6.ここ掘れワンワン
ウィードルフを仲間に迎えてから数日、このハクレイの山も下り始めていた。
「この山道も半分越えたし、あと数日で街につきそうだな」
次の街が近づいていることを感じながら、街でやるべきことを整理していた。
「まず、トーナメントに参加するために参加登録をして、せっかくだから観光もしたいよな。あと、やっぱりあれも買わないとな」
色々考えを膨らませていると、ナビが警告音を出し始めた。
「うわっ!なんだ!故障か?…なるほど考え事しているうちにナビの想定のルートから外れていたのか」
予め設定していたルーティング機能による警告だったらしい。ナビが予定していた道に戻るためにナビの再設定を行なっているとウィードルフが何やら吠えて俺を呼んでいるようだ。
「ワゥッ!ワゥッ!」
「どうしたんだ?そのあたりに何かあるのか?」
ウィードルフは否定も肯定もせずただ、ついてこいと言わんばかりにルートから外れた山道に入り込んでいった。
「おい!一人で行ったらあぶないぞ!」
ウィードルフを呼びながらはぐれてしまわないようにウィードルフの後をアクローナと追いかける。
ウィードルフを追うこと十数分かなり入り組んだ山道に足を踏み入れていた。
「おーい、ウィードルフ!これ以上奥に行くと、ナビがあっても戻るのが大変になるぞ!」
何度かウィードルフに呼びかけるが、まぁついてこいと言わんばかりにこちらを見ては進んでいく。明確な目的地があるように迷いなく道を切り開いて進んでいるため、俺も何があるのか、何をしようとしているのかとても気になってきていた。
しばらくして、道がひらけて岩肌の露出した場所に出た。そこでウィードルフが待ってましたと言わんばかりに毛繕いをしながら座り込んでいた。
「目的地はここか?」
ウィードルフに近づいて、尋ねる。なんだかんだかなり歩いてきたので俺も質問しながら岩場に座り込む。
「ワーウ!」
元気よく「その通りだ!」といっているのがなんとなく感じられた。
「で、ここで何をしたいんだ?」
目的地に着いたといってもこの辺りは見渡す限りの岩場なぜこんなところに来たのかは俺にはまだわかっていなかった。
「ワゥワゥ!」
すると、ウィードルフは前足で岩肌を削るように掘り始めた。どうやらそこを掘ってみろということのようだ。だが、こんな岩肌を二人はともかく俺は晴れないので二人のアーツで掘ってもらうことにした。
「アクローナ!水撃砲で地盤を削ってくれ」
「アーウ!」
ドガッだという音と共に岩肌が削れたのがわかった。さらに水撃砲の水分で地盤が柔らかくなったようでウィードルフの掘るスピードも上がったようだ。
「よしっ、ウィードルフ!操蔦打で最後の仕上げだ!」
「ワゥ!」
ドーン!という地面が崩れる音とともに地面の中から何かが露出しているのが確認できた。なんだろうかと掘った穴を下っていくと、何かの鉱石のようなものであるとわかった。
「こりゃ何の石なんだ?ただの石ではないようだが。ウィードルフ分かるか?」
尋ねると、全くわからんという顔つきでこちらを見ていた。
「そうだ!ナビに調べてもらうか。」
ナビの機能を思い出し、リュックからナビを取り出すと、この石を調べてもらった。
「この鉱石は甲圧石です。」
機械音声で教えてくれた。名前が分かったからといって使い道がわかったわけではないが、こんなに苦労してとったのだからいずれ役に立つ時がくるだろう。甲圧石をリュックにしまい、穴から出た。
「満足したか?」
そう聞くと「ワゥ!」と返事が返ってきた。かなり長時間の寄り道にはなったが、何も収穫が無かったわけではないし、よしとしよう。甲圧石がなんなのかはクリエイターに聞いた方がいいだろう。何かの役に立つといいなと思いつつ街に向けて、元のルートに戻ることにした。
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ウィードルフ
アーツ:操蔦打




