7.初めての街アイロ
山を抜けて、俺たちの視界に飛び込んできたのは賑わう街並み、行き交う人とlink達だった。さっきまでの自然に囲まれていた状況とは打って変わって人々がこの地に根付いて生活していることが分かる。
街に入ると多種多様な店の並ぶ通りから活気のある声が飛び交っていた。
「火生系のlinkの覚醒に役立つ逸品入荷してるよー」
「回復速度の上昇する料理は如何ー?!」
近くを通るだけで料理屋、素材屋、その他様々な店のアピールが押し寄せてくる。
「まずは1番の目的のエントリーを済ませないと」
この街の中でも一際大きい建物の一つがバトルトーナメント協会になっている。エントリー自体は誰でも可能で手続きもたいして時間もかからないらしい。
協会に入ると受付の人が待機していた。
「こんにちはー。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「こんにちは!バトルトーナメントのエントリーをしに来ました。」
「承知しました。では、少々お待ちください」
待つこと数十秒、俺のエントリーは完了していた。内心早すぎるだろと思いながらお礼を言って、ひとまず協会を後にすることにした。
やるべきことは済ませたことだし、せっかくのアイロだから観光しようということで飲食店に入店し、アイロの名物アイロクリームを食べた。
「濃厚で甘くて美味い!何個かお持ち帰りで買って帰ろうかな」
link用のアイロクリームも売っていて、二人ともかなりの量を食べていた。気に入ったようなので二人の分もいくつか買って帰ることにした。
その他にも素材屋、道具屋などにも寄り道しながらアイロを満喫し、日が暮れてきたのでホテルに向かおうとしていると、教会からナビに電話がかかってきた。
「もしもし?どうしたんですか?」
「もしもし、私協会に勤めているトーコというものなのですが、シュウさんのエントリーの際に渡すはずだったものを渡せていないことが判明しましたので、一度協会の方に来ていただけないでしょうか?」
「分かりました。すぐ向かいます!」
突然の連絡に驚きはしたものの、渡すものとはなんだろうと思いながら協会に向かった。
協会に入り、再度受付に行くと
「来ていただきありがとうございます。件のものを渡すにあたってナビの方をお貸しいただけますか?」
了承してナビを渡すと、ナビを何やらハイテクそうな装置に通して俺にナビを返してくれた。
「今お返ししたナビの機能にlinkゲートの機能を追加しておきました。この機能を使えばいつでもlinkをlinkゲート内の空間と行き来させることができるようになります。」
「ありがとうございます!そんな機能をつけてもらえるんですか」
「はい。linkは覚醒等をしていくと、人よりもずっと大きくなるものもいますので、街中などでは不便なことが多くなります。そう言った時にゲート内に移動しておけばそう言った問題も起きませんので」
他にもゲートの開き方などを聞いて協会を出た。試しに2人をゲートに移動してみてもらうか。ナビのゲート起動ボタンを押すと、どこからともなくゲートが現れ、その向こうには広大な空間が広がっていた。
「2人ともこの中に入ってみてくれるか?」
「アーウ」「ワゥ」
2人とも快く引き受けてくれて、ゲート内に入っていった。念の為ゲートは開きっぱなしにしておいた。しばらくすると2人とも出てきた。
「中はどうだった?」
「アーーウ!」「ワゥ!」
どうやら居心地はとても良かったらしい。話に書いた通り、中はlinkにとって過ごしやすい環境のようだ。
今日はかなり充実した一日だったように思う。ホテルに着くと、すぐに布団に入り、これからの計画を立てないといけないななど考えているうちにいつの間にか眠りについていた。




