた。
ダダダダダダダダ……近い
「うわっ…」
ダダダダダダダダ……
都築も一応、打ち返していた…
が…
「痛っ…」
都築は当たってしまったらしい…
「ヒットです!!」
都築は降参していた。
「ごめん、佳久。」
「仕方ないですよ…」
「逃げるよ!美星!」
「ごめん都築!」
「がんばってください…」
俺たちは非道だが都築をその場において、すごい勢いで逃げた…。
「都築佳久アウト!」
残り9人+1
ああもう、月路以外で一番あてにしていた人物が早々に退場とは…
せめて運動神経の関係で都築に命が二つあればよかったのに…その特権を勝ち取ったのは運動神経がイマイチな遠藤…。
それでもまだ遠藤は一度も殺されていない。そこだけは救いだ。
「ハァハァ…」
「ここまで逃げればどうにかなるっしょ」
相変わらず、こいつは息切れ一つしていない。
「お前、都築となにがあったんだよ?」
そこはすごい気になった。
「え?ただ単にほっぺたに顔がくっついただけ。」
「は?それって…」
「もう!それ以上野暮なことは聞かないで!そんなこと幼稚園児でもすることでしょうがっ!」
「は?幼稚園児でもすることって?なんちゅうませたクソガキなんだぁー!?」
「は?その年で経験人数5人以上のお前に言われたないわっ!!」
は?今なんて?ていうか、なんでお前がそれ知ってるんだ?
俺は思わずそこまで言い返されてしまって、言葉も出なくなっていた。
そして月路も、そこで黙ってしまっていた。
何で月路が黙っていたかという理由は、月路が俺の方を振り向いて、口元に人差し指を当てていたしぐさで気づいた。
つまり今はだまれということだ。
低木からのぞいてみると二人の姿が見えた。
遠藤とルナという女だ。
俺たちはこっそり二人に近づいていった…。
いったい何をしているのだろうと思ったら、こいつらはまたとんでもないことをしていた。
「ねぇ…いっそルナたちの方につかない?」
「え?」
ルナは遠藤に交渉していた。
「もし…こっちについてくれたら…ルナのこと好きにしていいよ…」
「え?えぇーーーっ!!」
「しーっ。今は静かにしないと、バレちゃうー。」
なんだこの女。
「きゃはは…」
たいしてかわいくもないのに、その口調!聞いてるだけで、すっげぇイラつく!
「ねぇ」
ルナは遠藤に思いっきり開いた胸元を見せつけていた。
「遠藤くん!!避けて!!」
「え?」
ダダダダダダダダ……
月路は二人がいる方にマシンガンを打ちまくっていた。
遠藤はいきなりのことで月路の弾をよけきれなかった。
一方で、ルナはうまく避けていた。
そしてルナもついでに遠藤に近距離で打ち込んでいたらしく…
「うっ……」
遠藤は月路からもルナからも前後どちらからも撃たれていて、地面に丸まっていた。
「遠藤くんごめん。大丈夫?」
月路がエンドーに駆け寄る。
遠藤はひたすら痛そうに丸まっていた。
「美星なにしてるの!あいつに撃って!!」
俺もそのルナのことを追って…
ダダダダダダ……
と思いっきりルナに向かって撃った。
このゲームはじまって初めて打ったが、ルナには逃げられてしまって、全部空振りで終わった。
そしてどこからもなく、審判が現れて。
「はい!遠藤 秀アウト!あ、君は5分後に復帰予定ね。」
赤チーム
生存者 ツキジ ミホシ センパイ
退場者 マリちゃ ツヅくん
待機中 エンドゥ
黄チーム
生存者 リーダー ザコっち シタッパ パシリン ルナ
退場者 パパ アニキ
「赤チーム残り4人。黄チーム残り5人となりました。」
おいおいおい、いつの間にか出し抜かれていた。
まだ何とかなりそうだが、残っているメンツが…5分後に遠藤が復帰できるとして、今実質動けるのはたった3人…。
それも俺ら二人以外で生き残っているのは、あの平和主義者な桜野先輩のみ…。
これってすごく不利じゃないか?
その頃… ―――――――――――――――――――――――――――
桜野先輩の場合…
「困ったなぁ…参加してみたはいいけど…なんにも分からないや…。
って?これどうやって使えばいいんだろ?」
と未だにスタート地点にいたのであった。
そう桜野先輩は最初のスタート地点にまだいた…。
桜野先輩は自分の頭上で、真理VSオヤジ―ズの乱闘があったにもかかわらず、それすら気づかず、ずっとエアガンの取扱い説明書を一生懸命読んでいたというある意味強者だった。その間、桜野先輩は存在そのものを無視されていたのであった。
桜野先輩…。人数合わせなだけで、戦力にはならず…
がんばれ!先輩!負けるな!先輩!お前は逃げきるだけの存在だ!
某特撮番組のナレーターが言うようなセリフが似合うような桜野先輩であった。
そして、俺たち二人はといえば… ———————――————―————————
ミホシ、ツキジの場合…
「どうするんだよ?」
「どうするって?全部倒していくしかないでしょ?」
至極当たり前のことしか言わない。
「で、都築はいったい誰に襲撃されたんだ?」
「多分、あのリーダーとかいう奴でしょ?」
そういうところだけは、しっかり目星つけてるんだよなこいつ…。
「他はどうであれ、あのリーダーという奴はマジでやる気になってる。
そしておそらく、一番の狙いはあんた…」
「!?」
そこが意味わからなかった。
「意味わからんと思ってるでしょ?
多分アイツはあんたのそんなところが気に入らないんよ。」
そこから、月路はずっと黙ったままだった…
沈黙が続いたまま、かなり時間が過ぎたように思えてきた…
このままなにも喋らないともなると余計に気まずくなってきた…
さっきの都築に事故とはいえキスしたことといい、都築のことをいつの間にか下の名前で呼んでいたりで。俺は今、こいつに思いっきり訳が分からない思いが込み上げてきた。…
「あのさ…」
「なに?」
「来週の金曜日、夏祭りがあるんだけどさ…」
「うん」
「そこで俺と一緒に過ごしてほしい…」
「は?こんな時にそれ言う?」
確かに俺もそうは思ったが、こういう二人だけの時でないといえないのも確かだ。
俺は正直こいつのことは何も知らない。だからこいつとは一度、ゆっくり過ごしてみたい。
「ダメか…?」
「別にいいけど…」
あっさりOKしてくれた。
「ただし、条件があるけどいい?」
「なんだよそれ?」
この時、月路の表情がいきなり変わった。
「おいどうした?」
「そろそろ来る!」
「え?」
いったい月路はどういう聴力してるんだよ?
「いい!ザコっち、シタッパー、パシリンはどうにでもなる。
でも、リーダーはあんたのことすっごい狙ってる。あんたにだけはすごい殺意はある。それでも死ぬ気でいけば、何とか行ける!」
理由はよくわからんが、リーダーはやっぱり俺のことが気に食わないらしい。
って?死ぬ気でいけばッて?死んだらサバイバルゲーム負けでは?と思えるが…
「問題はあのルナという女!あいつはヤバい!気を付けて!」
そうとばかりも言ってられないっぽい。
そして…その敵サイドでも… ――――――――――――――――――――――――
ルナの場合…
「どうしたの?パパ…?」
「あの金髪の女…髪型は以前とは違うけど…ずいぶん前にどこかで見たことある顔だ…」
「え?」
「あの顔…あの黒い目、間違いない。多分あの女だ。でも…なんか違和感あるけど…ま、いっか…」
これは少し前の時間にさかのぼる…
そうまだこの試合が始まる前のこと…
お互いの顔合わせを済ませたすぐ後のこと…
「いいか、俺にもしものことがあっても、まずはあの金髪女をつぶすことだけを考えろ!そうすれば勝てる!あとは全員ザコだ!」
敵サイドの試合前のミーティングではこんなことが話されていた。
赤チーム
生存者 ツキジ ミホシ センパイ
退場者 マリちゃ ツヅくん
待機中 エンドゥ
黄チーム
生存者 リーダー ザコっち シタッパ パシリン ルナ
退場者 パパ アニキ
残り9人
ふーん…
あの女か…パパが言ってたあの女…
というかね。
ルナ、女ってキラーい!
だから、ルナ以外の女は全員いらなーい!
もう、女っていうだけで許せなーい!
だからルナちゃん。がんばりまーす!!
って?あれ誰?
男じゃん…
おお―――!!
なんか、かわいい感じじゃない?
あっちのチームって、割とイケメン多くない?
というか、うちのチームがしけてるのよねー。
「こんばんは」
まぁどちらにしても男を落とすのは得意だ。
「こんばんは。おひとりなんですか?」
「ええ、なんかぁはぐれちゃってぇ、みんなどこに行っちゃったんかなぁ?」
何?この男、マジちょろそう~。確かセンパイくんだっけ?
さっきのモヤシメガネくんも女慣れしてなくて、簡単に行けたけどさ~。今度のはもっとちょろそう~。
それに、さっきのメガネより明らかにかわいいじゃんこの人。
「あの~私たち敵同士ですけど~一緒に行動しませんか~?なんか~心細くってぇ~。」
だいたい男なんて、ちょっとこうやって頼りにするふりして甘えておけば、簡単に落ちる。
「そう言ってくれるとありがたいです。俺もこういうところに興味があったものの、勝手がよくわからなくて。」
ん?サバゲー初心者か?ならなおさらちょろい!
「そうですよね。一人だけおいていかれるのって、寂しいですよね。」
「ん?」
多分、こいつならいきなり打ってきそうもないから…もう少し、身体を密着して…
「なんか~もうがっかりって感じぃ~。こんなにか弱い女の子置いてくなんて~アイツらマジであり得なくないですかぁ~。あいつらマジ最低っ!」
よしよし、か弱さアピ成功。
「あの…」
なんかいけそう。
「君、仲間の悪口を言うのはよくないよ。ごめんね。正直そんな人とは一緒にいたくない。」
そういわれて、
(「え――――――――――――っ!!」)
心の中が真っ白になっていた。
そして気づけば、相手チームのセンパイくんはいなくなっていた…。
なに?あの男……?
至極当たり前のことしか言ってないはずなのだが、穏やかに話す割には、なぜか言葉にすごみがあって、フリーズさせてしまう…。
アイツこそ油断ならん奴だ…
その頃… —――――――――――――――――――――――――――――――――
ミホシ、月路の場合…
ダダダダダダダダ……
案の定、迫ってきていた。
追いかけてきたのは、ザコっちとシタッパーコンビだった。
「ごめん。あいつら思った以上に撃ってくるわ。多分練習でもしたんだと思う。」
今更そんなこと言われてもな…
「いったん二手に別れよう。あんたはあっち。いい!逃げきったらスタート地点に集合ね!いい!もうヤバくなったら、殺す気で撃て!」
いきなり、二手に別れる提案をされて。俺はまた一人になってしまうという不安でいっぱいだった。
月路は一人でもなんとかなるとして、問題は俺だ。
「殺す気で撃て!」って、滅茶苦茶いうよな…。でもそうでないとやってられんのも事実…。
そう思って必死で逃げたのだが…
あいつらはなぜか二人とも月路の方へといってしまったらしい…
そして俺はしばらく行くと…
変なものを目撃してしまう…。
「本当に申し訳ないです。どうしてもこの機能が分からなくて…」
「いいっすよ。俺もバカであんまり分からないし。」
なんとたどり着いた先には桜野先輩とパシリンが、敵同士だというのにも関わらず、サバイバル講座をしていたそうだ。
ていうか桜野先輩………。敵にマシンガンの使い方聞いてるなんて、とんでもないほど命知らずじゃないか?といいたくなるほどの雰囲気だったというのに…
「えっと…ここをこうして……」
ダダダダダダダダ……
いきなり撃ち出す桜野先輩…
「うわぁ―――――っ!!」
いうまでもなく、かなりの近距離だったのでパシリンに命中してしまう…。
「もうっ!桜野先輩ずるいっす!俺っちアウトになってしまったじゃないですかっ!!」
「ごめん…まさかこうなるとは思わなくて…」
桜野先輩……恐るべし天然力…
パシリンアウト!
残り8人
桜野先輩とパシリンのやり取りを一部始終見ていた俺は桜野先輩と合流した。
一応、なんとか戦力にはなると見込んで…。
「桜野先輩は今までどうされてたんですか?誰に攻撃されたとか、そういう情報ってどうですか?」
「そうだね…俺は結構長いことスタート地点にいたらしくてさ、気が付いたら誰もいなかったって感じかな。」
ああ、この人ホントマイペース過ぎの天然だ…。
なんで、試合がすでに始まっているというのに敵にルールを聞くということができるのであろうか…
「あ、そういえばパシリン君と会う前に相手チームの女の子と合ったなぁ。」
「なんだってっ!!」
その女。確か月路が危険人物扱いしていた女だ。
そんな女に遭遇して、無事でいられるこの人って…
「それで何かされたのですか?」
「いや特に何も…。あそうだ。少し話したぐらいかな?」
「どんな話ですか?」
そこはすごく気になる…。
「ん?んーっと…なんかあまりたいしたことじゃなかったから、忘れたかな。」
ああやっぱり、この人はあてにならない…。
でも、あの危険人物と一緒にいて、無事でいられただけでもこの人はすごいんだよなぁー。
ふと見ると少し先にトイレ発見…
「ごめん俺、ちょっとトイレ…。先輩、ここで待っててくれますか?」
「ああいいよ、いいよ。いってきて。」
俺が手を洗っている時だった…
「あんただけは許せなぁーーーーーいっ!!」
ダダダダダダ……
という声と共に銃声が聞こえてきた。
え?なんだろう?
俺は木の陰に隠れたまま…
話を聞いてみることにした…
少しだけ見ることができたが、どうも桜野先輩と敵の女という組み合わせだった。
「ああ…やられちゃったなぁ~…。これで終わりなの?」
まさかフラグ通りになるとは…
桜野先輩アウト!
残り7人
こんなゲームだというのに、とんでもないほど落ち着きを払っている桜野先輩に対して、女の方はかなり息を切らしている。体力的な問題というより、桜野先輩のあのマイペースさが原因で疲れているようだ。その気持ちはわかる…。
「当たり前だろっ!!?何言ってるんだこのおっさんはっ!!?」
うわ…桜野先輩をおっさん呼ばわり…って?
それを言ってしまったら、お前もあと2,3年で、おばさんになるいう事だぞ…。
なんか、出だしで聞いたブリッコ口調とは違って、この女かなり言葉が乱れていやしないか?やっぱりこっちが本性なのか?女ってこえぇー!
そこへアナウンスが流れる…
「残り時間15分となりました。赤チーム生存者二人。待機中一人。黄チーム生存者4人。がんばってください。」
これ、かなりヤバくないか?
でも今、あの女一人…チャンスだ…
俺が構えた時だった。
「撃たないでっ!」
いきなり女が俺の存在に気付いた。
月路がこの女には気を付けてといったが、やはりこいつも月路並にできる奴か?
その一声で俺は思わず手を止めてしまったではないか。
その女は振り向いて、すごいうるんだ瞳して…
「誤解なの…この人が先に撃ってきて…その…怖くてルナも思わず撃っちゃって………。
エーーーーン!!こわかったよぉ―――――っ!!」
といって俺に抱き着いてきた。
「え?ちょっと…?…俺、何もしてな…」
なんだ!?この女!?
さっき桜野先輩に取っていた態度と全然違うではないか――――っ!!?
なんでこんなに息を吸うようにウソがつけるんだよっ!!?
さっきから俺が聞いていた限りでは、明らかにこの女の方が、桜野先輩に対して、殺気だっていたとしか思えないようなやり取りだった。
桜野先輩はいきなりこの女にうそをつかれて困惑している様子だった。
そうだ!桜野先輩は何もしてない。俺は一部始終見ていたのだから、俺は桜野先輩に頷いて合図を送った。そしたら桜野先輩もホッとした顔をしていた。
それにしてもこの女…
すごい色仕掛けでまとわりついてきていて、俺を離そうともしない…。
これ…かなりまずい状態だ…
顔的にはよくいる十人並で、正直簡単に飽きそうな女けど、身体はエロい…。
たったそれだけの理由でも、男ゆえにこのまま突き放すのは難しい。
「美星!!お前、何やってるんだっ!!とっとと撃たんかっ!!」
と一喝する声が聞こえた。
「キャッあの娘こあいーーー。ねぇおねがぁーい。なんとかしてぇー。」
相変わらずブリッコモードだ。
「美星!お前が何もやんないなら、俺がお前ごと撃つっ!!」
「なぁに?バッカじゃないの?そんなことしたら、あなたのお仲間も道連れなんですけどぉー。」
悔しいけど女の言うとおりだ。
「うるせぇっ!!!」
うわっ、月路がああなってしまってはもう収拾がつかねぇ!!
てか月路のことだから、このままだとあいつ、本気で撃ってくるのは確定だ!
これは何が何でもこいつから離れないと…
俺は必死で、女を突き放した。
「キャッ!!」
女を何とか振りほどくことができた。
そしたら…
「こいつ!今、胸さわった!」
「は?さわってねぇし!!」
「嘘つかないで!!セクハラよっ!!」
「は?さっきからウソばっかり言ってるのお前じゃないかっ!!」
俺らだけ、やんのやんのしていたら…、その横からすごい気迫が迫っていた…
「んなもん!!クッソどうでもいい!」
「え?」
「へ?」
ヤバい!月路がマジでキレた!
「おい!お前っ!!」
ダダダダダダ……。
月路はエアガンをぶっぱなしながら、何か言っている…。結局、銃声で何言ってるかさっぱり聞こえなかった…が滅茶苦茶キレてる。
「は?なにこの女!?」
「うるせぇ!こいつは俺のだ!さわるなっ!!!」
ダダダダダダ……
あれだけすごい勢いでぶっ放したというのに、あのルナという女はまだ一回も当たってないのがすごかった。
「ふーん。だから女は嫌いなんだよっ!」
ダダダダダダ……
ダダダダダダ……
ルナもすごい勢いで撃ち返してきた。さすが月路も見込んでいただけの女ではある。
月路も持ち前の体力で、いつも通りぴょんぴょん跳ねながら、いとも簡単に避けていた。
「残り10分」
放送が流れる。
「え…?」
月路は残り時間を聞いて、何を思ったのか?すごい反応が変わった。
「あんたたちがくだらない茶番ばかりしてたから、すごい時間食ってしまったじゃん!!作戦は変更する!!」
「え?おい!!」
月路はいきなり手榴弾らしきものを持ちピンを抜いた。
って⁉そんなもん使うのもありなんか!!?
「とりゃーーーーーっ!!
「伏せろ」とも何も言わずに!月路はそれを地面にたたきつけた。
ボワーン
そうすると辺り一面にすごい勢いで煙が回った。
ほとんど周りが見えにくくなっている時に、
ダダダダダダ……
銃声は聞こえ続いた。
「何よこれ⁉ただの煙幕じゃない!!?」
煙の中から女の声が聞こえ、煙の中から月路が出てきた。
「あいつにお前は無理だ!お前は隠れてろ!あとこれ、お前にもやる!」
そういって、俺にさっきの手榴弾型煙幕を渡してきた。
って?こんなもの何の役に立つんだ?
ダダダダダダ……
「あ、ヤバ…」
月路はまたうまいこと姿を消した。というかそれはものの数秒いったいどこに消えた?
煙の中から、銃声が聞こえる。相手ももう適当に乱射しているようだ。
そして、いつの間にか煙の効果は消えつつあった。
俺もそろそろ隠れないとまずいかもしれん…。
少しずつ晴れていく。
「いたっ!!」
ダダダダダダっ……
ダダダダダダっ………
その声とともに二人が放つ銃声が飛び交う。
結果は…
ツキジ ルナ アウト!!
赤チーム
生存者 ミホシ
退場者 マリちゃ ツヅくん センパイ ツキジ
待機中 エンドゥ
黄チーム
生存者 リーダー ザコっち シタッパ
退場者 パパ アニキ パシリン ルナ
残り5人
「は?」
俺、とうとうボッチになってしまったじゃないかよっ!?
一応、遠藤はいるらしいが、多分もう復帰もできているのだろうが、結局一人だ。
相手チームは3人も残っているというのに、今案では月路の聴力がほとんど頼りだったというのに、これ?どう勝てと?
「おい月路!お前。何脱落してるんだよっ!?」
「ごめんて…」
「俺一人でどう戦え言うんだよ!?」
「大丈夫。とにかくこいつだけは倒した。」
「ちょっと!イヤな言い方こいつっていうなぁ!!」
「時間…時間がないんだ。というかなかったんだ。だから、こうした…。」
「そんな無責任なこと…。」
「いいか!こいつさえいなければ、どうにかなる!問題はリーダー。そいつだけは気をつけろ!」
「さっきから、私らのことをこいつとかそいつとか言わないでくれる?」
ルナは自分がここで退場になったことがかなり不服らしくふてくされていた。
「本当に時間がないの!あとは自分で何とかしろ!リーダー見たら殺す気でいけ!それが難しいと思ったなら…また別の手をお前が考えろ!!」
「…えー…。」
「早くいけ!誰か見つけて、ぶっ倒して来い!!マジで時間ないんだよっ!!」
俺は月路の言い分ももっともだと思った。
はっきり言って、実際は俺が原因でもないのに巻き込まれたトラブルで、なった結果だ。それもその因業をワザワザ背負い込んだのも俺だ。
ここは俺が責任をとるべきだ!
ここは月路を信じよう!
相手がザコっちやシタッパなら、撃てば当たるならそれを信じよう…。
今はそれしかなかった。
ん?なんか聞こえる?
「しっ!バカ!動くなよ!」
なんかこそこそ言ってる声がした。
「え?俺、便所いきたいし…」
「あと数分ぐらい我慢しろ!」
「えー」
「おとなしくしてれば、見つかりっこないから…」
まさかこいつら?隠れて勝ち逃げ戦法で行くつもりか?
そういうのもありっちゃありだが、結局、人数差は一人であまり変わらんけどな…。
それにいま、そっちは二人でこっちは一人、明らかに不利なんだけど…
まぁいいか…ここはなんとか音を立てずに慎重に近づかないとな。
そんな時だった…。
パキッ
という音がした。
ヤバい!知らん間に足元の小枝か何かを踏んづけていたようだ。
「誰だっ!!」
やべっ!ザコっちに気付かれた!
ダダダダダダ……
これは迷ってる場合じゃない!
俺はすかさず撃った。
これはザコっちに命中!と思いきや。なぜか隣で突っ立っていたシタッパに命中!!
ザコっちは俺に気付いて素早く逃げていた。
その頃… ―――――――――――――――――――――――――――
ツキジ、ルナの場合
「あんた、あのミホシって子の…ってマジなの!?」
「ん?そんなことより、あんたはシタッパ君のこと好きでしょ?」
「は?なんでそうなる!!?」
「なんとなく―――。」
何なの?この人は―――っ!?
でも…他の女よりかはずっとマシかもしれない…。
いつの間にか、なじんでいた…。
「まぁ、あんたはどうでもいいかもだけど、シタッパ君、他に女いるよ。」
「え!?なんでそれがわかるのよっ!?」
私は思わず、取り乱してしまった…。
「なんとなくーw」
「それを言うなら、あのミホシって子もじゃない?」
「わかってる。」
何?この女!?なんでそんな余裕面してられるの?
普通の女の子なら、絶対どこか取り乱しているというのにさっぱりそれがない。
全然、嫉妬しないなんて、意味わかんない!
でもやっぱり他の女よりずっとマシだ!
「あんたいったい、いくつなのよ!?」
「ん?まぁご察しの通り、ルナちゃんよりか年上。ごめんね。おばさんでw」
って、自分でおばさん言うか!?
でも、そういうところも潔くて好きかもしれん。
でも年上とはいえ、タメぐらいにしか見えんのだよなこの人…。不思議な人だ…。
なんか、あれだけ試合中は憎みあっていたのに、いつの間にか馴染んでいた。
そしてこれを話していたのはちょうどシタッパがアウトになった時だった…。
シタッパアウト!
残り4人
そして、ミホシはどうなったかといえば… ――――――――――――――――――
ミホシ、ザコっち、シタッパの場合
「シタッパ―――――――!!」
シタッパがすでに退場となった今、ザコっちは時間稼ぎのために逃げるという戦法をうってきた。
ホントに雑魚はザコだった。
これはチャンスと思って、ザコっちを追いかけながら撃ちまくった。
ダダダダダダ……ダダダダダダ……
思っていた以上にザコっちの逃げ足は速く、なかなかザコっちに命中しない。
だが、絶対に逃がさない!次こそはっ!
と思った瞬間だった。
どてっ!!
俺は思いっきりこけた。
何かと確認してみると、結構低い位置に縄を張るという古典的なトラップに引っかかって転んだのであった。
ああ、こんなマヌケな罠にはまるなんて…
「アーハハハハハハハッっ!ざまだなぁ―――。こんなマヌケな罠にはまる奴は誰だろうと見ていたら、お前かw」
目の前にはリーダーがいた。
「まぁいいや。これで手間が省けたってもんだ。お前をコロス!!」
終わった…。
俺は転んだままだ。
そして、相手はすでに上から俺に向かって、銃口を構えている…。
ごめんツキジ…。
そう思って、目を閉じてリーダーから顔をそむけた時だった…
ドンっ!!
鈍い音がした。
ん?何があった??
目の前にはリーダーの上に馬乗りになっている遠藤がいた。
間一髪で遠藤が体当たりをしていたのだった。
助かった…。
「いってぇ―な!お前っ!!何してくれるんやっ!!?」
リーダーは、遠藤にいきなり体当たりされ下敷きになっていた。
「わっ……」
遠藤はリーダーのすごみにびっくりして、せっかくのマウントポジションを飛びのいてしまった。うわっ!バカそこで飛びのいたら終わりだろ!!?
でも遠藤にはそれが手一杯か…
それでもリーダーは、いきなり体当たりされたことで、いきなりは立てそうもないので、結果オーライとしよう。
そう思った時、向こうからこっちにすごい勢いでかけてくる影を発見。
あとここにいる者以外で、生き残っているのはザコっちのみ。
「遠藤伏せろっ!!!」
ダダダダダダっ……
俺はそのまま、エアマシンガンをぶっ放した。
これで何とかなるか?
そう思ったらザコっちもうまいこと伏せていたようだ。
「クッソ…」
と不良は言うがそれは俺も言いたい。
俺だって今、ザコっちに当たらなかったのだから。
「遠藤!何でもいいから、今のうちにぶっ放すぞ!」
ダダダダダダ……ダダダダダダ……
ダダダダダダ……ダダダダダダ……
そうです。今二人とも体制が不利なうちにぶっぱなしておくべき!
と思って撃ちまくっていたが、二人ともいきなり起き上がって、うまいこと避けて、こっちに撃ち返しても来ていた。
やるよな。こいつら…動きが半端ねぇ!
やっぱり月路の言うとおり少しは練習していたのだろうか?
おそらく、あの筋肉マッチョなおっさんたち二人にかなりしごかれたのだろうな。
俺らは、金曜しか動けない誰かさんのせいで、ぶっつけ本番いうのに。
俺も遠藤も必死だった。
途中で玉切れもあった。その詰め替え時は、正直ぶっぱなしている時よりも大変だった。というか、今も詰め替え中だ。
「あ、いた!」
ヤバい!
このままだと撃たれる…
あ、そうだ!これ!使うなら今じゃないか!!?
俺は煙幕のピンを外し
「おい!んなもん持ってるなんて聞いてないぞ!」
相手の方に投げた。
煙が出てくる…
「うわぁーーーーーーーっ!
ただ単に煙が出てきただけだというのに、リーダーは無駄に叫んでいた。
「美星くん。あれ何?」
すぐ隣にいた遠藤もさすがに、あの変形型煙幕にはびっくりしていた。
俺は詰め替えしながら
「ああ、月路からもらった。」
「そか、あの子いろいろすごいよなぁ…。」
「お前もなんかあったのか?」
「さっきね。ここに来る時に会ったんだけど、その時に「美星は任せた!ちゃっちゃと男になって帰って来いよ!」なんて言われちゃった。」
遠藤は月路とのやり取りの時を思い返してか、心なしかデレっとしてる…。
おいおいおい。月路よ。お前は都築だけじゃなく、遠藤まで魅了するか…。
なんか徹底的に許せない!!
そんな訳が分からない思いが込み上げてきた。
月路!お前を絶対にこいつらに取らせてたまるかっ!!
煙が消えてきた…。
「お~ま~え~ら~…ふざけてるのかぁ―――――っ!!!」
ダダダダダダ……
リーダーがいつに増してか、いきなり撃ってきた。
何か事情はよく分からないが、めちゃくちゃ怒ってる…。
まずいこのままじゃやられる!
その理由が
煙に巻かれている中、リーダーの撃った弾にあたりザコっちがアウト!
残り3人
だいたいこんなところで、煙幕を使うなんて予想外のこと。
それは怒りたくもなる。
「どうする?あいつ、殺す気で来るけど?」
「なんか怖いよな~あの人…」
俺はこっそり遠藤に耳打ちをする。
「多分アイツの狙いは、お前より俺だ。俺が囮になる。だから、お前がやれ。」
「え?…」
「「男になる」って約束してきたんだろ?」
少しだけ月路を取られた感じしてるけど、ここはこいつを持ち上げないと負ける!
「何をこそこそ言ってる?マザコンヤロ―!」
「は?マザコンヤロ―だってっ!?」
「誰がマザコンヤロ―だって!?」
気が付けば、俺らがハモって同時にそれを言っていた。
「うるせぇ!お前らマザコンヤローにぜってぇ負けられねぇ!!」
ん?俺には母親などいない。
なんでそれ言われるんか意味わからん。
あと、遠藤はそれ言われるのが何よりもダメな奴。
俺らはそれ普段から、すごい気を付けている。
おい、リーダー地雷踏んだな…。
遠藤の体は震えている…。
これマジでやばいぞ…
どうしよ俺?
「何それ?自己紹介?お前こそ、母ちゃんラブなマザコンヤローなんじゃねぇの!?」
ここは何でもいいから煽るだけ煽って引き付けよう。
「んだとっ!!?」
あらぁ…リーダーちゃん…。ホントにマザコンだったとか?
遠藤以上に地雷発言だったとか?リーダーちゃん、めちゃ怒ってます!
「ベロベロバー!」
俺マジで殺されるかもしれん!
遠藤、後は頼んだ!!
マザコンと言われて、多分キレる予定のお前に期待をかける!
いうまでもなく…
俺、リーダーにマジギレされてあっけなく撃たれる…
ミホシアウト!
残り2人
残り1分
そんな時にギリで引き分け…
正直、逃げ切りという方法もあった。
こんなに接近戦じゃ背中を向けた時点で負けだと思って、あえて引き付けたのだがダメだった。
「フン。お前だけが残ったか…。」
リーダーは体が震えている遠藤を見て、余裕そうにしている…
「まさか、お前みたいなヘタレが残るとはな。」
多分、遠藤には撃てまいと思っているのだろう。
リーダーは完全になめてかかって、遠藤に近づいていく。
「なんか言いたげだな?遺言なら聞いてやるよ…」
遠藤は震えながら…
「…くは……ザ……ゃない…」
「は?聞こえねぇよ!!」
とリーダーが聞きなおしたとたん…
「僕は……」
一瞬沈黙。
「マザコンじゃなぁ―――――――いっ!!!!!」
ダダダダダダダダっ……
「おわっ…」
リーダーはなすすべもなく、そのまま倒れた。
リーダーアウト!
勝者 遠藤 秀
赤チーム
生存者 エンドゥ
退場者 マリちゃ ツヅくん センパイ ツキジ ミホシ
黄チーム
生存者
退場者 パパ アニキ パシリン ルナ シタッパ ザコっち リーダー
優勝者 遠藤 秀
「勝てた…」
遠藤はその場にへたり込んだ。
その顔は、まるで何かが始まったみたいだった。




